36 / 81
革命軍に攫われました。
しおりを挟む段々と、輝きが増して……。
「す、水晶のような透明感のある色でございますね~! 澄んだお心が現れているようです……」
無属性の私が必死に魔力を込めても色が付かない所か水晶かって位に白から透明のクリアな感じになった。宝石屋さんも初めての事態のようで、冷や汗どばどばしながらガタイのいいドワーフ族の男の人がなんとかそらそうとフォローしている。それに、私はできるだけ無邪気な自然な笑顔を付くって「ありがとう!」と無邪気に笑えばホッとしたように、胸をなで下ろした。
「これ、買います。人にプレゼントするので丈夫でも綺麗なラッピングとかってお願いできますか?」
「はい、喜んで! まいど、ありがとうございます」
そう言って、ラッピングして貰った。レミリスのネックレスはシアン色の包みだ。レミリスは茶髪で中性的なんだけど、赤とかシアンとかなんか勝ち気な暖色が凄く似合うから。あと、言っちゃ悪いけどピンクも女性よりも似合うと思う。そこは、ドワーフ子ちゃん永遠の18歳の血を引いてると思う。
カペル君は黒みがかった黒色のラッピングにした。カペル君は太陽のように明るくて素直でまっすぐだけど、なんとなく黒色とかの寒色系がしっくりくるような翡翠色の髪をしているから、太陽属性に隠れがちだけど黙って居れば、メガネが似合いそうなクールな顔立ちしているし。
そうやって、自分で受け取って懐に忍ばせてホクホクしていると、パトちゃんが後ろに控えて小声で耳打ちしてきた。
「あまりリエル様の魔力は使わないでください、一応クルクラフトのほうも護衛がてら遠くのほうで監視してますからぁー……あー!!!」
「あぁぁぁぁぁ!!!」
耳打ちされて居る間に私の身体は中に上がり、コメのように担がれでどちら様だかわからない妖精族の男に攫われてしまった。人が多すぎて魔法を放てないパトちゃんが私の不名誉な弟子の方を見ると。
「その素敵な御髪を触れる権利を僕だけに下さいませんか……レディー」
すっごい素敵なスチルになるような言い笑顔で、綺麗な紫の羽をパタパタさせるセクシーなおねぇさまの手を取ってニッコリとする、ド阿呆の馬鹿弟子が一人だけの世界に入っていて……。
「貴様護衛だろが!!! ばあああああああかあああああああああ!!!」
普通に女ナンパしてて私が攫われているのに気付かない。渾身のばぁぁぁかぁぁぁ!!! っで、やっとこっちを向いたのだけどもうすでに曲がり角へと差し掛かってすぐに、視界を遮られる。パトちゃんはともかく絶対マーベラス佐藤だかのうんちゃら絶対に騎士団長にいいつけてやる!!!
そう思って、いつの間にか被せられた布の下で歯をギシギシさせた。男はなんも言わずに街の喧騒から離れても未だ何かを撒くように走り続けた。布が被せられているからもう、北西南東どこだかごっちゃになって自分がどこにいるのかなんて全然わからない。わからないどころか、ちょくちょく建物だかの壁に頭をゴンゴン勢いのママに打ち付けられて微妙に満身創痍だ。
「痛いんだけど……」
「……」
「つッ」
痛いと言ったら、余計に壁に走りながら頭を叩き付けられて頭から生暖かい液体が流れる感覚がする。袋は袋でも品質の悪い麻袋だから、多分衝撃で頭の皮膚がちょびっと切れた。付けられている護衛はどうしたよ護衛はぁぁ……と何度か毒づきながらも、どこか音の反響する……建物か洞窟の中に入った男は金属の音と共に立ち止まった。
「ぁッッ」
「悪魔の確保終わったぞ」
「ご苦労だ、下がれ」
下がれと言われた瞬間にこれでもかって位に私の腹をねじるように蹴り飛ばした。痛くてもはや声はでない。できれば、カペル君とレミリスにプレゼントするアレはバレないように壊されないようにどうにかしよう。最悪人間の身体は多少壊れても治る。そう思って抵抗せずに頭に麻袋を被ったまま蹲った。
(悪魔? もしかして革命軍とかかな?)
・
・
慌ただしい兵士達の怒号はこちらにまで聞こえてくる。やがて慌ただしいノックの音が執務室へと響き渡る。荒々しいノックに微動だにせずに「入れ」とだけ伝えれば、焦りつつも礼節を重んじで我の部屋に、伝令兵士が顔を青ざめさせながらこちらへ入ってきた。
「申し訳ございません!!! 革命軍の者にリエル・メーカー・アンドール様が囚われてしまいました」
「おや、これが知れれば国際問題所の騒ぎではないな」
「申し訳ありませんッッ!!!」
「謝罪は結構、リエル様の奪還をすぐに手配を、勿論護衛の者達も一緒につれてだ。行け」
リエル・メーカー・アンドールが攫われて2時間やっと自分の所へと使いが来た。これは情報伝達をもう少し強固にして見直さねば。顎に手を当て、リエル・メーカー・アンドールの奪還に向けての書類に判を押す。そしてすぐに腹心のコヨーテスが青ざめた顔で、私の執務室へと来た。
「知れたのか?」
「はい、あの情報を司る一族の現当主レミリス様に……革命軍にリエル様の行動の情報を流したことが、我々よりも速く把握していました」
「思ったよりも大分速い、こちらの不手際として同盟の提供内容に武器や防具も追加することを約束しなければ」
本当は奴に知れる前に、リエル様の実力を見るのと我が国に巣くう革命軍の掃除を一気にこなそうとしたのだが……まさか他国から数時間足らずで、自国のこちらより事態を素早く把握するとは。考えをいくつか改めなければならない。幸い……同盟の手続きが済んでいるので、今回の事がバレていても【お互いの為に】穏便に事を済ませることが最善だ。相手も無事ならばそううるさくは言うことはない。いや……言えない。
相手方もおそらくはそう手ひどくリエル様を扱わんだろう……利用できる人質は健康であるからこそ価値があるのだから。
荒かろうがなんだろうが、対策は手早くせねばすぐに戦争がおきるやもしれん。我の代であらかたの汚れ仕事は引き受けねばならない……たとえ子供を利用することなったとしても。だから、今回は革命軍に情報を流して、離れた所に護衛を置いて、注意力を分散させて襲わせたのだ……攫わせた我が言うことではないがどうか……ご無事であることを祈ろう。
・
・
「子供を逆さづりにするって、殺したいの?」
「悪魔がこの程度で死ぬ者か」
現在は、前の世界の魔女裁判に似たように逆さづりにされながら水に落とされています定期的に。なんというか、私は危機的状況に陥るほどに冷静になって、全てがどうでもよくなる正確なようで懲りずに悪態をついては水に落とされるの繰り返しを何度かやっていた。
「悪魔って魔族のことって知らないの?」
「黙れ、貴様があくまでないなら化け物だ」
「子供を繰り返し拷問するアンタの方が化け物だよ」
「うるさい!」
なんというか、魔女裁判よろしく、人間て大義名分があればどんなことでも正しいと信じて行動するんだなぁ……って遠い目をしながら水に落とされまくった。身体がやがて熱っぽくなったところで水に落とされるのは辞めて濡れたまま檻にぶち込まれた。身体が結構クラクラするから完璧に身体が冷えて体調崩したと思う。
「けほけほ……くしッ!」
「言え、クロージス様のお子の居場所を」
「アンドール以外知らないってば」
正直に言えば、檻を何度も蹴られ見ようによっては司祭やってそうなおっさんに怒鳴られる。何度も何度も。幸い、この檻には魔法を封じる系の術式は組まれてないから、隙を見て無属性で破壊できる。
「いつか目に物くらわせてやる」
「うるさいぞ!!!」
虎視眈々と脱走できる機会を狙いながら……パトちゃんや馬鹿弟子やヌファンとソーラの助けを待った。または、私一人でも生還する気持ちでずーっと待ち続けた……脱出の時を。
0
お気に入りに追加
515
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢でも素材はいいんだから楽しく生きなきゃ損だよね!
ペトラ
恋愛
ぼんやりとした意識を覚醒させながら、自分の置かれた状況を考えます。ここは、この世界は、途中まで攻略した乙女ゲームの世界だと思います。たぶん。
戦乙女≪ヴァルキュリア≫を育成する学園での、勉強あり、恋あり、戦いありの恋愛シミュレーションゲーム「ヴァルキュリア デスティニー~恋の最前線~」通称バル恋。戦乙女を育成しているのに、なぜか共学で、男子生徒が目指すのは・・・なんでしたっけ。忘れてしまいました。とにかく、前世の自分が死ぬ直前まではまっていたゲームの世界のようです。
前世は彼氏いない歴イコール年齢の、ややぽっちゃり(自己診断)享年28歳歯科衛生士でした。
悪役令嬢でもナイスバディの美少女に生まれ変わったのだから、人生楽しもう!というお話。
他サイトに連載中の話の改訂版になります。
悪役令嬢に転生したので、すべて無視することにしたのですが……?
りーさん
恋愛
気がついたら、生まれ変わっていた。自分が死んだ記憶もない。どうやら、悪役令嬢に生まれ変わったみたい。しかも、生まれ変わったタイミングが、学園の入学式の前日で、攻略対象からも嫌われまくってる!?
こうなったら、破滅回避は諦めよう。だって、悪役令嬢は、悪口しか言ってなかったんだから。それだけで、公の場で断罪するような婚約者など、こっちから願い下げだ。
他の攻略対象も、別にお前らは関係ないだろ!って感じなのに、一緒に断罪に参加するんだから!そんな奴らのご機嫌をとるだけ無駄なのよ。
もう攻略対象もヒロインもシナリオも全部無視!やりたいことをやらせてもらうわ!
そうやって無視していたら、なんでか攻略対象がこっちに来るんだけど……?
※恋愛はのんびりになります。タグにあるように、主人公が恋をし出すのは後半です。
1/31 タイトル変更 破滅寸前→ゲーム開始直前
転生者はチートな悪役令嬢になりました〜私を死なせた貴方を許しません〜
みおな
恋愛
私が転生したのは、乙女ゲームの世界でした。何ですか?このライトノベル的な展開は。
しかも、転生先の悪役令嬢は公爵家の婚約者に冤罪をかけられて、処刑されてるじゃないですか。
冗談は顔だけにして下さい。元々、好きでもなかった婚約者に、何で殺されなきゃならないんですか!
わかりました。私が転生したのは、この悪役令嬢を「救う」ためなんですね?
それなら、ついでに公爵家との婚約も回避しましょう。おまけで貴方にも仕返しさせていただきますね?
オバサンが転生しましたが何も持ってないので何もできません!
みさちぃ
恋愛
50歳近くのおばさんが異世界転生した!
転生したら普通チートじゃない?何もありませんがっ!!
前世で苦しい思いをしたのでもう一人で生きて行こうかと思います。
とにかく目指すは自由気ままなスローライフ。
森で調合師して暮らすこと!
ひとまず読み漁った小説に沿って悪役令嬢から国外追放を目指しますが…
無理そうです……
更に隣で笑う幼なじみが気になります…
完結済みです。
なろう様にも掲載しています。
副題に*がついているものはアルファポリス様のみになります。
エピローグで完結です。
番外編になります。
※完結設定してしまい新しい話が追加できませんので、以後番外編載せる場合は別に設けるかなろう様のみになります。
不機嫌な悪役令嬢〜王子は最強の悪役令嬢を溺愛する?〜
晴行
恋愛
乙女ゲームの貴族令嬢リリアーナに転生したわたしは、大きな屋敷の小さな部屋の中で窓のそばに腰掛けてため息ばかり。
見目麗しく深窓の令嬢なんて噂されるほどには容姿が優れているらしいけど、わたしは知っている。
これは主人公であるアリシアの物語。
わたしはその当て馬にされるだけの、悪役令嬢リリアーナでしかない。
窓の外を眺めて、次の転生は鳥になりたいと真剣に考えているの。
「つまらないわ」
わたしはいつも不機嫌。
どんなに努力しても運命が変えられないのなら、わたしがこの世界に転生した意味がない。
あーあ、もうやめた。
なにか他のことをしよう。お料理とか、お裁縫とか、魔法がある世界だからそれを勉強してもいいわ。
このお屋敷にはなんでも揃っていますし、わたしには才能がありますもの。
仕方がないので、ゲームのストーリーが始まるまで悪役令嬢らしく不機嫌に日々を過ごしましょう。
__それもカイル王子に裏切られて婚約を破棄され、大きな屋敷も貴族の称号もすべてを失い終わりなのだけど。
頑張ったことが全部無駄になるなんて、ほんとうにつまらないわ。
の、はずだったのだけれど。
アリシアが現れても、王子は彼女に興味がない様子。
ストーリーがなかなか始まらない。
これじゃ二人の仲を引き裂く悪役令嬢になれないわ。
カイル王子、間違ってます。わたしはアリシアではないですよ。いつもツンとしている?
それは当たり前です。貴方こそなぜわたしの家にやってくるのですか?
わたしの料理が食べたい? そんなのアリシアに作らせればいいでしょう?
毎日つくれ? ふざけるな。
……カイル王子、そろそろ帰ってくれません?
悪役令嬢なのに下町にいます ~王子が婚約解消してくれません~
ミズメ
恋愛
【2023.5.31書籍発売】
転生先は、乙女ゲームの悪役令嬢でした——。
侯爵令嬢のベラトリクスは、わがまま放題、傍若無人な少女だった。
婚約者である第1王子が他の令嬢と親しげにしていることに激高して暴れた所、割った花瓶で足を滑らせて頭を打ち、意識を失ってしまった。
目を覚ましたベラトリクスの中には前世の記憶が混在していて--。
卒業パーティーでの婚約破棄&王都追放&実家の取り潰しという定番3点セットを回避するため、社交界から逃げた悪役令嬢は、王都の下町で、メンチカツに出会ったのだった。
○『モブなのに巻き込まれています』のスピンオフ作品ですが、単独でも読んでいただけます。
○転生悪役令嬢が婚約解消と断罪回避のために奮闘?しながら、下町食堂の美味しいものに夢中になったり、逆に婚約者に興味を持たれたりしてしまうお話。
乙女ゲームの悪役令嬢だったので、悪役になる覚悟ですが、王子様の溺愛が世界を破滅させてしまいそうです
葵川真衣
恋愛
公爵令嬢シャロンは王宮で婚約者の王子と過ごしていて、突如前世の記憶を思い出してしまう。
前世プレイしていた乙女ゲームの令嬢に転生している。しかも悪役だ。
初恋相手の婚約者には今後、無惨に婚約破棄される。
ショックで突っ伏したシャロンだが、ハッピーエンドを目指して国外追放され、平穏に暮らそうと決心。
他ルートなら暗殺される。世界滅亡の危機もある。国外追放は生きている……!
武闘派悪役令嬢シャロンは日々励む!
しかしゲームに登場しない人物が現れたり、いろいろ様子がおかしい……!?
シャロンは世界を救い、ゲームのハッピーエンドを無事迎えることができるのか……!?
将来に備えがんばる悪役令嬢と、そんな令嬢を溺愛する腹黒王子の甘々ラブコメディ。
☆本編完結しました。ありがとうございました。番外編等、追加予定です。
捨てられた侯爵夫人の二度目の人生は皇帝の末の娘でした。
クロユキ
恋愛
「俺と離婚して欲しい、君の妹が俺の子を身籠った」
パルリス侯爵家に嫁いだソフィア・ルモア伯爵令嬢は結婚生活一年目でソフィアの夫、アレック・パルリス侯爵に離婚を告げられた。結婚をして一度も寝床を共にした事がないソフィアは白いまま離婚を言われた。
夫の良き妻として尽くして来たと思っていたソフィアは悲しみのあまり自害をする事になる……
誤字、脱字があります。不定期ですがよろしくお願いします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる