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首輪刑

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「首輪刑?なんですかそれ」

「その名の通りこの首輪をつけてもらうんだ」

署長は真ん中に機械が付いている首輪を差し出した。こんな首輪をつけるだけで死刑を免れるって全然意味が分かんないんだけど…

「その首輪はリモコン1つで締めれることができるらしい」

「・・・つまりいつでも殺せると」

ちょっと佐々木さん?辛いとか言ってたのに発言がサイコパスっぽいですよ?

「まぁざっくり言えばそういう事だ。そしてその状況下であれば更生も可能、つまり最後のチャンスだ」

「最後のチャンス…」

「でも、結局は牢屋暮らしでしょう?ぶっちゃけ意味あります?」

まぁ確かにそうだよね、死刑じゃなくても自由がないなら終身刑と同じな気がする。

「佐々木君、実は牢屋暮らしじゃないんだ、普通の家に住むことができる」

「普通の家に!?」

なんか希望?が見えてきたやっとまともな生活か送れるんだ!

「なるほど、監視カメラを設置した家に住ませて不穏な動きをしたらリモコンのスイッチを押して殺すという事ですか」

「いや、佐々木君の家だよ?」

え?

「え?はぁ!?どっどど、どういう事ですか?なんで俺の家に?なんかの冗談ですか?」

「さすがに監視カメラがついてようと普通の家に1人で暮らさせるのはまだまずい、そこで看守である君の家に同棲させる事によって本来の人間としての優しさも取り戻せるってのが絞首刑の全てだよ。」

本当に冗談であってほしい、死刑の代わりに首輪をつけて男の人と、それも佐々木さんと同棲するなんて…私、お付き合いとかした事ないのに、恥ずかしい。

「なんで俺の家なんですか!女は女の家に入れればいいじゃないですか!」

「佐々木君、うちには女性看守がいないし相手は殺人犯だ男性である君なら仮に襲って来ても大丈夫だろう。それに悪い行いをしたらリモコンを使えばいい。あかりさんの命は佐々木君の手の中だ
、君の好きに扱いたまえ」

署長は薄気味悪い笑みを浮かべた。私は鳥肌が立ったと同時に同棲する相手が署長じゃなくて佐々木さんで良かったと安心した。

「・・・あぁ分かりましたよ、いつ殺しても良いんでしょ?はぁくそ」

そう言いながら佐々木さんはリモコンと首輪を受け取った。とりあえず一命は取り留めたって事で良いのかな?

「行くぞ25番」

「は、はい」

「じゃあ頼んだよ佐々木君ー!」

私と佐々木さんはそのまま刑務所から出て車に乗った。外の空気は何年ぶりだろうか

「う、うぅ…生きてる、生きてる」

私は再び涙を流した、それも嬉し泣き。

いつ殺されるか分からないけどとりあえず今は生きれるんだ。



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