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一つの決着が付いた先には、来たるべく戦い。
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「そうなのー、二人って元々喧嘩するほど中がいいって言われててね。さっすがアタシのカリスティアちゃぁん、二人の仲を修復するなんて……。いいわ、あの馬鹿二人が壊したカリスティアちゃんの部屋が治るまで、カリスティアちゃん専用病室に泊まるといいわぁん」
二人の喧嘩の結果で、カリスティアの部屋の鏡とクローゼットやカリスティアのお気に入りの服が壊され、挙げ句の窓よりも魔法により出来た、綺麗な円の大きな風穴により。カリスティアは自身の住んでいる部屋に住めない状態となってしまったので、ラブマルージュに病室を貸してくれと泣きついたのである。文字通り……泣きついて。
「んふ、カリスティアちゃんの病室の道筋はわかるわね? アタシはこんな夜中に、子供の部屋で暴れるあの子達を回収してくるわ」
「ありがとうラブちゃん……おやすみ」
「うん、おやすみなさい。カリスティアちゃん」
カリスティアの頭を撫でて、笑顔のまま手をカリスティアに手を振って去って行くラブマルージュの姿を見て、カリスティアは初めて……ではないけどラブマルージュは、オカマだけれども頼れて、気遣いもできる男なのにもったいないなぁーっと思いながら好意に甘えて自分専用の病室で一夜を過ごした。
その後に、ローブを深く被り過ぎて、茶色い顔なしてるてる坊主になったアルマと地べたに座って頭を地面にこすり付けて、土下座のようなことをしているリアン達が、それぞれカリスティアに謝罪と詫びの金貨300枚を渡しに来たのだが、カリスティアは自身の部屋と壊れた物の修理以外は受け取らずに、二人にこう言った。
「後悔した頃にはどちらか墓の中……ってことにならならないようにして欲しい。私が望むのはそれだけ、じゃなきゃ私の部屋壊され損だからね」
それぞれ、病室に入るなり【申し訳ないオーラ】を漂わせて顔を下向けて居るものだから、怒る気が失せたよ……っとカリスティアは心の中で微笑む。弟のほうはよく見れば20代前半……で兄の方は歳は余り離れていないって聞いてはいたから、ここまで一杯一杯だったのだ……若い中でよくやったほうだとカリスティアはそれとなく褒め称える。
二人は顔を上げて、困ったようなこそばゆいような微妙な顔で、互いを見てからカリスティアの顔を見てカリスティアの願いを了承した。これにて二人の兄弟の問題は少しは軽くなるといいな……っと白しか見えない天井のそのまた上を見るように顔を上げて微笑むのであった。
一つが終わればすぐに、激戦の予想される三回戦の日は来る。あるものは約束を胸に、あるものは純粋な力を試すために、あるものはその裏に潜む。三回戦は全ての半端者、無力な者をふるい落とし強者だけの純粋な決闘、戦いである。
三回戦
一試合 カリスティアVSグラス
二試合 ロイエVSメリナ
三試合 スパーダスVSラブマルージュ
四試合 リチェルリット国 冒険者ギルドマスターVSセシル
五試合 ???VS機械仕掛けのサイエンティスト
六試合 、七試合
アルマは二回戦で棄権するとの約束の出場であるために居ないが、その他、出場することを表明した幹部と有力な強者が祭りを大いに盛り上げるだろう。
強者の中に混じる一番の異端、その期待に応えるように騒がしい歓声の中で、カリスティアの黒とは対の白を見据える。どちらも会場の門を潜る前から、それぞれの武器を手にして現れた。
「おはようございます。カリスティア……当たり前ですが手加減は致しません」
「おはよう。こっちこそ手加減しない……。あんなこと言ったからには、私に負けないことね」
二人の喧嘩の結果で、カリスティアの部屋の鏡とクローゼットやカリスティアのお気に入りの服が壊され、挙げ句の窓よりも魔法により出来た、綺麗な円の大きな風穴により。カリスティアは自身の住んでいる部屋に住めない状態となってしまったので、ラブマルージュに病室を貸してくれと泣きついたのである。文字通り……泣きついて。
「んふ、カリスティアちゃんの病室の道筋はわかるわね? アタシはこんな夜中に、子供の部屋で暴れるあの子達を回収してくるわ」
「ありがとうラブちゃん……おやすみ」
「うん、おやすみなさい。カリスティアちゃん」
カリスティアの頭を撫でて、笑顔のまま手をカリスティアに手を振って去って行くラブマルージュの姿を見て、カリスティアは初めて……ではないけどラブマルージュは、オカマだけれども頼れて、気遣いもできる男なのにもったいないなぁーっと思いながら好意に甘えて自分専用の病室で一夜を過ごした。
その後に、ローブを深く被り過ぎて、茶色い顔なしてるてる坊主になったアルマと地べたに座って頭を地面にこすり付けて、土下座のようなことをしているリアン達が、それぞれカリスティアに謝罪と詫びの金貨300枚を渡しに来たのだが、カリスティアは自身の部屋と壊れた物の修理以外は受け取らずに、二人にこう言った。
「後悔した頃にはどちらか墓の中……ってことにならならないようにして欲しい。私が望むのはそれだけ、じゃなきゃ私の部屋壊され損だからね」
それぞれ、病室に入るなり【申し訳ないオーラ】を漂わせて顔を下向けて居るものだから、怒る気が失せたよ……っとカリスティアは心の中で微笑む。弟のほうはよく見れば20代前半……で兄の方は歳は余り離れていないって聞いてはいたから、ここまで一杯一杯だったのだ……若い中でよくやったほうだとカリスティアはそれとなく褒め称える。
二人は顔を上げて、困ったようなこそばゆいような微妙な顔で、互いを見てからカリスティアの顔を見てカリスティアの願いを了承した。これにて二人の兄弟の問題は少しは軽くなるといいな……っと白しか見えない天井のそのまた上を見るように顔を上げて微笑むのであった。
一つが終わればすぐに、激戦の予想される三回戦の日は来る。あるものは約束を胸に、あるものは純粋な力を試すために、あるものはその裏に潜む。三回戦は全ての半端者、無力な者をふるい落とし強者だけの純粋な決闘、戦いである。
三回戦
一試合 カリスティアVSグラス
二試合 ロイエVSメリナ
三試合 スパーダスVSラブマルージュ
四試合 リチェルリット国 冒険者ギルドマスターVSセシル
五試合 ???VS機械仕掛けのサイエンティスト
六試合 、七試合
アルマは二回戦で棄権するとの約束の出場であるために居ないが、その他、出場することを表明した幹部と有力な強者が祭りを大いに盛り上げるだろう。
強者の中に混じる一番の異端、その期待に応えるように騒がしい歓声の中で、カリスティアの黒とは対の白を見据える。どちらも会場の門を潜る前から、それぞれの武器を手にして現れた。
「おはようございます。カリスティア……当たり前ですが手加減は致しません」
「おはよう。こっちこそ手加減しない……。あんなこと言ったからには、私に負けないことね」
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