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それぞれの思想編
腕輪と魔王様
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「ごめんね…ディーネ…本当にごめん」
「バカぁ!バカバカぁ!」
ディーネは何度も何度も僕を叩いた
しかし、それは時が経つ程に力が弱まってきた
やがて彼女は両手で顔を隠し涙を拭う
「もう…分かってるよ…エボルお兄ちゃんは…私の事好きじゃないんでしょ?」
「そんな事」
「嘘つかないでよ!」
ディーネは僕の胸ぐらを掴みかかった…がすぐにそれを離す
「待ってた…褒めてくれるって…凄いねって…言ってくれるって…」
心がズキズキする…こんな小さい女の子を…いつも元気で強い女の子を本気で泣かせるなんて
「でもお兄ちゃんは…一度も私を見てくれなかった」
「・・・」
とうとう僕は返す言葉も思いつかなくなった
ただ今はディーネに対する罪悪感でいっぱいだ
ディーネは顔を下に向けたままポツポツと話し続ける
「そりゃあ…あんな事が起こったってのもあるけど…それでも…見てくれなかった…お兄ちゃんなんて…!」
(ちょっと待ちなさいバカディーネ!)
恐らくディーネは「お兄ちゃんなんて嫌い」とでも言おうとしたのだろう…けど、それを言い終わる前に彼女の腕輪が光り、まるで独立した生物かの様に腕を操り彼女の頭をポカッと殴った
あの声の正体は…?腕輪から聞こえたような…
「いっ…痛いなぁ!アンタは黙ってろって言っただろ!」
ディーネはもう片方の手で腕輪を掴み、怒鳴りつける
僕にはいったい何が起こっているのか分からない…ドッキリか何かか?
それにしてはディーネの想いも涙も本当の物だし…じゃあやっぱり腕輪に何かいる?
(黙ってたかったわよ!けど黙って見てればアンタねぇ?愚痴溢してるだけじゃない!まぁでも…約束忘れてたエボル様もエボル様ですけど!)
「うぇっ!?ご、ごめん!」
ディーネの腕は彼女の意思とは裏腹に僕にデコピンを食らわせる…わりかし痛い
ディーネはアワアワしながら腕を引っ込め僕に謝る
「そ、その腕輪って…なんなの?」
(こんにちはエボル様、こうしてお話しするのは初めてですかね?私は占い師兼ディーネのパートナーのアルカです…ディーネとは四天王審査の時に出会いました!)
「君がアルカ!?ディーネの命の恩人の!?」
「ちょっ!エボル近い…!」
(そ、そうですけど)
僕は語りかけてきた腕輪を両手で掴んでそう訪ねた
アルカはレボ君達に殺されかけた所を身を挺して護ってくれたってディーネから聞いていた
もしあの世で会えたならお礼を言おうと思ってたのに…まさか死してなおディーネの元に居てくれるなんて
「ありがとうアルカ…ディーネの元に居てくれて」
(そ、そんな…私なんて…それに、私はそんな言葉より欲しい言葉があるんですけど?)
「バカぁ!バカバカぁ!」
ディーネは何度も何度も僕を叩いた
しかし、それは時が経つ程に力が弱まってきた
やがて彼女は両手で顔を隠し涙を拭う
「もう…分かってるよ…エボルお兄ちゃんは…私の事好きじゃないんでしょ?」
「そんな事」
「嘘つかないでよ!」
ディーネは僕の胸ぐらを掴みかかった…がすぐにそれを離す
「待ってた…褒めてくれるって…凄いねって…言ってくれるって…」
心がズキズキする…こんな小さい女の子を…いつも元気で強い女の子を本気で泣かせるなんて
「でもお兄ちゃんは…一度も私を見てくれなかった」
「・・・」
とうとう僕は返す言葉も思いつかなくなった
ただ今はディーネに対する罪悪感でいっぱいだ
ディーネは顔を下に向けたままポツポツと話し続ける
「そりゃあ…あんな事が起こったってのもあるけど…それでも…見てくれなかった…お兄ちゃんなんて…!」
(ちょっと待ちなさいバカディーネ!)
恐らくディーネは「お兄ちゃんなんて嫌い」とでも言おうとしたのだろう…けど、それを言い終わる前に彼女の腕輪が光り、まるで独立した生物かの様に腕を操り彼女の頭をポカッと殴った
あの声の正体は…?腕輪から聞こえたような…
「いっ…痛いなぁ!アンタは黙ってろって言っただろ!」
ディーネはもう片方の手で腕輪を掴み、怒鳴りつける
僕にはいったい何が起こっているのか分からない…ドッキリか何かか?
それにしてはディーネの想いも涙も本当の物だし…じゃあやっぱり腕輪に何かいる?
(黙ってたかったわよ!けど黙って見てればアンタねぇ?愚痴溢してるだけじゃない!まぁでも…約束忘れてたエボル様もエボル様ですけど!)
「うぇっ!?ご、ごめん!」
ディーネの腕は彼女の意思とは裏腹に僕にデコピンを食らわせる…わりかし痛い
ディーネはアワアワしながら腕を引っ込め僕に謝る
「そ、その腕輪って…なんなの?」
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「君がアルカ!?ディーネの命の恩人の!?」
「ちょっ!エボル近い…!」
(そ、そうですけど)
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もしあの世で会えたならお礼を言おうと思ってたのに…まさか死してなおディーネの元に居てくれるなんて
「ありがとうアルカ…ディーネの元に居てくれて」
(そ、そんな…私なんて…それに、私はそんな言葉より欲しい言葉があるんですけど?)
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