12 / 16
#12 中学生のとき その2
しおりを挟む
(こいつは俺達がどう対応するか心の内で読んでいて、その上でこうしてもらいたいが為にわざと誘いかけたのではないか。……こいつは苛められることを悦んでいるんじゃないのだろうか……)
いつしか眩しかった青空もサングラス越しに見るような暗い青色に変わっていた。夕暮れが近づいていた。
山頂の手前に深さが2m程のすり鉢状の窪地があり、そこに一本の木が生えていた。
俺達はその木を『処刑柱』と名付け、進の縄尻を括り付けた。ことのついでとばかり、両足首も同様に木に縛り付けたので、進は身動き一つすることもできなくなってしまった。
「それじゃあな、進。俺達は帰るからな」
「ええっ!ま、待って。縄を解いてよ……」
「自分で解けよ」
俺達は来た道を戻り始めた。初めはこの状況を楽しむかのように幾分芝居がかった哀願をしていた進だったが、俺達が本当に帰っていくのを首を伸ばして見上げると、
「ま、待ってよ!」
と、途端に真剣な声で呼び止めるのだったが、俺達は進の嘆願を無視して登って来た道を引き返したのだった。
無論俺達は進をただからかっただけで、本当に置き去りにする気がある訳ではなかった。かなり道を戻った辺りで誰が進の縄を解きに戻るかを俺達は相談したのだが、俺以外の二人はそんな面倒なことはやりたくないといった顔つきをしていた。
それにいつのまにか夕闇が立ちこめ、お互い家に帰りつく時間を気にし出していた。
「俺が戻るよ」
俺の申し出は渡りに船だったらしい。それじゃ頼むと二人は急ぎ足で山を降りて行った。
彼等が遠く離れたことを確認すると、俺は急いで(なぜか進と二人きりになった時間を一秒でも無駄にしてはいけないように思われたのだ…)処刑柱に戻った。
再び進の許へ戻ったときには、空はすっかり薄墨を流し込んだような灰青色に変わっていた。窪地へ下る斜面の淵からはもう進の顔さえ判別できない。進は声を枯らしたのか今はもうただ黙ってうつむいていた。
「進!」
声をかけて窪地へ降りていくと、進はアッと声をあげて俺を見上げ、そして激しく両肢をよじり出した。
「あ……」
今度は俺が声を出す番だった。進のズボンの前扉から直立した男根がぴょっこりと顔を覗かせていたのだ。
恐らくMの情感の高まりが肉筒を硬化させ、それが偶然パンツの前扉を突き抜け、そして先程の悪ふざけで開け放しとなったズボンの前扉から飛び出てしまったのだろう。
柱に縛り付けられた進は何とかして俺の視線から自分の局部を隠そうと腰をくねらせてみるのだが、それは何の役にもたたないばかりか、却って俺の注意をそこに向けさせることとなってしまったのだった。
いつしか眩しかった青空もサングラス越しに見るような暗い青色に変わっていた。夕暮れが近づいていた。
山頂の手前に深さが2m程のすり鉢状の窪地があり、そこに一本の木が生えていた。
俺達はその木を『処刑柱』と名付け、進の縄尻を括り付けた。ことのついでとばかり、両足首も同様に木に縛り付けたので、進は身動き一つすることもできなくなってしまった。
「それじゃあな、進。俺達は帰るからな」
「ええっ!ま、待って。縄を解いてよ……」
「自分で解けよ」
俺達は来た道を戻り始めた。初めはこの状況を楽しむかのように幾分芝居がかった哀願をしていた進だったが、俺達が本当に帰っていくのを首を伸ばして見上げると、
「ま、待ってよ!」
と、途端に真剣な声で呼び止めるのだったが、俺達は進の嘆願を無視して登って来た道を引き返したのだった。
無論俺達は進をただからかっただけで、本当に置き去りにする気がある訳ではなかった。かなり道を戻った辺りで誰が進の縄を解きに戻るかを俺達は相談したのだが、俺以外の二人はそんな面倒なことはやりたくないといった顔つきをしていた。
それにいつのまにか夕闇が立ちこめ、お互い家に帰りつく時間を気にし出していた。
「俺が戻るよ」
俺の申し出は渡りに船だったらしい。それじゃ頼むと二人は急ぎ足で山を降りて行った。
彼等が遠く離れたことを確認すると、俺は急いで(なぜか進と二人きりになった時間を一秒でも無駄にしてはいけないように思われたのだ…)処刑柱に戻った。
再び進の許へ戻ったときには、空はすっかり薄墨を流し込んだような灰青色に変わっていた。窪地へ下る斜面の淵からはもう進の顔さえ判別できない。進は声を枯らしたのか今はもうただ黙ってうつむいていた。
「進!」
声をかけて窪地へ降りていくと、進はアッと声をあげて俺を見上げ、そして激しく両肢をよじり出した。
「あ……」
今度は俺が声を出す番だった。進のズボンの前扉から直立した男根がぴょっこりと顔を覗かせていたのだ。
恐らくMの情感の高まりが肉筒を硬化させ、それが偶然パンツの前扉を突き抜け、そして先程の悪ふざけで開け放しとなったズボンの前扉から飛び出てしまったのだろう。
柱に縛り付けられた進は何とかして俺の視線から自分の局部を隠そうと腰をくねらせてみるのだが、それは何の役にもたたないばかりか、却って俺の注意をそこに向けさせることとなってしまったのだった。
0
お気に入りに追加
15
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢の兄です、ヒロインはそちらです!こっちに来ないで下さい
たなぱ
BL
生前、社畜だったおれの部屋に入り浸り、男のおれに乙女ゲームの素晴らしさを延々と語り、仮眠をしたいおれに見せ続けてきた妹がいた
人間、毎日毎日見せられたら嫌でも内容もキャラクターも覚えるんだよ
そう、例えば…今、おれの目の前にいる赤い髪の美少女…この子がこのゲームの悪役令嬢となる存在…その幼少期の姿だ
そしておれは…文字としてチラッと出た悪役令嬢の行いの果に一家諸共断罪された兄
ナレーションに
『悪役令嬢の兄もまた死に絶えました』
その一言で説明を片付けられ、それしか登場しない存在…そんな悪役令嬢の兄に転生してしまったのだ
社畜に優しくない転生先でおれはどう生きていくのだろう
腹黒?攻略対象×悪役令嬢の兄
暫くはほのぼのします
最終的には固定カプになります
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
【完結】人形と皇子
かずえ
BL
ずっと戦争状態にあった帝国と皇国の最後の戦いの日、帝国の戦闘人形が一体、重症を負って皇国の皇子に拾われた。
戦うことしか教えられていなかった戦闘人形が、人としての名前を貰い、人として扱われて、皇子と幸せに暮らすお話。
性表現がある話には * マークを付けています。苦手な方は飛ばしてください。
第11回BL小説大賞で奨励賞を頂きました。応援してくださった皆様、ありがとうございます。
[恥辱]りみの強制おむつ生活
rei
大衆娯楽
中学三年生になる主人公倉持りみが集会中にお漏らしをしてしまい、おむつを当てられる。
保健室の先生におむつを当ててもらうようにお願い、クラスメイトの前でおむつ着用宣言、お漏らしで小学一年生へ落第など恥辱にあふれた作品です。
部室強制監獄
裕光
BL
夜8時に毎日更新します!
高校2年生サッカー部所属の祐介。
先輩・後輩・同級生みんなから親しく人望がとても厚い。
ある日の夜。
剣道部の同級生 蓮と夜飯に行った所途中からプチッと記憶が途切れてしまう
気づいたら剣道部の部室に拘束されて身動きは取れなくなっていた
現れたのは蓮ともう1人。
1個上の剣道部蓮の先輩の大野だ。
そして大野は裕介に向かって言った。
大野「お前も肉便器に改造してやる」
大野は蓮に裕介のサッカーの練習着を渡すと中を開けて―…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる