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本編

45.ブリトニーは?③〈第三者side〉

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〈第三者side〉



 ステファニーはこの話の内容をやっぱり知らないらしいと確信したカレンはニコニコしている。

 人の驚く顔が見たいカレンにとって好都合の相手だからだ。



「そんな人に嫁ぐなんて、誰だって嫌でしょう? だから中々相手が見つからなかったけど、それがついに決まったって話なのよ!」

「えっ! 決まったの!?」

「それも、今までで一番若くてかわいいのよ」

「よくそんな人が、嫁ぐなんて決めたわね」

「まぁそうなんだけど、それが誰か聞いたら、ステファニーだって驚くわよ?」

「え? 私も知ってる人かしら?」

「そうよ。ねぇ、知りたいでしょう?」

「そうね、気になるわ」



 散々らされたステファニーは、もうこれで聞かないという選択肢は選べない所まで来ていた。

 そんなステファニーにカレンは胸を張り、自信満々な様子で声を張り上げる。



「なんとそれが、ブリトニー・フォールンなのよ!」

「ブリトニーさん!?」



 ステファニーは驚き目を見開いた。

 求めていた最高の表情にカレンは笑いが止まらない。



「そうよ。この学園に通う、あのブリトニー・フォールン男爵令嬢!」

「だって、彼女はデニスと付き合ってたのに?」

「それが……彼女の家、今大変みたいなの」

「大変て? ……もしかして、事業が上手くいってないとか、そういう系?」



 フォールン男爵家は元々大富豪だった商人が準男爵となり、その後何代目かでやっと男爵に格上げされた家だったのだ。

 そしてブリトニーの父の代で、今度はその経済力に陰りが見え始めていた。

 だからこそ庶子しょしであったブリトニーを引き取り、彼女には『なるべく金持ちの息子と恋仲になって来い』と言って、最大限に士気を上げた上で学園に編入させたのだが……。

 良い相手と恋仲にはなるものの、中々婚約までぎ着けられない彼女にごうを煮やしていたらしい。
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