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魔王がいない日編

新たなライバル

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「だ…だから好きなんかじゃ…」

「本当に?」

ディーネは必死に自分の感情を隠そうとしている、しかしローズとカリーナの真摯な視線の前ではそれは不可能と悟った

「・・・あぁ、好きだよ…初めて会った時からずっと…魔王城で唯一私に優しくしてくれたあの時からずっと…私はエボルお兄ちゃんの事が好きだ」

(よっ!よくぞ言った!ディーネ偉い!)

ディーネは起き上がり、2人を見つめそう言い返した

「な、なんでもつと早く言わなかったのよ…」

「そうっすよ、それに全然そんな素振り見えなかったし…」

2人は新たなライバルができた事に戸惑う気持ちと普通に恋バナがしたいという気持ちがぶつかっていた

それを見ながらドンドン酒を飲むアロマ、もう自我はほぼない

「怖かったんだよ…お前らもエボルお兄ちゃんの事好きだろ?勝てるわけないじゃん…年齢だってお前らの方が近いし、私ちっちゃいし…全然魅力的じゃない…お兄ちゃんは絶対に振り向いてくれないって思ってた…だから一時期好きって感情を押し殺してた」

ローズとカリーナは魔族学校の学校祭の時の質問の意図をようやく理解した

「そ、そうだったんすね…でもなんで今になってまた…?」

自分達にこの事を伝える事すら怖かっただろうと気付き、カリーナは震えているディーネの手を優しく握り彼女にそう尋ねた

「コイツに…アルカに出会ったから…アルカは私の恋を後押ししてくれたんだ、自分を犠牲にしてまで…だから私は…この気持ちに向き合うって決めたんだ…アルカの為に…私自身の為に…!」

ローズとカリーナはディーネの強い意思に押され、一瞬言葉が出なくなった

「それに…私、告白もしたんだ…」

「はぁ!?」
「なんですと!?」

ディーネの意外な発言とその行動力に驚き、慌てて距離を取り自分達を抱きしめ合う2人

ちなみにアロマは今さっき酔いつぶれた

「こっこここ…告白!?」

(わ、私だって、ちゃんとはしてないのに…)

「へ…返事は…貰ったんすか?」

(こ、これでオッケーだったら…あ、あんまりっすよ…)

「返事は……貰えてない、エボルお兄ちゃんに…また四天王になったら返事してねって頼んだのに…会ってすらくれない……そ、それどころか、2人とはエッチしてるんだろ?」

(だ、だからってフラれた訳じゃないんだしさ!ね?ディーネ!)

だんだんと涙目になってくるディーネ、アルカも腕輪の中で精一杯励ますがディーネの心には届かない

これについてはローズもカリーナも弁明のしようがない

「はぁ~アンタ達…エボルちゃんの事なーんにも分かってないみたいね」

そこにグデングデンのアロマが割り込んできた

「わ、分かってないって…どういう事?」
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