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はじめましての夏休み

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200X年、夏休み初日。

ぼくはいつものように午後の解放プールに向かっていた。
道の途中、同じクラスのNちゃんとすれ違った。
Nちゃんは日傘をさしていた。
髪型はシニヨンヘアにしていて、青い半ズボンの下には、白いタイツを履いていた。

「〇〇君、これからプール?いいなぁ」
Nちゃんは白くて丸いおでこにうっすら滴る汗をタオルでそっと拭いながら言った。
「私?これから発表会のリハーサルがあるの。日焼けしちゃいけないから、発表会が終わるまでプールはおあずけ。やだなぁ」

その時、僕はNちゃんがバレエを習っていることを初めて知った。
Nちゃんは、いつもおとなしいグループにて、普段からあまり話さない子だった。
でも、その時のNちゃんは、少し明るくて、同じ学年なのに、ちょっぴりお姉さんみたいな感じがした。
多分少しお化粧していたからだと思う。

「発表会?うん、来週の日曜日なんだ。よかったら〇〇君も来てよ。男子も何人か呼んでさ。でもオカジーはだめだよ。あの子苦手なんだ。ごめん内緒ね? (笑)」

その後、僕たちはそのまま、すれ違うようにして別れた。
すれ違った後も僕はしきりにNちゃんの姿を目で追っていた。
(明日もここ通ればNちゃんと話ができるのかな?)
そんなことを考えながら、プールのある学校へ向かった。

プールの最中も、僕はNちゃんのことばかり考えていた。
今頃彼女は踊ってたりするんだろうか?
バレエのレッスンてどんなことするんだろう?
そういえば、普段はレオタードを着るって聞いたことがある。
スクール水着を着ている女子を見て、レオタードとタイツをまとったNちゃんの姿を想像した。
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