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二章 凝縮版

18話 不安~鯨

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「こ、こいつ...わ、わわわ私の胸を...ガクッ!」

「ヴァンヌちゃん?ヴァンヌちゃーん!」

ヴァンヌはショックのあまり気絶してしまった。アリスタは気絶させてしまったという罪悪感と胸を揉めた幸福感でオロオロしている。

「アリスタさん?なに私以外の女のおっぱい触ってるんですか!やっぱりサイズですか?サイズなんですか!?」

「ロフトちゃん落ち着いて!趣旨がずれてるから!アリスタ君?どうしてあなたはすぐに女体を触るのよ!悪癖なんだからそろそろ卒業しなさいよ!」

「ち、違うって!たまたま俺の手に胸が来たんだって!」

「えーごほん...そろそろいいかな?あまり城で騒がないで欲しいのだが?」

 「あ、すみません王様!うちのアリスタが!」

「なんで俺だけが悪いようになってんだよ!エイミだってわるいだろ!」

「アリスタさん!私のおっぱい!」

ドン!

「静にせんか!」

「「「は、はい」」」

「とりあえず船は出しておる、気絶したヴァンヌを連れて乗り込んでくれ...」

「わ、分かりました...失礼します...ほら、アリスタ君は足持って...くれぐれも変なとこさわんないようにね」

「それくらい分かってるから!」

「アリスタさーん待ってー」


「王様...勇者たちはどうでした?」

「・・・不安じゃ」


4人(1人は気絶状態)は船に向かった。たまにアリスタがヴァンヌの体をいやらしく触ろうとしてるのをエイミが注意し、へこんだアリスタにロフトが胸を押し付けてるという謎の空間が存在していた

「はぁ、疲れた...なんで城と船着き場がこんなに離れてるのよ」

「仕方ないだろ...それにしても、でっかい船だな」

「嬢ちゃんたちが王様の言ってた奴等だな、どうだい良い船だろ?イカロス号って言うんだぜ」

船の中から船長らしき男が出てきた。男は眼帯をしていて肩に鷹らしき生き物をのせている

「しっかし、本当にお前らが海原の怪物を倒してくれるのか?俺にはそう見えねえけどよ...1人気絶してるし」

「任してくださいよ船長!私達は魔王を倒そうとしてるんですよ?そんな怪物の1人や2人、どうとでもなりますよ!」

(あれ?俺が勇者なのに、主導権がエイミにあるのはなんで?)

「おぉそうか!頼もしいな!俺はキャプテン・ガマだ!好きなように呼べ、そろそろ出発するぞ!」

「はい!ガマさん!ほらみんな行くよ」

「わ、分かったって...とりあえず俺が仕切りたい!」

「アリスタ君はだめー1番天才の私がやるもん!」

「自分で言うなよーてか、ヴァンヌはまだ起きないし...」

「アリスタさーん触ってくださいよぉ」

「出航だぁ!イカリを上げろ!帆をはれ!」

「おおぉぉぉー!!」

ガマの一声で船は進みだした。




「は!?ここはどこだ?私はなにを!?」

出航して数分後、気絶していたヴァンヌは目を覚ました

「あ、ヴァンヌちゃん、やっと起きたのね」

「ここは船の上よ、今から海原の怪物を倒しにいくのよ、武器を持った方がいいわよ!」

「え!?あ、あぁ」

ヴァンヌは2人に言われて自分の剣を装備した。

「おい!お前ら、そろそろ奴がでるポイントにつくぞ!」

「は、はい...やるわよ皆さん」

「おう!」

「あぁ」

ざぱぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!

「来る!」

船が大きく揺れたと同時に波が船に乗っていた全員にかかった。海面を見てみるとそこには1人の少女が立っていた。

「な、なによあんた?あんたが海原の怪物なの?」

「は、はは、初めまして!私マリンセイレーンって言います!」

「お前がシャドウスナイパーの言っていたやつか...」

「お、おそらくそうです。四天王の1人で、主に海面エリアを任されてます」

「お、女の子だし」

「し、四天王なのに礼儀正しいし、なんか戦いずら」

「うぉぉぉぉ!」

「火炎魔法!!」

戸惑ってる二人を置いていく勢いでロフトとヴァンヌはマリンセイレーンに立ち向かった!

「きゃあ!」

マリンセイレーンは海面から触手のようなものをだして2人の攻撃を防いだ

「くそ、攻撃が当たんない」

「私の魔法も防がれちゃった...」

「ちょちょ二人ともなにしてんの!せっかく話の分かりそうな奴なのに!」

「そうよ!話し合いで解決しようよ!」

なんとアリスタとエイミは2人を止めに入った。

「お、お前らこそ何言ってんだよ」

「そうですよ!魔王を倒すんですよね!なのになんで戦いを止めるんですか?」

「だ、だって倒せないよ...こんな可愛い魔族」
「可愛いだ?アリスタよ、貴様そんな考えで生きてきたのか?」

「いや、なんていうかいつもは殺意に満ち溢れてたからさ、女の的なんて初めてでさ。」

「こればっかりは私も同感だわ女の子は倒せないわよ」

アリスタとエイミはヴァンヌとロフトの前に立ちはだかった。

「あ、あのぉ私の事忘れられてませんか...」

「あぁ、ごめんマリンセイレーンちゃん!」

「ちゃんって...わ、私だってこれでも四天王です!バカにしないでください!」

マリンセイレーンは2本のイカのような触手で船の床を叩いた!

「うわ!ちょちょ待ってよ!平和的解決をしようよ!」

「しーまーせーん!!」

マリンセイレーンは更に激怒し空から大量の魚を落としてきた

「いて!いてて!なんだこれは?メチャクチャじゃないか!」

「アリスタさん!やはり倒すしかないですよ!」

「んー気が引けるなぁ」

「やらなきゃやられるんですよ!」

「あ!アリスタ君!あんた魔切の剣もってんじゃない!それ使って仲間にさせましょうよ!」

「そうか!さすがエイミ!」

アリスタは自分の状況を再認識して、剣を構えた。

「な、なんかよく分かんないけど私も頑張りますよーおりゃおりゃおりゃ!」

「来た!せぇい!」

スパァァン!

マリンセイレーンは更に触手をだし10本体制で船を襲った。だがアリスタはそのうちの一本に魔切の剣を当てた!


「や、やったか?」

「す、すみません!しょ、触手を切っても本体である私にはダメージはありません。」

触手はすぐに再生し、更に数も増えた。

「ようは本体に当てれば良いんだろ?」

「でもアリスタ君、相手は海面にいるのよ?どうやって当てるのさ!」

バシン!バシン!触手は絶え間なく船を襲った!

「せいや!」

「風刃魔法!」

ヴァンヌは剣で、ロフトはかまいたちでアリスタを襲う触手を切っていった。

「アリスタさん!エイミさん!この触手は私達に任せて!」

「お前達は本体に攻撃する事に専念しろ!」

「分かった!ありがとうヴァンヌ!ロフト!」

「気合い入れるわよ、私がなんとかして道を作るからあんたは一撃に集中して!」

「おう!」

「な、なんか良い雰囲気になってますが私も四天王として負けていられません!はぁ!」

マリンセイレーンは海面から巨大な鯨を召喚した!

「はぁ!?え、でっか!嘘でしょ?ヤバいヤバいヤバい!」

「き、聞いてないですよこんなの!」

「さぁ行って下さい!鯨さん!」

「がぁー」

ゴックン!

「きゃぁぁぁ!!」

アリスタ達は船ごとマリンセイレーンの出した鯨に飲み込まれた。

「ふぅ...さすがの勇者さん達でも鯨のラビリンスを突破するのは不可能...どうやら私の勝ちですね」
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