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六章
恋する娘と男の子 その7
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みんなで、わらわらと部室へと戻ってくる。
たった今、ミミック滝本をゴミ捨て場に置いてきた。
ライムストーカー事件の真犯人は彼であったことが発覚し、プリンがどこからともなく取り出したガムテープでミミックを簀巻きにした。
今頃はガタガタと暴れているに違いなかった。
「さて…」
再び部室にて丸尾のほうに皆が向き直った。
「とにかく俺じゃなかったでしょ? 言ったとおりじゃないっすか。俺は無実だって…」
なんだか、若干勝ち誇ったかのような笑みすら見せて丸尾であった。
「堂々と勝利宣言か」
俊美が呟くようにして言う。
確かに彼の言うとおり、まだ処分は未決定だ。
ストーカーではなかったが、隠れてこそこそライムの写真を撮っていたというのは事実であり、動かない現実だ。
「ミミックみたいに簀巻きにしちゃう?」
プリンが先ほどミミックに使用したガムテープをちらつかせる。
「ひぃ! それだけはご勘弁を! …っていうか、写真撮ったのは確かに事実ですけど、やましくないですよ、俺…」
「そう言っても、それを決定づけるのはライムだろ?」
宗一の一言に皆がライムに注目した。
きょとんとした表情で、自分を指さして、「えっ、わたし」とライム。
「そう言われても…」
そんな明らかに困惑した様子のライムの前に丸尾は身を乗り出した。
「俺、本気でライムさんのことが好きなだけですから! 迷惑かかりそうなことはなにもしていませんから! この写真が迷惑なら消しますし、もうしませんから! 本当っす! 信じてください!」
そう言い切る辺りの様子と迫力から真剣なのは間違いなさそうではある。
「確かに変な写真はなかったけどな…」
「ですよ! ライムさんの健全な写真を撮って、学校内外のファンクラブの連中と交換したりとか、そういう活動が主ですから!」
先ほども同じような説明を受けた。
もう一度それを丸尾は皆に伝えていた。
確かにそれだけならば、退魔クラブよりはよっぽど健全な活動な気がしないでもない。
少なくとも、俊美にそのことを非難されるのは可哀想な気がする宗一である。
「で、どうするの、ライム?」
「うーんどうしましょう?」
妹に突っ込まれ、首を傾けて、困り顔である。
ちょっとだけぶりっ子したようなライムである。
「実害なさそうだし、いいんじゃない? プリンだったら、ちやほやされるの悪い気分じゃないしー」
「でも、盗撮ってのはなんだか気持ち悪いよな」
脳天気なプリンに突っ込みを入れたのは俊美である。
つまりはその辺りをどう感じるかが争点のようだ。
「あー…そうか。んじゃ、盗撮じゃなきゃいいんじゃない?」
「そうね。盗撮じゃないんなら…。でも、どうするの?」
ライムがプリンに問いかけた。
「簡単だよ! こそこそ撮るから盗撮になるんでしょ? こそこそ撮るから気持ち悪いんだよね? それなら堂々と撮ればいいって、プリンは思うべなー!」
「おい…まさか…」
「退魔クラブに入ればいいじゃん! ライムといつも一緒だし、そーそー君の舎弟になるなんて嘘吐かなくてもいいし、退魔クラブは部員増えるし」
そのプリンの提案に俊美は「おー」と感心したような声を上げた。
「やはり、そうなるんだな…」
なんとなく、それを言い始めたときから予感はあったのだ。
ただ、いくら自分が部外者で無関係者といっても、それで本当にいいのかどうかは疑問であるように感じたのだった。
たった今、ミミック滝本をゴミ捨て場に置いてきた。
ライムストーカー事件の真犯人は彼であったことが発覚し、プリンがどこからともなく取り出したガムテープでミミックを簀巻きにした。
今頃はガタガタと暴れているに違いなかった。
「さて…」
再び部室にて丸尾のほうに皆が向き直った。
「とにかく俺じゃなかったでしょ? 言ったとおりじゃないっすか。俺は無実だって…」
なんだか、若干勝ち誇ったかのような笑みすら見せて丸尾であった。
「堂々と勝利宣言か」
俊美が呟くようにして言う。
確かに彼の言うとおり、まだ処分は未決定だ。
ストーカーではなかったが、隠れてこそこそライムの写真を撮っていたというのは事実であり、動かない現実だ。
「ミミックみたいに簀巻きにしちゃう?」
プリンが先ほどミミックに使用したガムテープをちらつかせる。
「ひぃ! それだけはご勘弁を! …っていうか、写真撮ったのは確かに事実ですけど、やましくないですよ、俺…」
「そう言っても、それを決定づけるのはライムだろ?」
宗一の一言に皆がライムに注目した。
きょとんとした表情で、自分を指さして、「えっ、わたし」とライム。
「そう言われても…」
そんな明らかに困惑した様子のライムの前に丸尾は身を乗り出した。
「俺、本気でライムさんのことが好きなだけですから! 迷惑かかりそうなことはなにもしていませんから! この写真が迷惑なら消しますし、もうしませんから! 本当っす! 信じてください!」
そう言い切る辺りの様子と迫力から真剣なのは間違いなさそうではある。
「確かに変な写真はなかったけどな…」
「ですよ! ライムさんの健全な写真を撮って、学校内外のファンクラブの連中と交換したりとか、そういう活動が主ですから!」
先ほども同じような説明を受けた。
もう一度それを丸尾は皆に伝えていた。
確かにそれだけならば、退魔クラブよりはよっぽど健全な活動な気がしないでもない。
少なくとも、俊美にそのことを非難されるのは可哀想な気がする宗一である。
「で、どうするの、ライム?」
「うーんどうしましょう?」
妹に突っ込まれ、首を傾けて、困り顔である。
ちょっとだけぶりっ子したようなライムである。
「実害なさそうだし、いいんじゃない? プリンだったら、ちやほやされるの悪い気分じゃないしー」
「でも、盗撮ってのはなんだか気持ち悪いよな」
脳天気なプリンに突っ込みを入れたのは俊美である。
つまりはその辺りをどう感じるかが争点のようだ。
「あー…そうか。んじゃ、盗撮じゃなきゃいいんじゃない?」
「そうね。盗撮じゃないんなら…。でも、どうするの?」
ライムがプリンに問いかけた。
「簡単だよ! こそこそ撮るから盗撮になるんでしょ? こそこそ撮るから気持ち悪いんだよね? それなら堂々と撮ればいいって、プリンは思うべなー!」
「おい…まさか…」
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そのプリンの提案に俊美は「おー」と感心したような声を上げた。
「やはり、そうなるんだな…」
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