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本編
5.お見合い①
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あれからブラッドリーとは、学園内でたまに顔を合わせれば話をするようになっている。
すると彼はメイシーの婚約者グイドと仲の良い友人だと判明した。
それからはブラッドリー、グイド、サミュエルと、メイシー、シンシア、そして私の六人でお昼を過ごすほど仲良くなった。
そしてある日のお昼休み。
「あれ、また会ったね」
「あら、ブラッドリーも売店?」
一緒に並び始めた私たちは、その日のことや友人の笑い話をし、その日も一緒に食事をすることになった。
最初はたわいの無い会話が続いていたが、グイドが次の休みにみんなで出かけないかと誘ってきた。
「あ~ごめん。俺行けない。実家に呼ばれてるんだ」
「えぇー! なんだよ、そんなの断ってみんなで遊ぼうぜ?」
サミュエルがブラッドリーに食い下がったが、彼はどうしても外せない用事なのだと断っていた。
そこで私も、これは今しかないと思い口を挟む。
「私も実家に呼ばれてて……ごめんね」
「そうかぁー。ステファニーもか……残念」
「でも、ステファニーは仕方ないよ」
「デニスのせいで色々あるのでしょう?」
「うん……まぁ……」
メイシーやシンシアが擁護してくれたので助かった。
だけど、みんなと一緒に遊びたかったと残念なのは私も同じ気持ちだった。
そんながっかりしている私にブラッドリーが話しかける。
「実家の用事って、そんなに気乗りしない事?」
「え? あ……そうね。あまり楽しみにはできないっていうか……」
「ふーん」
なんだか不機嫌そう?
いや、もしかして慰めてくれようとしてたの?
それを私は分からずに無碍にしてしまったのかしら?
「あの、えーと。でも、嫌じゃないから。うん。ちょっと堅苦しいのが苦手っていうか……。ね? だからその……気にしてくれてありがとう」
「……おぅ」
良かった、怒ってない。
ブラッドリー、気を悪くしたかと思ったわ。
私はそれでも『みんなは遊びに行けて良いなぁ』と思って、ちょっと後ろ髪を引かれたまま、おじい様の待つ実家に帰省したのだった。
すると彼はメイシーの婚約者グイドと仲の良い友人だと判明した。
それからはブラッドリー、グイド、サミュエルと、メイシー、シンシア、そして私の六人でお昼を過ごすほど仲良くなった。
そしてある日のお昼休み。
「あれ、また会ったね」
「あら、ブラッドリーも売店?」
一緒に並び始めた私たちは、その日のことや友人の笑い話をし、その日も一緒に食事をすることになった。
最初はたわいの無い会話が続いていたが、グイドが次の休みにみんなで出かけないかと誘ってきた。
「あ~ごめん。俺行けない。実家に呼ばれてるんだ」
「えぇー! なんだよ、そんなの断ってみんなで遊ぼうぜ?」
サミュエルがブラッドリーに食い下がったが、彼はどうしても外せない用事なのだと断っていた。
そこで私も、これは今しかないと思い口を挟む。
「私も実家に呼ばれてて……ごめんね」
「そうかぁー。ステファニーもか……残念」
「でも、ステファニーは仕方ないよ」
「デニスのせいで色々あるのでしょう?」
「うん……まぁ……」
メイシーやシンシアが擁護してくれたので助かった。
だけど、みんなと一緒に遊びたかったと残念なのは私も同じ気持ちだった。
そんながっかりしている私にブラッドリーが話しかける。
「実家の用事って、そんなに気乗りしない事?」
「え? あ……そうね。あまり楽しみにはできないっていうか……」
「ふーん」
なんだか不機嫌そう?
いや、もしかして慰めてくれようとしてたの?
それを私は分からずに無碍にしてしまったのかしら?
「あの、えーと。でも、嫌じゃないから。うん。ちょっと堅苦しいのが苦手っていうか……。ね? だからその……気にしてくれてありがとう」
「……おぅ」
良かった、怒ってない。
ブラッドリー、気を悪くしたかと思ったわ。
私はそれでも『みんなは遊びに行けて良いなぁ』と思って、ちょっと後ろ髪を引かれたまま、おじい様の待つ実家に帰省したのだった。
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