4 / 10
空色のマフラーⅡ
Ⅱ
しおりを挟む
帰る生徒がまばらになった頃、トボトボと下を向いて歩く若菜をやっと見つけた。
その元気のなさにいい加減頭にきて、わたしは前に仁王立ちになって大声を出してしまった。
「若菜、あんたってヒトは!」
急に呼び止められて、それも大きな声で。めちゃくちゃ驚いたんだろう、若菜は回れ右をして校舎内に駆け込んでいってしまった。
「あっ、ちゃ」慌ててわたしも追いかけて校舎に駆け込んだ。
若菜は想像通り自分の教室へ逃げ込んだ、それを確認してほっと一息入れられた。
さて、どうするか?
①外から優しく声をかける
②中へ入って抱きつく
③スマホで話す・・・
答えは、わたしの性格を知っている友達ならすぐわかるはず。
なんってたって、わたし「待ての効かない女」ですから。
「若菜!」少しのためらいもなくわたしは教室のドアを開けて叫んだ。若菜は自分の席に座って頭を抱えていた。
また、やってしまった。わたしがグイグイと押せば若菜は自分の殻に閉じこもってします。わかっていたのに、バカだわたしは。
幾度となく繰り返したこと、この期に及んでわたしはまた繰り返してしまった。
気を取り直し彼女の前の席に座る。若菜が身を固くするのがわかった。それでも聞いてくれているのだろうそう思って、わたしはなるべく優しく話しかけた。
その元気のなさにいい加減頭にきて、わたしは前に仁王立ちになって大声を出してしまった。
「若菜、あんたってヒトは!」
急に呼び止められて、それも大きな声で。めちゃくちゃ驚いたんだろう、若菜は回れ右をして校舎内に駆け込んでいってしまった。
「あっ、ちゃ」慌ててわたしも追いかけて校舎に駆け込んだ。
若菜は想像通り自分の教室へ逃げ込んだ、それを確認してほっと一息入れられた。
さて、どうするか?
①外から優しく声をかける
②中へ入って抱きつく
③スマホで話す・・・
答えは、わたしの性格を知っている友達ならすぐわかるはず。
なんってたって、わたし「待ての効かない女」ですから。
「若菜!」少しのためらいもなくわたしは教室のドアを開けて叫んだ。若菜は自分の席に座って頭を抱えていた。
また、やってしまった。わたしがグイグイと押せば若菜は自分の殻に閉じこもってします。わかっていたのに、バカだわたしは。
幾度となく繰り返したこと、この期に及んでわたしはまた繰り返してしまった。
気を取り直し彼女の前の席に座る。若菜が身を固くするのがわかった。それでも聞いてくれているのだろうそう思って、わたしはなるべく優しく話しかけた。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
君の残したミステリ
ふるは ゆう
キャラ文芸
〇〇のアヤが死んだ、突然の事ではなかった。以前から入退院を繰り返していて……から始まる六つの短編です。ミステリと言うよりは、それぞれのアヤとの関係性を楽しんでください。
神様自学
天ノ谷 霙
青春
ここは霜月神社。そこの神様からとある役職を授かる夕音(ゆうね)。
それは恋心を感じることができる、不思議な力を使う役職だった。
自分の恋心を中心に様々な人の心の変化、思春期特有の感情が溢れていく。
果たして、神様の裏側にある悲しい過去とは。
人の恋心は、どうなるのだろうか。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる