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十一休さん

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「おーい家来B!暇じゃー暇すぎてお腹と背中がくっつく~」

「足利義満様、それは空腹の時の表現でございます」

「んなこた~どうでもよい!何か面白いものはないのか?」

「はいはいありますとも!今家来Aに使いを頼みましてあるお方を呼んでおります」

「んん?誰じゃそいつは?」

「その方の名は一休、どんな無理難題も彼の手にかかれば解決するとのこと」

「ほほぉそれは凄いが…まことか?」

「はい!なんでも『このはし渡るべからず』という難題を解いたそうです」

「おぉ!それなら聞いたことあるがまさか一休が解いたとは、やりおるのぉ」

ピンポーン

「お!うわさをすれば来てくれましたぞ!」

ガラガラガラ

「足利義満様、始めまして」

「そちが一休か」

「いえ、一休は他の仕事に行っておりまして、その代わりの十一休です」

「そうか十一休か……は?」

「申し訳ございません、二休から十休までの全員出払ってたそうで、1番似てない十一休が」

「え!?なにそのモノマネ軍団、あと俺将軍よ?他の仕事無視してでも一休来るべきでしょ?」

パチン! 

「え、将軍にビンタ?」

「一休は人を笑顔にするために仕事をしています!将軍だろうが村人だろうが関係ありません!」

「そう言うのは一休さん本人に言ってもらいたかったねぇ?」

「それで、貴様もトンチはできるのか?」

「いえ、トンチの代わりに盆踊りができます!」

「よし帰れ」
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