炎獅子と漆黒の騎士

月蛍縁

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かれこれ数時間後
私はとある城つまりはアシュベルトの城へと来ている
全てが赤と金と白で統一され、例えるならば金持ちというイメージだ
私には全く似合わない
「アシュベルト、私はこの辺りで」
頭を少し下げて、城から出る
城から出ると街人が私を見つめていた
「漆黒の騎士よ………」
「かっこいい!」
何なんだと私はギロリと睨むことをやめる
何故だろう
この街の人々はとても優しく、花の香りがした
とある一つの店に入る
その店は武器や暗殺具を売っていた
「………ふむ」
私はそれぞれの武器を一度見て店主と話をつける
「ここからここまで、くれないか」
指を指したのは大体教室の端から端までの長さに大体二百はある武器達
店主はびっくりしていた
「金はこれぐらいか?感覚がわからないからな」
ドサリと袋に詰まった金貨を渡す
店主は頷くと武器を専用のケースに入れて渡してくれた
ありがたい
私はスタスタと歩いて行こうとするたび引き止められる
「果実はいかが?」
そう言い寄ってくる女性
「いや、また来るよお嬢さん」
私は買わず、にこりと微笑む
「このアクセサリーは君に似合うよ!」
そう言って私の腕を掴む男性
「いや、結………「すまないがそれを一つと同じ種類を二つくれないか」!?」
私の肩をふわりと掴み男性からアクセサリーを受け取るアシュベルト
私は青冷めた
あの距離をこの速さでくるには相当な力がいる
一体どこに力を秘めているのだ
「さ、帰ろうか」
ひそりと呟く声
「王子!見つけましたか!?」
ゼェゼェと息を荒くする執事服の人
私は槍を構える
「おう、この子だ」
グイッと引っ張られポスんと彼の肩に頭が乗った
「ほぉ、漆黒に近い青髪にその整った顔」
じっと見つめられる
私は睨みアシュベルトに怒る
「私はこの街で住処を作る、貴殿は何がしたいのだ」
低く唸るような声を出す
「!?」
執事服の人は吃驚している
「ハハハ!な?面白いだろう?」
怒られていると知らないアシュベルトはケタケタ笑うと私を引き寄せて担ぐ
「な!?降ろせ!」
真っ赤になる私をアシュベルトはゆっくりと歩きながら笑っている
「ハハハ!暴れるな暴れるな」
そう言って舌を噛み切らないような速さで走り出すアシュベルトに私は口を閉じた
「あの、炎獅子が笑っておいで………」
執事服の人も負けじとついていきつつ顎に手を当てる
「………またここか」
ぐったりとしつつ私は座る事はしない
「鍛錬場はここだ」
扉を開くと広くて大きな場所
私は恥ずかしながらも目を輝かした
それを見たアシュベルトは蹲る
「何だ、具合が悪いのか?」
私はパッと顔をアシュベルトに向けた
アシュベルトは首を横に振ると
「好きに使えば良い」
「ほぉ、貴殿は偉く優しいのだな」
煽るかのように言うが
「君だけだ」
そう言われてはこちらが負ける
「~~~っ、ふん!」
私はふてくされた様に中に入った
「………失礼ながら使わせていただく」
そう頭を下げる
中に足を踏み入れ、くるりと槍を構えた
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