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第1章
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これだけのものを見せられても、やっぱり私にとってハルカは妹のハルカだって言いたかったんだけど、ハルカは気付かないように軽く流した。
うぅ…冷たいよ、ハルカ。本当にどうしたらいいの?
私達が少し会話している内に、あっという間に視界が変わる。青い大気を抜けると、広大な世界が私の目の前に突如として現れる。
広い広い、真っ黒で無限に続く空間。そして晴れた冬の夜どころではない数の星々。ああ、これが宇宙なんだなって、それに圧倒された私はぼんやりとそう思う。
「そうです。これが貴女が望遠鏡越しに眺めていた世界。そして貴女の戦場、宇宙です」
「ここが宇宙…」
私はぼんやりとしたまま、そう呟いた。
そういえばハルカが行きたがってたなあと、ふと思った。
それってこうやって私をパイロットにして来たかったってことなんだと、今更ながらに気付く。
緊張感無いね? だって実感湧かないよ、突然だもん。しかも裸だし。
「ははは…裸で宇宙に来た人類って私が初めてだろうね…」
「ええ、間違いなくそうですよ」
「恥ずかしいこと肯定しないで?! …ギネスものの恥ずかしさだね…」
「申請しますか?」
「ぜ、絶対に嫌!」
ど、どんな痴女なの! それは! ハルカめ、くすりと笑うし!
「では、行きましょうか、目標へ」
軽くにらむ私をスルーして、ハルカは微笑みを軽く上気というか興奮したような表情へ変えながら言った。
「何? 嬉しそうな顔して」
「そうですね、嬉しいのかもしれません。私は戦闘艦ですから。やはり、私は闘うのが本分なのだと今は思っています」
私の質問にハルカはそう答える。でも半分はホントだけど、半分は嘘だなと私は思った。
完全にハルカのこと思い出した訳じゃないけど、私の気持ちを帰ったらきちんと言わなくちゃいけないと思いながら、促されるままに、私はさらに船体を加速させる。
船体は銀の粒を噴射剤のように後方へ振り撒きながら、私の意志に従い、その速度をどんどんと上げる。
その速さはあっという間に光速まで達しちゃったよ! といっても私の感覚じゃ光速なんてすごく高速ぐらいしか分かんないけど! 船体からの情報だとそうらしいよ。
「こんなに早く光の速さまで加速できるものなの?」
「通常の船では無理ですね。先程説明したとおり、貴女の力を船体に上乗せしているからですよ、マスター」
うぅ…冷たいよ、ハルカ。本当にどうしたらいいの?
私達が少し会話している内に、あっという間に視界が変わる。青い大気を抜けると、広大な世界が私の目の前に突如として現れる。
広い広い、真っ黒で無限に続く空間。そして晴れた冬の夜どころではない数の星々。ああ、これが宇宙なんだなって、それに圧倒された私はぼんやりとそう思う。
「そうです。これが貴女が望遠鏡越しに眺めていた世界。そして貴女の戦場、宇宙です」
「ここが宇宙…」
私はぼんやりとしたまま、そう呟いた。
そういえばハルカが行きたがってたなあと、ふと思った。
それってこうやって私をパイロットにして来たかったってことなんだと、今更ながらに気付く。
緊張感無いね? だって実感湧かないよ、突然だもん。しかも裸だし。
「ははは…裸で宇宙に来た人類って私が初めてだろうね…」
「ええ、間違いなくそうですよ」
「恥ずかしいこと肯定しないで?! …ギネスものの恥ずかしさだね…」
「申請しますか?」
「ぜ、絶対に嫌!」
ど、どんな痴女なの! それは! ハルカめ、くすりと笑うし!
「では、行きましょうか、目標へ」
軽くにらむ私をスルーして、ハルカは微笑みを軽く上気というか興奮したような表情へ変えながら言った。
「何? 嬉しそうな顔して」
「そうですね、嬉しいのかもしれません。私は戦闘艦ですから。やはり、私は闘うのが本分なのだと今は思っています」
私の質問にハルカはそう答える。でも半分はホントだけど、半分は嘘だなと私は思った。
完全にハルカのこと思い出した訳じゃないけど、私の気持ちを帰ったらきちんと言わなくちゃいけないと思いながら、促されるままに、私はさらに船体を加速させる。
船体は銀の粒を噴射剤のように後方へ振り撒きながら、私の意志に従い、その速度をどんどんと上げる。
その速さはあっという間に光速まで達しちゃったよ! といっても私の感覚じゃ光速なんてすごく高速ぐらいしか分かんないけど! 船体からの情報だとそうらしいよ。
「こんなに早く光の速さまで加速できるものなの?」
「通常の船では無理ですね。先程説明したとおり、貴女の力を船体に上乗せしているからですよ、マスター」
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