36 / 44
㉛爆笑・石橋あったら?
しおりを挟む
石橋を叩いて渡る=頑丈な石の橋を叩いて確認しながら渡ると言うことから、注意に注意を重ねて、とても慎重に物事を行なうこと。
「石橋あったらどうする?」
それはサブスクで見ていたドラマの夫婦の話。
梨乃はふっと夫に問いかけた。
「昔ね。母がお姉ちゃんの事を”石橋があったら、叩いて叩いて何回も何回も叩いた挙句、渡るのを止めちゃう子って言ってたの」
「あはは。莉子ちゃんだよね。凄く分かる」
総一郎は笑いながら言うとそれでねっと梨乃は夫に再び口を開いて話し出す。
「私は石橋があったら、叩かずに飛び越えちゃうんだって。好奇心旺盛で、叩いて渡るのがもどかしくて。危ないか危なくないか分らないなら飛び越えちゃえばいいじゃんって」
「分かる。危ない所は最低限の回避はしつつも、突き進むもんね」
総一郎はそう言うとそれでっと、梨乃は顔を傾げる。
「総一郎は石橋があったら、どうするの?」
「俺?うーん。石橋があったら、ぶっ壊して、再建設してから渡るかな」
「あはははははは。何それ」
「だって、叩いて確認しなきゃいけないほどの橋なんでしょう?」
「そう」
「そんな危ないものは渡るものじゃないし。放置して、全ての人間が渡るべきじゃないだろう?」
「確かに」
梨乃は一笑いすると、ドラマを眺める。
夫婦は一つを半分にするのではなく、二つで一つの夫婦にするというものだ。
日本では夫婦ぜんざいがあるように。
一つの物を分けて夫婦とする感覚があるが、オランダのように足し算で大きくなるという感覚でいたいなと思いつつ。
***
小学校保健室の中学受験組の集団に問いかける。
「石橋あったらどうする?」
梨乃は子供達に問いかけた。
「泳いで渡る!」
「とりあえず、渡ってみる。橋も耐久年数あるし、危ないやつとかないやろ」
「あー。それ、言えてる」
子供達は口々に言いだす。
「泳いで渡るのもいいね。うんうん。確かに、日本の橋は安全だよね」
梨乃は全ての回答を拾いながら相槌を打ち、子供達の新鮮な回答を聞いた後で職員室に行くと。
「石橋があったらかぁ。危なそうなら、とりあえず保険に入る。傷病保険と生命保険。その上で渡る」
どす黒い現実的な回答をするのは教頭先生。
「豪遊してから俺は渡るな」
どや顔で言うのは教務主任。
おいおい。
おっさん二人。
ケガすること、他界すること前提で話すな。
梨乃は無言で大笑いをした。
「石橋あったらどうする?」
それはサブスクで見ていたドラマの夫婦の話。
梨乃はふっと夫に問いかけた。
「昔ね。母がお姉ちゃんの事を”石橋があったら、叩いて叩いて何回も何回も叩いた挙句、渡るのを止めちゃう子って言ってたの」
「あはは。莉子ちゃんだよね。凄く分かる」
総一郎は笑いながら言うとそれでねっと梨乃は夫に再び口を開いて話し出す。
「私は石橋があったら、叩かずに飛び越えちゃうんだって。好奇心旺盛で、叩いて渡るのがもどかしくて。危ないか危なくないか分らないなら飛び越えちゃえばいいじゃんって」
「分かる。危ない所は最低限の回避はしつつも、突き進むもんね」
総一郎はそう言うとそれでっと、梨乃は顔を傾げる。
「総一郎は石橋があったら、どうするの?」
「俺?うーん。石橋があったら、ぶっ壊して、再建設してから渡るかな」
「あはははははは。何それ」
「だって、叩いて確認しなきゃいけないほどの橋なんでしょう?」
「そう」
「そんな危ないものは渡るものじゃないし。放置して、全ての人間が渡るべきじゃないだろう?」
「確かに」
梨乃は一笑いすると、ドラマを眺める。
夫婦は一つを半分にするのではなく、二つで一つの夫婦にするというものだ。
日本では夫婦ぜんざいがあるように。
一つの物を分けて夫婦とする感覚があるが、オランダのように足し算で大きくなるという感覚でいたいなと思いつつ。
***
小学校保健室の中学受験組の集団に問いかける。
「石橋あったらどうする?」
梨乃は子供達に問いかけた。
「泳いで渡る!」
「とりあえず、渡ってみる。橋も耐久年数あるし、危ないやつとかないやろ」
「あー。それ、言えてる」
子供達は口々に言いだす。
「泳いで渡るのもいいね。うんうん。確かに、日本の橋は安全だよね」
梨乃は全ての回答を拾いながら相槌を打ち、子供達の新鮮な回答を聞いた後で職員室に行くと。
「石橋があったらかぁ。危なそうなら、とりあえず保険に入る。傷病保険と生命保険。その上で渡る」
どす黒い現実的な回答をするのは教頭先生。
「豪遊してから俺は渡るな」
どや顔で言うのは教務主任。
おいおい。
おっさん二人。
ケガすること、他界すること前提で話すな。
梨乃は無言で大笑いをした。
0
お気に入りに追加
12
あなたにおすすめの小説
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
本当にあった怖い話
邪神 白猫
ホラー
リスナーさんや読者の方から聞いた体験談【本当にあった怖い話】を基にして書いたオムニバスになります。
完結としますが、体験談が追加され次第更新します。
LINEオプチャにて、体験談募集中✨
あなたの体験談、投稿してみませんか?
投稿された体験談は、YouTubeにて朗読させて頂く場合があります。
【邪神白猫】で検索してみてね🐱
↓YouTubeにて、朗読中(コピペで飛んでください)
https://youtube.com/@yuachanRio
※登場する施設名や人物名などは全て架空です。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる