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第76話マリア救出編⑮
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「うまくいったな。ノエルが言ったこと信じてたし、あとはマリアの居場所さえ分かれば」
ノ―ムがノエルの肩の上で話す。
「油断は禁物。グレイ大隊長は単純だけど、クール連隊長は一筋縄にいかないから。ノ―ムも姿を見破られないように注意して」
「わかってるって」
「さあ、マリアがどこにいるか調べよう」
ノエルは小声でささやきながら通路を足早に進んだ。
「バーリー中隊長! ご無事でしたか!」
訓練の手を止め、弓兵部隊の兵士たちがノエルの周りに集まった。
「心配かけてすまない。見ての通りピンピンしてる。任務明けで早速訓練とは熱心だな」
「いえ。自分たちが弱いばかりに、中隊長を……申し訳ありませんでした」
副長が泣きながら頭を下げた。
「副長のせいじゃないさ。もちろんお前たちのせいでもない。任務遂行は最優先事項だ。気にするな」
ノエルの優しい一言に、隊員たちが涙を流す。
「中隊長、さぞお疲れでしょう。ゆっくりお休みください」
「ああ、そうさせてもらうよ。ところで副長、マリア・バンフォードはどうなった?」
「たしか、ウォルター中隊長が収容所へ搬送したはずです」
「そうか。それだけ気になってね。任務は無事成功というわけだな」
「はい。バーリー中隊長が襲撃を防がれたお陰です!」
兵士たちからノエルを称賛する声が上がった。
「ははは。担ぎ過ぎだぞ。私をおだてても酒くらいしかおごってやれないぞ」
ノエルは笑いながら手を振り、訓練場をあとにした。
「ノ―ム、聞いてた?」
「おうよ! ばっちりな」
「ノ―ムはハルトたちに知らせて。私はマリアが収容所のどこにいるか調べるから」
「任せたぜ!」
ノ―ムが勢いよく飛び立った。
ノ―ムと別れたノエルは収容所へ足を運んだ。収容所は高さ3メートルの外壁で周囲を囲まれており、等間隔に設置された見張り台に常駐する兵士が、交代で24時間監視をしている。
(マリアの居場所が分かったとしても、この警備体制をかいくぐって脱出するのは至難の業だな……)
ノエルが収容所の警備をさりげなく確認しながら進んでいく。ノエルは兵士に案内されて施設内に足を踏み入れた。
しばらくして、髪を短く刈り上げた大柄な男がやってきた。
「初めまして。所長のトーマス・ジャクソンです」
男は気さくな態度でノエルにあいさつした。
「王国騎士団第4連隊グレイ大隊所属のノエル・バーリーです」
「バーリー中隊長殿、今日はどういったご用件で?」
ノエルの着けている腕章を確認したトーマスが笑顔で尋ねる。
「ウォルター中隊長が搬送したマリア・バンフォードの様態を確認したいのですが」
「面談を希望されるということでしょうか?」
「いえ、ほんの少し様子を見たいだけです。彼女が暴れたとき、私が取り押さえたのですが少々無茶をしてしまったもので」
「なるほど、そういうことですか。では、部下に案内させましょう」
トーマスはすぐに快諾し、ノエルを案内するよう部下に指示を出した。
(意外だな。断られると思ったが。これでマリアの収容されている房を確認できる)
ノエルは案内する兵士のあとについて歩き始めた。
ノ―ムがノエルの肩の上で話す。
「油断は禁物。グレイ大隊長は単純だけど、クール連隊長は一筋縄にいかないから。ノ―ムも姿を見破られないように注意して」
「わかってるって」
「さあ、マリアがどこにいるか調べよう」
ノエルは小声でささやきながら通路を足早に進んだ。
「バーリー中隊長! ご無事でしたか!」
訓練の手を止め、弓兵部隊の兵士たちがノエルの周りに集まった。
「心配かけてすまない。見ての通りピンピンしてる。任務明けで早速訓練とは熱心だな」
「いえ。自分たちが弱いばかりに、中隊長を……申し訳ありませんでした」
副長が泣きながら頭を下げた。
「副長のせいじゃないさ。もちろんお前たちのせいでもない。任務遂行は最優先事項だ。気にするな」
ノエルの優しい一言に、隊員たちが涙を流す。
「中隊長、さぞお疲れでしょう。ゆっくりお休みください」
「ああ、そうさせてもらうよ。ところで副長、マリア・バンフォードはどうなった?」
「たしか、ウォルター中隊長が収容所へ搬送したはずです」
「そうか。それだけ気になってね。任務は無事成功というわけだな」
「はい。バーリー中隊長が襲撃を防がれたお陰です!」
兵士たちからノエルを称賛する声が上がった。
「ははは。担ぎ過ぎだぞ。私をおだてても酒くらいしかおごってやれないぞ」
ノエルは笑いながら手を振り、訓練場をあとにした。
「ノ―ム、聞いてた?」
「おうよ! ばっちりな」
「ノ―ムはハルトたちに知らせて。私はマリアが収容所のどこにいるか調べるから」
「任せたぜ!」
ノ―ムが勢いよく飛び立った。
ノ―ムと別れたノエルは収容所へ足を運んだ。収容所は高さ3メートルの外壁で周囲を囲まれており、等間隔に設置された見張り台に常駐する兵士が、交代で24時間監視をしている。
(マリアの居場所が分かったとしても、この警備体制をかいくぐって脱出するのは至難の業だな……)
ノエルが収容所の警備をさりげなく確認しながら進んでいく。ノエルは兵士に案内されて施設内に足を踏み入れた。
しばらくして、髪を短く刈り上げた大柄な男がやってきた。
「初めまして。所長のトーマス・ジャクソンです」
男は気さくな態度でノエルにあいさつした。
「王国騎士団第4連隊グレイ大隊所属のノエル・バーリーです」
「バーリー中隊長殿、今日はどういったご用件で?」
ノエルの着けている腕章を確認したトーマスが笑顔で尋ねる。
「ウォルター中隊長が搬送したマリア・バンフォードの様態を確認したいのですが」
「面談を希望されるということでしょうか?」
「いえ、ほんの少し様子を見たいだけです。彼女が暴れたとき、私が取り押さえたのですが少々無茶をしてしまったもので」
「なるほど、そういうことですか。では、部下に案内させましょう」
トーマスはすぐに快諾し、ノエルを案内するよう部下に指示を出した。
(意外だな。断られると思ったが。これでマリアの収容されている房を確認できる)
ノエルは案内する兵士のあとについて歩き始めた。
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