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空色のマフラーⅡ

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 帰る生徒がまばらになった頃、トボトボと下を向いて歩く若菜をやっと見つけた。
 その元気のなさにいい加減頭にきて、わたしは前に仁王立ちになって大声を出してしまった。
「若菜、あんたってヒトは!」
 急に呼び止められて、それも大きな声で。めちゃくちゃ驚いたんだろう、若菜は回れ右をして校舎内に駆け込んでいってしまった。
「あっ、ちゃ」慌ててわたしも追いかけて校舎に駆け込んだ。
 若菜は想像通り自分の教室へ逃げ込んだ、それを確認してほっと一息入れられた。
 さて、どうするか?
①外から優しく声をかける
②中へ入って抱きつく
③スマホで話す・・・
 答えは、わたしの性格を知っている友達ならすぐわかるはず。
 なんってたって、わたし「待ての効かない女」ですから。

「若菜!」少しのためらいもなくわたしは教室のドアを開けて叫んだ。若菜は自分の席に座って頭を抱えていた。
 また、やってしまった。わたしがグイグイと押せば若菜は自分の殻に閉じこもってします。わかっていたのに、バカだわたしは。
 幾度となく繰り返したこと、この期に及んでわたしはまた繰り返してしまった。
 気を取り直し彼女の前の席に座る。若菜が身を固くするのがわかった。それでも聞いてくれているのだろうそう思って、わたしはなるべく優しく話しかけた。
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