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初日からやっちまったぜベイベー

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「やっちまったぜベイベー……」

 私が素振りしながら顔を蒼くしているのは決して体力に限界が来たからでもない……。訓練用の木の剣を怖がるノミの心臓だからでもない……。見晴らしの良い私達しかいない訓練場の向こうに見える山のてっぺんをハゲ頭にしてしまったことに顔を蒼くしているのである。





 城の外に設けられた王族用の剣術や護身術の訓練場にて剣を素振りレドビス様に素振りを教えて貰い「100回の素振りが終わりましたらお声がけください」とレドビス様は今度はカペルの方へ、カペルは私が居ない間に自分は徹底的に鍛えてくれと、怯えながらレドビス様に頭を下げたそうでカペルは本格的に走り込みから始めている。細くて骨の見える身体なのに大丈夫なのだろうか。

「速度は気にせずに必ず20週走りきることを目指せ、お前はまだ身体ができていないから身体を作ることを考えろ」

「はい!」

 素振りをしながら、カペルの様子を見てみるけれどもレドビス様に怖がっていたのが嘘みたいにハキハキとして力と光のある目で返事をした後に、走り込みのスピードを下げて走っている。知性を感じる美形が汗水垂らしてるって中々……なんて考えてると腕が止まりそうなので傾けた顔を木の剣に戻して素振りを再開する。

(そういえば……テニク・メーカー・アンドールは魔法剣の実力があってうっかり地を割るって脳筋チート持ちだったから、それの血を引くんだからやってみたらできるかなー)

 なんて魔が差してしまって、私は未知なる力……心から流れてくる何かの感覚を掴んで木の剣にその感覚を纏わせるイメージをして、霧を払うように軽く横に薙ぐと。


 もの凄いスピードで透明な何かが木の剣から出たあとに、見晴らしのよく青空広がる訓練場から見える遠くの山の木がスッパリ切れて、遠くの此処にまで木々が一斉に倒れる轟音が鳴り響く、その様子を……すんっとした顔で見て居た私は思わず口にだして言ってしまったのです。

 「やっちまったぜベイベー……」と。



「一体なにが起こったんだ、山が……いや、取り乱して申し訳ありません。リエル様もカペルもどうぞ続けてください」

 レドビス様がもの凄く殺気だった気配を燻らせて私がてっぺんハゲ頭にしてしまった山を睨むので、心の中で地に穴が開くくらいに高速土下座で謝りまくった。本当は色々状況などを知りたいだろうに、私達に教えることを優先してくれて本当にお騒がせして申し訳なくて、申し訳なさすぎてなんか素振りが凄くフワフワと勢いのないものになってゆく。せめてちゃんとしないといけないのだからと力を込めるけれど、どうも力が入らない。

「レドビス様、申し訳ありません! あの、リエル様が……リエル様顔色が……」

 レドビス様はこちらの様子を見ていなかったので、私の変化に気がつかなかったようで安心したのは束の間、カペルが私の変化に気づいて、カペルが凄い形相で私に駆け寄ってくる。カペルが来た瞬間に私の身体から力が完全に抜け倒れそうになるも、カペルが支えてくれて倒れることはなく、ゆっくりと地面に座らせられた。「リエル様!」とレドビス様も凄く焦った声が聞こえてくるけれど、口すらも力が入らなくてなにも言うことができない。

「レドビス様! リエル様を医者の元へ連れて行ってください。僕はヌファンさんとソーラさんに伝えてきます」

「あぁ! リエル様ご無礼をお許しください」

 レドビス様に抱きかかえられる瞬間に見えたカペルの顔は凄く泣きそうで、ちょっと力が入らないだけだと言いたいのに心配しないでも大丈夫なのに、その翡翠が涙に満ちてゆくその瞬間でシャットアウトしたように私の目の前がくらくなった。






 医者に診せた所でリエル様の症状は魔力の使いすぎとのことだった。何故素振りで魔術と思ったけれど、リエル様の木の剣にはうっすらリエル様の魔力と思われる冬明けの早朝のような魔力が薄く残っていてパトリシア先生によると「緊張のし過ぎで無意識の結果でー魔力を放出しちゃったんだとおもいますー。わたしも魔力が安定しない頃よくありましたー」っと言ってくださったのでそうなのだろう。

「リエル様……」

 上質なベットに寝かされた目の前のリエル様は顔色は幾分かよくなり呼吸も正常だ。扉のあたりで控えているヌファンさんとソーラさんも心配で顔に色がなくなっている。今の僕の顔もさぞかし蒼白なことだろう。改めて彼女の顔を見ると幼く、丸い顔はたったの一日で絶望と諦めの淵にいた自分を救ってくれたあの凛々しさなく、ただただ安らかに眠る少女。

 そう……彼女は少女だのだ。

 緊張のし過ぎで無意識の結果でー魔力を放出しちゃったんだとおもいますー。

 そうか、彼女も緊張するのか、それはそうだろう彼女は6歳で僕が6歳の時は泣くばかりで……。


【「絶対に……こんな惨い世界を変えてみせるから……ごめんね」】

 このような立派を胸に抱いていても彼女は少女なのだ。

 守りたい、いや守るだけでは足りない。彼女が安心して国の民にそのお心を傾けられるよう。
 
 ご自身の父親の父親のありかたを否定して前に進む貴女を引き留めようとする者に囚われるなきことよう……。

 今は肉もないただの細腕の子供ですが……僕が生涯お守りいたします。


 本当は奴隷程度がその高貴なお体に触れることは叶わない、けれどそっと頬を触れてみると暖かい、白い精霊のような姿に反してとても子供独特の暖かい体温が手のひらにじんわりと広がってゆく。惜しいながらも彼女に触れてしまった手のひらを放して立ち上がりベットから離れる。

「もう、いいのですか?」ソーラさんが小さく聞いてくるけれど首を横に振って部屋を出る。何故かヌファンさんとソーラさんも僕が出たら一緒に出てきた。何故かはわからないけれど今回は丁度良い。

「ヌファンさん……ソーラさん……僕に文字を教えてくれませんか?」

 一分一秒も無駄にしたくはない必ず、必ず僕の人生を繋いでくれたリエル様の為に僕は……リエル様が女王となった国の……宰相になってみせる。







「ほんっとーに、申し訳ありませんでした!!!レドビス様とパトリシア様……わざわざ教えて頂いたのにもかかわらずに一日寝こけてしまって!!!」

 目が覚めたあとに急いでソーラにお願いをし、着替えてすぐにレドビス様とパトリシア……パトちゃんの元へ行ってわざわざ頭を下げて謝りに行きました。二人とも優しく気にしていないし、レドビス様に至っては逆に謝られてしまった。今回初日で倒れたことも相まって三日間の休養をとるようにと、優しい顔のおじいちゃんお医者さんに言われて結局……訓練はできなかった。

 心配をかけたカペルにもソーラにもヌファンにも謝ったが三人そろって、謝る必要はないと逆に慰められてしまうダメ姫っぷりと初日から発揮してしまって恥ずかしいし、言うなれば本当に迷走したと同じになってしまった。

 せめて座学の勉強を……っと思ったのだけれど

「リエル様の為に申し上げます。医者が三日休養をといったら……大人しく休養をとりなさい!!!」

「はいぃぃぃぃぃ!!!! しゅびばじぇん!! 今から休みます!!!!」

 ヌファンの愛の雷を脳天に一撃食らいまして、怖いから大人しく休む……といっても私の横で勉強をしているカペルを見てるだけ、本当になにもさせてくれないし、何かをしようものならば「リエル様! お人形遊びとか如何ですか♪ 冒険譚の本とかもございますよ」本格的に子供と同じ方法で甘やかそうと必死のソーラが、窓から床から天井から何かをしようとした瞬間に瞬時に現れるので本当になにもできない。てか、ソーラ貴女何者……。

「むぅ……」

 初日から躓いたせいで、ここまでになるとは……。段々と私の気分が下向してゆく、段々といじけモードに心がなっていき、靴を脱いでソファーの上に体育座りという普通なれば怒られることをやってしまう。けれども、ヌファンはそんな私を見ても怒らずに、少し迷ったような目をちょくちょく向けては顔を逸らしてきた。

「むぅ……う?」

「あっ、えーっと申し訳ありませんリエル様……ご無礼を」

 気分が沈む中で私の頭に急に何かの重みがのしかかったと思うと、慣れた手つきで何かが頭を撫でている。びっくりして、腕が伸びている方向を向くと、カペルが私の頭の上に手を置いて撫でていた。私が見て居るのに気がつくと、手を伸ばしたのは無意識なのか慌てて赤面の後に顔を青くして手を離そうとしてきたけれども、私ががっしりと腕を掴んで、カペルの手に自身の頭を押しつける。撫でる位でしょっ引いたりしないよー大丈夫だよーという意味を込めて。その私の行動は見るに堪えないほどに恥ずかしい行為なのか、カペルが見る見るうちに赤くなったけど、先ほどしていたように私の頭を撫でてくれた。

「ふふ……お兄ちゃんみたい」

 私の零れるように出た感想に「お兄ちゃん……ですか、貴方が望むのならばそれも」カペルは嬉しそうに笑うと私の頭を撫でながらそう言ってくれた。文字の勉強の手を止めさせてしまったのは申し訳ないけれど、甘えても良いならもうちょっと慣れられたくて、どんどんカペルの方へ身体が前のめりになってゆく。

「カペルがお兄ちゃんになってくれたら本当に嬉しい……。おわっと!」前のめりになりすぎて、ソファーの上で態勢を崩したけれどカペルが支えてくれて、そのまま起き上がらせ……ることはせずに、誘導するように私の頭を自身の膝の上へ、骨張っていて折れるんじゃないかと顔を蒼くする私を見て、翡翠色の目を細めて「折れませんよ」と言ってくれる。凄く優しくて、ゆっくりで、お昼を食べてお腹いっぱいということも相まってあっさりと眠気があれよあれよと引き寄せられる。

「大丈夫です焦らなくても……あな……で……ま……。」

意識の落ちる端に聞こえた優しい声で、完全に私の意識は没落した。




(なんてしたら、本当に子供なので寝ているふりをしてみよう)

 
 ゲーム的知識でわるいけど大抵主人公とかキャラが寝てるときに有益な情報がでるかもしれないというちょっとセコい考えのもと。やっぱね……世の中怖くて綺麗事じゃ怖くてやってけんのよ!!!

「わー寝ちゃいましたね。ヌファン貴女もこっち来て大丈夫だって」

「けれど……私は、自分の子供と同じ調子で……うぅ……」

 ヌファンって子供居たんだ、子供慣れ指定なさそうな感じがしたんだけれども……仕事が忙しすぎるし侍女仕事は基本は住み込みだから会えないよね。すこし二人の働く日にちを見て休日が少ないようだったら作るように侍女統括長にお願いしてみよう。けれど、別に自分の為に言ってくれたんだからそんな落ち込まなくともいいのに。

「大丈夫ですよ! ほら、奴隷の僕を迎え入れる心優しいお方ですから、ちゃんと自分を思って言ってくれてることわかってると思います」

 頭を撫でながら、カペルが私の思ってることを代弁して言ってくれる。先ほどといい今回と良いナイスカペル!

「そうですね……。この国……いやこの国の犠牲となった民の救世主になるお方ですから、広い心のもと受け止めてくださると信じなければ」

 私がやっていた本編と違って悪役女王のせいで本当に倫理観も道徳も糞もない世界になったことに、少し悲しみと悪役への恨みが積み重なってく、どうにか寝ているフリは一応はできているけれど。このゴツゴツとしつつも細くて頬を触っているのがヌファンの手で、柔らかいけれどタコがあるこの手がソーラだろうか。どちらも優しい。

「そういえば、ヌファンさん、ソーラさんって凄く中がいいですけれど、友達同士なんですか」

「いえ、家族ですが仲間というのが正しいです」

 ほうほう……なるほど、いいぞーカペル! その調子で会話を弾ませて!

「私達二人コンビで冒険者やってたんだー。けど、冒険者徴収令で……」

 ソーラが私の握る手を少し震わせながら、少し言いにくそうに途中まで言ってくれた は初めて聞いた。6歳のリエルの記憶にもないし何なのだろう?

「あぁ……あの国に逃げる人間を減らすための……。それで二人とも身のこなしに隙がないとレドビス様が言っていたんですね」

 徴収しないと逃げられるほど酷い国ってのは悪徳二代目も理解してたのね。できれば理解しないまま国が崩壊して欲しかった……今に繋がるから良いけれども。

「あーやっぱりバレちゃった。いつかはバレるから言っちゃうけどリエル様には内緒よ? 破骨花伝のヌファンと血染花伝のソーラって言われてたの」

「このことは、 く れ ぐ れ も! リエル様には言わぬように」

「わ、わかりまし……た」

 カペルの撫でる右手がブルブル震えてるからそうとうヌファンの顔が怖いのか、以外にもソーラかどっちもか……。できるだけカペルを怯えさせないで欲しいんだけどなぁ……。

 
 破骨に血染……ヤケに物騒だけれど……ゲームのどこかでなんかその言葉を聞いたことがある。確か攻略対象のレン・マーヤンと攻略対象の子供が確かそんな高名な冒険者になったってエンドロールに……ってことは攻略対象って全員が全員処刑されていないということか!だとしたら二人とも結構いい歳……げほんごほん。

 それにそうか、そうと思って二人の顔をみるとどこかレン・マーヤンの面影がある!

 ならば死なない為に、攻略対象の血縁者を探してみよう。死んだり処刑されたりしていなければそれぞれ優秀だし血筋が気に入らないという理由で敵になるかも知れない人物なのだから、味方にできなくとも知っておいて損はない。頭を優しく撫でられながら、顔をしかめたり考えて居ることを声にしないように考えを巡らせる。

5人+α、αを含めて6人の攻略対象が居た。

一つは先ほどのレン・マーヤン。

 叢式ノ国という中華と日本を足して2で割ったような国の出身

 言われもない刑罰で島流しにあい遥か遠くのアンドール国へ流れ着き、自身の国の技術を用いて様々な武器を作る武器職人となった。ヌファンは彼の黒髪と顔立ちが、ソーラは彼の口調と目の色がそれぞれ似ている。この主人公とレンが結婚した時の子供の見た目はスチルで出てこなかったから、本当に生きていた主人公とレンが結婚してできた二人なのかは、断定できないけれど。

二人目 炎熱のディザスター

 この国出身の炎魔術に長けた医者

 唯一無二の癒やしの炎を扱うことのできる者だが、温厚とはほど遠く苛烈な性格で国から問題視されていいたもので、その癒やしの炎さえなければ、不敬罪やら暴行罪やらで処刑まっしぐらの人物。実際に癒やしの炎を使ったのは作中の主人公が死にそうになった時くらいで、癒やしの炎で助けられる人物が現れても全て価値なしと見捨てるほど餞別意識も高い。けれど、希有な才能のせいで国に親元から引き離された結果だからある意味国の自業自得。

三人目 アビス

 名前からしてお察しの出身不明の国お抱え裏部隊の部隊長

 鉄面皮の中の鉄面皮であり鉄面皮の為の顔を持つ真の鉄面皮と行って良いほどに顔がどこのアンドロイドかわからないほどに表情がないただ、感情がないわけではないので無表情でお団子作りしたり意外と豊かなところがある攻略で褐色の白髪セクシー系鉄面皮として人気になった人。けれど、普通にその手は汚れているので善人ではないことはちゃんと心に留めないといけないのと、無表情忠誠ヤンデレなので……六人のなかで一番敵に回りそう。

四人目 ドワーフ子永遠の18歳

 ふざけた名前だけれど本当にパッケージでこんな名前で売り出している、ドワーフ国出身のこの国で働く男の娘のメイド

 ドワーフの女の人は背が低いけどぼっきゅっぼん、だったりじゃなかったり……まぁ、大きいお友達がいたらこう喜ぶでしょう……合法☆ロリ!と……だが、男だ。白と茶色の混じった長い髪とピンク色が似合う華奢な身体の女より女の子しているし、料理、洗濯、掃除、編み物、刺繍なんでもござれ。けれども彼はとても頭がよく、この国の宰相の言われた通りに情報を操作する裏の重要人物……ふざけた名前だけれども本名は(ガンレイク・ブライエ)というかっこいいお名前をお持ちなのです。

5人目 ナザルカラク

 美坊主好きならば一見物、美しい丸を描く美男の坊主頭。この国の正義の元宰相。

 坊主頭にした理由は、髪の毛を整えている間に資料が20枚はできあがるからあるだけ無駄というワーカーホリック染みた理由だ。この人も他国から無理矢理攫って宰相にしたので、悪役女王にたて付いて大抵は追放されている。というかナザルルートに主人公が入らなければ高確率で追放されており、主人公が女王に君臨しても消息不明のまま死んだことにされる人。ただ、彼は優秀で国を幸せにするのならばナザルルートが一番、生きていれば味方に欲しい……多分この血を……テニクの血が入っているから無理だろうけど。


+α6人目 シャルリエール

主人公の幼なじみ…お察しの通り時折乙女ゲームに何故かある百合ルートです。

 幼なじみの主人公と同じ、優しい心を持った女の子で、主人公が素朴可愛いならばこちらは正当派主人公の見た目の女の子、百合は趣味じゃない方も二人のほのぼの仲睦まじさと可愛さに、ここが百合の入門になる乙女が数々現れたほど。どの男攻略者ルートでも主人公への恋心を封じ込めて、国と主人公を支え、封じ込めた恋心に報いる為に最後まで独り身で人生を終える人物。恋はともかくここまで思ってくれる友達は欲しいと私は思う。

 


(ここまで考えたけれど……現実的に考えたら……どれもこれも血筋で恨んできそうなのしか……居ない)





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