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八
セカンドバージン
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焼肉事件から一ヶ月半。
その間起こったことを手短に言うと、まず二次面接には受からなかった。
そして、私はまだ彼のマンションに身を置き、巧とも今まで通りの付き合いが続いている。
巧は焼肉屋では対立したのにも関わらず、藤原晃成が取った態度に寛容だ。自分も元カノ達に私との関係を疑われたから、きっと藤原晃成に理解があるのだろう。
変わったことと言えば、夏になってリクルートスーツが容赦なく暑苦しくなったこと、藤原晃成が仕事の合間を縫って、私を食事に誘ったり、週末にデートにも出かけるようになったことだ。
高所恐怖症トレーニングと称した、屋上でのデートも続けていて――
明日、お盆で帰省するという真夏の夜のことだった。
「高所恐怖症トレーニングをしよう」
帰宅して、シャツとハーフパンツというラフな服に着替えた彼が、ワインとワイングラス二つを抱え、私を屋上に誘う。
高所恐怖症トレーニング=イチャつく、だ。
つまり、「イチャつこう」と彼に堂々と誘われているわけで……
意味深に、彼の口の端が上がる。
自分でも分かるくらい顔が赤くなった。
表情を見られないように、プイッと横を向く私に、彼が声を立てて笑う。
私から読みかけの本を取り上げると、腕を引っ張ってソファーから立ち上らせた。
フワッとタバコの匂いに混じって、彼の香りがする。
妙な緊張感が身体に広がった。
先日は、彼に胸を触られた。今夜は何をされるのだろう?
回数を重ねるごとに、際どさを増している。
胸に感じた彼の手を思い出す度に、胸の鼓動が早まって――
この胸の鼓動は何だろう? 期待感? それとも……
私の手を引く、彼の手を見つめた。
「何を考えてる?」
エレベーターの前で立ち止まる彼に、私は顔を上げる。
「別に何も?」
白々しく答えたけれど、いやらしいことを考えていたことが、顔に漏れていたのかもしれない。
彼が吟味するように、私をじっと見つめる。
彼の指が私の顎を上に向け、彼の顔が近付いてきた、
「まだ屋上じゃな――」
黙らせるように、彼の唇が私の唇に触れたとき。
そのタイミングで、チーンと音がしてエレベーターの扉が開き、私と彼は即座に離れた。
ワンルームマンションなのに、どこから出てきたのか大学生の団体がゾロゾロと降りてくる。
喋りながら、時間をかけてノロノロと。
大学生の団体がようやく降りて、私と彼がエレベーターに乗り、彼が最上階のボタンを押すと、「乗りますっ」とこれまた大学生っぽいカップルが駆け込んでくる。
キスを寸止めされ、まだその熱が疼く私は、延々とお預けにされるもどかしさにため息をついた。
大学生のカップルが屋上の手前でようやく降りる。
超スローモーションで扉が完全に閉まるのも待たず、彼が私を抱き寄せて唇を奪った。
「やっと続きができた」
激しいキスの合間に、彼が悩ましげに囁く。
ほどなくして、屋上についたことを知らせるチーンという音に、私の気が逸れた。
「まだだ」
ドアが開いたのに、彼がさらにキスを深める。
高さを感じさせる外の雑音が耳に入り、ギュッと目を閉じた時――
瞼にそっとキスをすると、彼は目を閉じたままの私の腰に手を回して、エレベーターを出た。
屋上のドアを開けると、夏の香りを運ぶ風に包まれる。
うっすらと目を開けると、いつものベンチとテーブルは消えていて、代わりに座り心地の良さそうな茶色の屋外ソファーとコーヒーテーブルが置かれていた。
「買い換えたんだ」
ワインとグラスをテーブルに置くと、固まって立ち尽くす私の手を引いて、彼の横に座らせる。
「そんな勝手なこと、許されるの?」
布っぽいのに、冷んやりして気持ちいいソファーの素材を手で撫でた。
リゾートホテルみたいで楽しめるけど、彼はまるで屋上を私物化している。
赤ワインを注いで、彼が私にワインを渡す。
「言ってなかったか? 俺がこのマンションのオーナーなんだ」
「あ、それで……そうだったんだ」と 他の人間が入ってこない屋上に、今更ながら納得した。
元彼が御曹司でなくて、親友が大企業の跡取りじゃなかったら、彼のハイスペックさに怖気付いているところだった、と冷静に思う。
「この屋上から見える夜景が気に入って、購入したんだ」
彼はまるで高い買い物らしくない言い方をする。
恐る恐る点々と光る夜景を見ると、思ったより動じない自分に気づいた。
不純な動機で始めたトレーニングだけど、効果はあるらしい。
彼にしがみつかずに、ワインも飲めるようになったし。
「そう言えば、SF小説を読んでいたな。ああいうのは、よく読むのか?」
私の肩近くの背もたれに腕を回しながら、彼が聞いた。
「たまに、巧に勧められて」
答えた途端、私は後悔した。
巧の名前を出すのじゃなかった。
彼の表情が固くなり、彼の腕が離れる。
「……へえ」
間があった後、彼が返事をした。
焼肉事件の後、暗黙了解のように、私と彼は巧のことを話さない。
話すと、巧に会うなと言われそうなのが、怖い。
巧の元カノとの経験から、彼の理解を得るのが容易ではないのは、十分分かっている。
彼が考え事をするように、無言で遠くを眺めていた。
落ち着かない私の胸が、さらにざわめいた。
「何を考えてるの?」
おどけて聞いてみた。
彼が読めない表情で、私を見つめる。
「……君を閉じ込められたら、どんなにいいかって」
闇を秘める彼の目に、私の身体がゾクッとした。
「……なんてな」
自嘲するような笑みで、彼が付け加える。
真顔に戻ると、私の頰にそっと触れた。
優しく始まったキスが、熱を帯びていく。
彼の唇が貪欲に私の唇を貪った。
それでも足りずに、彼が邪魔なワイングラスを私の手から取り上げる。
テーブルに置くと、私の身体を彼の身体に押し付けた。
Tシャツの中に入ってくる彼の手――
一気に緊張感が高まり、私の意識が彼の手に集中する。
この前は、胸を服の上から触られ、驚いてビクッと反応した私に、彼はそれ以上のことはしなかった。
でも今夜は――ブラジャーに触れるギリギリのラインで、彼の手が止まる。
唇が離れ、髪が少し乱れた彼が、私の瞳を見つめた。
乞うように――
ジワっと奥底が熱くなる。
思いのまま触られ、彼に溺れたい衝動に駆られた。
でも――何か胸のつかえのようなものが、その衝動を抑える。
こんなに求められているのに、初めてでもないのに、拒む私はどこかおかしいのだろうか?
「もう……戻ろっか」
押しのけるように、彼の胸に手を置いた。
私の素の声が、その場を冷めさせる。
彼が私から離れ、辛そうなため息を漏らした。
「ごめん……」
「いや……」
彼が髪をかき上げる。
立ち上がると、私に手を貸した。
「一服するから、先に戻ってくれないか」
エレベーターまで私を送ると、彼がポケットからタバコを取り出す。
ドアが閉まり始めると、私に背を向け、屋上に戻って行った。
その夜、彼は遅くまで戻ってこなかった。
その間起こったことを手短に言うと、まず二次面接には受からなかった。
そして、私はまだ彼のマンションに身を置き、巧とも今まで通りの付き合いが続いている。
巧は焼肉屋では対立したのにも関わらず、藤原晃成が取った態度に寛容だ。自分も元カノ達に私との関係を疑われたから、きっと藤原晃成に理解があるのだろう。
変わったことと言えば、夏になってリクルートスーツが容赦なく暑苦しくなったこと、藤原晃成が仕事の合間を縫って、私を食事に誘ったり、週末にデートにも出かけるようになったことだ。
高所恐怖症トレーニングと称した、屋上でのデートも続けていて――
明日、お盆で帰省するという真夏の夜のことだった。
「高所恐怖症トレーニングをしよう」
帰宅して、シャツとハーフパンツというラフな服に着替えた彼が、ワインとワイングラス二つを抱え、私を屋上に誘う。
高所恐怖症トレーニング=イチャつく、だ。
つまり、「イチャつこう」と彼に堂々と誘われているわけで……
意味深に、彼の口の端が上がる。
自分でも分かるくらい顔が赤くなった。
表情を見られないように、プイッと横を向く私に、彼が声を立てて笑う。
私から読みかけの本を取り上げると、腕を引っ張ってソファーから立ち上らせた。
フワッとタバコの匂いに混じって、彼の香りがする。
妙な緊張感が身体に広がった。
先日は、彼に胸を触られた。今夜は何をされるのだろう?
回数を重ねるごとに、際どさを増している。
胸に感じた彼の手を思い出す度に、胸の鼓動が早まって――
この胸の鼓動は何だろう? 期待感? それとも……
私の手を引く、彼の手を見つめた。
「何を考えてる?」
エレベーターの前で立ち止まる彼に、私は顔を上げる。
「別に何も?」
白々しく答えたけれど、いやらしいことを考えていたことが、顔に漏れていたのかもしれない。
彼が吟味するように、私をじっと見つめる。
彼の指が私の顎を上に向け、彼の顔が近付いてきた、
「まだ屋上じゃな――」
黙らせるように、彼の唇が私の唇に触れたとき。
そのタイミングで、チーンと音がしてエレベーターの扉が開き、私と彼は即座に離れた。
ワンルームマンションなのに、どこから出てきたのか大学生の団体がゾロゾロと降りてくる。
喋りながら、時間をかけてノロノロと。
大学生の団体がようやく降りて、私と彼がエレベーターに乗り、彼が最上階のボタンを押すと、「乗りますっ」とこれまた大学生っぽいカップルが駆け込んでくる。
キスを寸止めされ、まだその熱が疼く私は、延々とお預けにされるもどかしさにため息をついた。
大学生のカップルが屋上の手前でようやく降りる。
超スローモーションで扉が完全に閉まるのも待たず、彼が私を抱き寄せて唇を奪った。
「やっと続きができた」
激しいキスの合間に、彼が悩ましげに囁く。
ほどなくして、屋上についたことを知らせるチーンという音に、私の気が逸れた。
「まだだ」
ドアが開いたのに、彼がさらにキスを深める。
高さを感じさせる外の雑音が耳に入り、ギュッと目を閉じた時――
瞼にそっとキスをすると、彼は目を閉じたままの私の腰に手を回して、エレベーターを出た。
屋上のドアを開けると、夏の香りを運ぶ風に包まれる。
うっすらと目を開けると、いつものベンチとテーブルは消えていて、代わりに座り心地の良さそうな茶色の屋外ソファーとコーヒーテーブルが置かれていた。
「買い換えたんだ」
ワインとグラスをテーブルに置くと、固まって立ち尽くす私の手を引いて、彼の横に座らせる。
「そんな勝手なこと、許されるの?」
布っぽいのに、冷んやりして気持ちいいソファーの素材を手で撫でた。
リゾートホテルみたいで楽しめるけど、彼はまるで屋上を私物化している。
赤ワインを注いで、彼が私にワインを渡す。
「言ってなかったか? 俺がこのマンションのオーナーなんだ」
「あ、それで……そうだったんだ」と 他の人間が入ってこない屋上に、今更ながら納得した。
元彼が御曹司でなくて、親友が大企業の跡取りじゃなかったら、彼のハイスペックさに怖気付いているところだった、と冷静に思う。
「この屋上から見える夜景が気に入って、購入したんだ」
彼はまるで高い買い物らしくない言い方をする。
恐る恐る点々と光る夜景を見ると、思ったより動じない自分に気づいた。
不純な動機で始めたトレーニングだけど、効果はあるらしい。
彼にしがみつかずに、ワインも飲めるようになったし。
「そう言えば、SF小説を読んでいたな。ああいうのは、よく読むのか?」
私の肩近くの背もたれに腕を回しながら、彼が聞いた。
「たまに、巧に勧められて」
答えた途端、私は後悔した。
巧の名前を出すのじゃなかった。
彼の表情が固くなり、彼の腕が離れる。
「……へえ」
間があった後、彼が返事をした。
焼肉事件の後、暗黙了解のように、私と彼は巧のことを話さない。
話すと、巧に会うなと言われそうなのが、怖い。
巧の元カノとの経験から、彼の理解を得るのが容易ではないのは、十分分かっている。
彼が考え事をするように、無言で遠くを眺めていた。
落ち着かない私の胸が、さらにざわめいた。
「何を考えてるの?」
おどけて聞いてみた。
彼が読めない表情で、私を見つめる。
「……君を閉じ込められたら、どんなにいいかって」
闇を秘める彼の目に、私の身体がゾクッとした。
「……なんてな」
自嘲するような笑みで、彼が付け加える。
真顔に戻ると、私の頰にそっと触れた。
優しく始まったキスが、熱を帯びていく。
彼の唇が貪欲に私の唇を貪った。
それでも足りずに、彼が邪魔なワイングラスを私の手から取り上げる。
テーブルに置くと、私の身体を彼の身体に押し付けた。
Tシャツの中に入ってくる彼の手――
一気に緊張感が高まり、私の意識が彼の手に集中する。
この前は、胸を服の上から触られ、驚いてビクッと反応した私に、彼はそれ以上のことはしなかった。
でも今夜は――ブラジャーに触れるギリギリのラインで、彼の手が止まる。
唇が離れ、髪が少し乱れた彼が、私の瞳を見つめた。
乞うように――
ジワっと奥底が熱くなる。
思いのまま触られ、彼に溺れたい衝動に駆られた。
でも――何か胸のつかえのようなものが、その衝動を抑える。
こんなに求められているのに、初めてでもないのに、拒む私はどこかおかしいのだろうか?
「もう……戻ろっか」
押しのけるように、彼の胸に手を置いた。
私の素の声が、その場を冷めさせる。
彼が私から離れ、辛そうなため息を漏らした。
「ごめん……」
「いや……」
彼が髪をかき上げる。
立ち上がると、私に手を貸した。
「一服するから、先に戻ってくれないか」
エレベーターまで私を送ると、彼がポケットからタバコを取り出す。
ドアが閉まり始めると、私に背を向け、屋上に戻って行った。
その夜、彼は遅くまで戻ってこなかった。
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