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第2章
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今朝は早起きしたはずなんだけど、二人の妹と楽しく戯れていたら結構時間が経っちゃったよ。やばやば、またギリギリだ。
でも大物の私は慌てない。ハルカとサキと手を繋ぎながら、楽しく玄関を出る。
あ、円柱ちゃんじゃかわいそうだから、検討の結果サキちゃんと名前を付けました。ハルカの船の名前がハルカサキゴーだからね。良い名前でしょ?
あーでも、私がお姉さんって不安だなぁ。妹も増えたことだし、しっかり者で美人のお姉ちゃんも欲しいなぁ。
私が今日も気持ち良く晴れた空を見上げながらそんなことを考えた時、ぴーんと何かすっごく嫌な何かを感じた。
次の瞬間、私の横に居たサキが、繋いでいた手を離してさっと私とハルカの前に出る。そしてさっと手を振って輝く粒子を周囲に広げた。
「カナタ!」
それからハルカがそう叫んで私を押し倒し、さらに私の上に覆いかぶさる!
「え、な、何?」
状況を理解できない私は反射的にハルカの制服をぎゅっと握りしめながら、サキを見た。
その時だ。バンッと激しい音。私の倒れたアスファルトの地面も軽く揺れる。
サキの展開した粒子障壁に何かがぶつかったの?
ぶつかった何かは障壁に弾かれて、少し離れた場所へキンッと小さな金属音を立てながら転がる。それは20cmくらいはある、細長い銃弾だった。
え、あ、わ、私撃たれた? あんなおっきい弾に?!
私がようやく状況を把握した時には、サキが反撃を始めていた。
前方に突き出されたサキの両手の指から、カカカカッと小さな音と連続して煌く白い光。
そしてランドセルのふたがふわっと浮くように開くと、シュッと鋭い音を立てて小型のミサイルが2基射出された。
そしてかぱっと大きく開いた口からは、黒い閃光がゴウッっと激しい突風を巻き起こしながら放たれる!
爽やかな朝日に似合わないそのおっかない何本もの光の筋は、家から何kmも離れた、小高い山へ向けて超高速で飛ぶ。次の瞬間、山の斜面が激しく光った。
と、遠くて良く分かんないけど、黒い閃光やミサイルの当たった場所からもうもうと白い煙が立ち上っている。
「どうですか?!」
ハルカが小さいけど鋭い声で叫んだ。
「仕留めたにゃん。ただし、生命反応、最初から、無いにゃん。無人、狙撃用兵器の、攻撃、断定にゃん」
ハルカの質問に、サキが可愛い声だけど片言な言葉で答えた。ちゃんとにゃんって付けてくれてるし。萌えるね!?
「良かった…サキを出していなければやられていましたね…」
ハルカが引き攣った笑顔を浮かべながら、私を見る。
いや、それにしても…私はもう一度ころがった銃弾を見た。わ、私、あんなので撃たれたんだ…?
今更だけど体が震えてきて、私は握ったままだったハルカの制服をもっと強く握った。
「それにしても…こんなに早く見つかってしまうなんて。それに、私達が家から出るのが分かっていたかのようなタイミングですね…」
ハルカがそう呟いた時、まだ震えが止まらなかった私は、ずっと遠く遠くに、大きな違和感を感じた。まるで何かをむりやり抉じ開けるかのような、乱暴な力を。
ハルカもぴくりと動く。
でも大物の私は慌てない。ハルカとサキと手を繋ぎながら、楽しく玄関を出る。
あ、円柱ちゃんじゃかわいそうだから、検討の結果サキちゃんと名前を付けました。ハルカの船の名前がハルカサキゴーだからね。良い名前でしょ?
あーでも、私がお姉さんって不安だなぁ。妹も増えたことだし、しっかり者で美人のお姉ちゃんも欲しいなぁ。
私が今日も気持ち良く晴れた空を見上げながらそんなことを考えた時、ぴーんと何かすっごく嫌な何かを感じた。
次の瞬間、私の横に居たサキが、繋いでいた手を離してさっと私とハルカの前に出る。そしてさっと手を振って輝く粒子を周囲に広げた。
「カナタ!」
それからハルカがそう叫んで私を押し倒し、さらに私の上に覆いかぶさる!
「え、な、何?」
状況を理解できない私は反射的にハルカの制服をぎゅっと握りしめながら、サキを見た。
その時だ。バンッと激しい音。私の倒れたアスファルトの地面も軽く揺れる。
サキの展開した粒子障壁に何かがぶつかったの?
ぶつかった何かは障壁に弾かれて、少し離れた場所へキンッと小さな金属音を立てながら転がる。それは20cmくらいはある、細長い銃弾だった。
え、あ、わ、私撃たれた? あんなおっきい弾に?!
私がようやく状況を把握した時には、サキが反撃を始めていた。
前方に突き出されたサキの両手の指から、カカカカッと小さな音と連続して煌く白い光。
そしてランドセルのふたがふわっと浮くように開くと、シュッと鋭い音を立てて小型のミサイルが2基射出された。
そしてかぱっと大きく開いた口からは、黒い閃光がゴウッっと激しい突風を巻き起こしながら放たれる!
爽やかな朝日に似合わないそのおっかない何本もの光の筋は、家から何kmも離れた、小高い山へ向けて超高速で飛ぶ。次の瞬間、山の斜面が激しく光った。
と、遠くて良く分かんないけど、黒い閃光やミサイルの当たった場所からもうもうと白い煙が立ち上っている。
「どうですか?!」
ハルカが小さいけど鋭い声で叫んだ。
「仕留めたにゃん。ただし、生命反応、最初から、無いにゃん。無人、狙撃用兵器の、攻撃、断定にゃん」
ハルカの質問に、サキが可愛い声だけど片言な言葉で答えた。ちゃんとにゃんって付けてくれてるし。萌えるね!?
「良かった…サキを出していなければやられていましたね…」
ハルカが引き攣った笑顔を浮かべながら、私を見る。
いや、それにしても…私はもう一度ころがった銃弾を見た。わ、私、あんなので撃たれたんだ…?
今更だけど体が震えてきて、私は握ったままだったハルカの制服をもっと強く握った。
「それにしても…こんなに早く見つかってしまうなんて。それに、私達が家から出るのが分かっていたかのようなタイミングですね…」
ハルカがそう呟いた時、まだ震えが止まらなかった私は、ずっと遠く遠くに、大きな違和感を感じた。まるで何かをむりやり抉じ開けるかのような、乱暴な力を。
ハルカもぴくりと動く。
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