欺瞞の剣

刻夜 煌

文字の大きさ
上 下
5 / 11
終わりの始まり

天使再臨。

しおりを挟む
 「全てを喰らえ概念破戒ディストラクト!」
 澪の右手に黯い火焔が収束したかと思えば、それは一太刀の黒い剣となった。
 まるで、光すらも吸い込む重力穴ブラックホールのような黒さを湛えている。
 「どす黒……」
「澪ちゃんが引いてる。珍しい。」
 「そりゃ僕だって引くことの一つや二つあるよ。」
 こんな黯い剣が何も無い場所から顕れればびっくりド〇キーだよ。
 ハンバーグだよ。で、あそこってやっぱりレンジでチンしてるの?
 それよりも気になったのは天使達の反応。
 全員戦意を喪失してる。この剣ってそんなやべぇの?
  そういや最初にあった天使も言ってたな。
 「邪知暴虐の限りを尽くし、大地を呑み込み、海を割る。」
 「!?」
 天使達は今度こそ逃げ出しそうな形相となった。
 そうかと思えば、かのアークエンジェルさんは
 「全員突撃!」
 とか指示飛ばしてるな、ん?全員突撃?
 やばくね?
 「来るよ、澪ちゃん。目視300~350ってとこか。因みにあのシエルって子の剣の能力は、光を操る能力。」
 「何でコウは能力が分かったんだよ。」
 「詠心独嘯これがあるし。」
 これ、と言って自分の剣を指した。
 なにそれつよい。ぼくきいてない。
 「其処!」
 アークエンジェルさんが突きを放ってきた。
 残念ながら貴女が喧嘩を売ったのは剣道部のエースさんですよ?
 コウはその剣を軽々と受け流すと独特の型を放った。
 彼の家は剣道の道場、そして彼の父は流派を持っている。
 幼い時から剣道の英才教育を受けた彼に死角など無かった。
 あれ?幸希の方が主人公してね?
 「侵蝕ムシバミ。」
 派生技ね。何で使えるんだろ。
 「侵蝕ムシバミはその名の如く、お前の心を侵略する。」
 嫌な技だなぁ。
 「よそ見してんじゃねぇよ!」
 おっと危ない。
 天使の攻撃を間一髪で交わすと、自らの剣で剣戟を与えた。
 「異能バトルの戦い方は僕の方が知ってる。」
 即興でなんとかなってくれよ。
 「喰らえよ、世界消滅ワールドブレイク。天使界の概念を消滅させた。
 悪く思うな、そして日本のアニメ文化を舐めるな。」
 天使達は飛翔ツバサを失い、堕天した。
 「なんだこれ!?」「一体何をしていたんだ?」
 「記憶がない」
 と口々に叫んでいる。
 そんな中シエルは激昂していた
 「巫山戯るな!こんな事があっていいものか!
 反射リフレクション!」
 剣が激しく光り輝いたと思ったらコウが、倒れていた。
 血を流して。
 今のは、光を放ち、その間に光速で連撃を叩き込むという、光を操る人にありがちなやり方だ。
 「ふはははははは!下賎な人間どもめ!そんなことだから、仲間を殺されるのだ!」
シエルちゃん怖い。
 「てか、あいつ死んでないよ。」
 「だ、勝手に殺すな。」
 「ハァ!?今のを食らって死なないなんて」
 「食らってないよ?」
 「だねー(笑)そもそもわかってる攻撃をよけられないほどエースは弱くないよ?」
 コウは、笑いながら言った。
 その笑いの瞳には深淵が覗いていた。
 「でもさ?澪ちゃんを傷つけようとするなんて、良くないよね?」
 「嘘だろ、足が動かない。」
 「もう、俺の剣に切られてるのに無事でいられると思ったの?シエルちゃん?」
 なるほど。恐ろしい。精神攻撃とか。
 優しい人の恐ろしさを知ったよ。
 「へぇー、10歳の時に公園みたいなとこで漫画とか書いてたんだ、自分が主人公とか痛すぎるねー。」
 うわー嫌だー
 黒歴史曝露とか辛すぎ。
 
こうして第1回異能バトルは幕を閉じた。
 俺の活躍より、幸希の方が活躍してたな。
 やっぱりリア充はいいとこばっか持っていきやがる。
 主人公になりたいなぁ。
 既存の主人公をぶち壊すような。
 頭のおかしい主人公に。

天上界では。
 「天使達エンジェルズは壊滅した。」
 「まるで正気ではない。」
 「概念を切り裂く剣は間違ってでも地上に堕とすべきではなかった。前回の保持者ホルダーも天上界まで上り詰め、天上界を滅ぼしかけた。彼は詰が甘かったがな。」
 「ただ、天使を喪ったのは辛いな。数の有利で押せなくなった。」
 「概念を切り裂く剣に対抗する剣概念創造ワールドクリエイト保持者ホルダーを創るしかない。」
 「彼の為の傀儡を創る。」
 「刻を稼がねば。」
 「神格を地上に与える。」
 「神格騎士ケルディムナイトを創る。
 一種の洗脳だよ。」
 神格騎士ケルディムナイトは概念の枠を超えている。彼らは常に神なのだ。一刻の猶予も赦さず、な。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?

すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。 「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」 家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。 「私は母親じゃない・・・!」 そう言って家を飛び出した。 夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。 「何があった?送ってく。」 それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。 「俺と・・・結婚してほしい。」 「!?」 突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。 かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。 そんな彼に、私は想いを返したい。 「俺に・・・全てを見せて。」 苦手意識の強かった『営み』。 彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。 「いあぁぁぁっ・・!!」 「感じやすいんだな・・・。」 ※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。 ※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。 それではお楽しみください。すずなり。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします

文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。 夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。 エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。 「ゲルハルトさま、愛しています」 ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。 「エレーヌ、俺はあなたが憎い」 エレーヌは凍り付いた。

病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない

月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。 人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。 2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事) 。 誰も俺に気付いてはくれない。そう。 2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。 もう、全部どうでもよく感じた。

処理中です...