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第22話ランガの森ダンジョン編③
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店の扉が開く。ベックのあとに続いて2人の騎士が入って来た。
「あら、ベック。装備を新調しに来たの? まだ買ったばかりでしょ?」
「いや、俺はこちらの騎士さんを案内して来たんだ。彼女がマリア・バンフォードです」
ベックが2人の騎士にマリアを紹介する。
「ふん、貴様がルドルフで騒がれとる冒険者か」
背が低く太った男性の騎士がマリアを見下す。
「初めまして。我々は王都から来た王国騎士団第4連隊の者です。こちらはアート・ミラー大隊長です。私は、ベネディクタ・フォン・ヘルトリングと申します。ランガの森に大量出現したゴブリン殲滅クエストの件で調査に来ました」
ベネディクタが丁寧な口調で話す。
背中まで伸ばした美しい銀髪の髪、長身で端整な顔立ちの女騎士に、マリアは思わず見とれてしまう。
(うあぁ、すごく綺麗な子。大人っぽく見えるけど、私と同じくらいかな?)
「どうかしましたか?」
ぼんやり自分を見つめるマリアに、ベネディクタが声をかける。
「あ、すみません。初めまして。マリア・バンフォードです」
「たいそうな腕前らしいな。ギルド協会の話だと、ネームドを一人で相手したとか」
ミラーが疑り深い目つきでマリアに顔を近づける。
「えっと……確かに私がネームドと戦いましたが、とどめを刺したのは応援にかけつけたハルト、ここの店主ですよ」
マリアが愛想笑いを浮かべながら後ずさりする。
「いやいや、お前がネームドに致命傷を与えたと聞いている。その実力、いかほどのものか知りたい。お前の力が分かれば、そのネームドの力も分かるというもの。今からヘルトリング中隊長と試合をしてもらう。準備が出来たら、外に出ろ」
ミラーは吐き捨てるように言うと店の外へ出ていった。
「急な話ですみません。ミラー大隊長はあなたの実力を疑っているのです。お手数ですが、準備出来次第よろしくお願いします」
ベネディクタが頭を下げた。
「あなたは、ベネディクタさんはどう思ってるんですか? 私のこと」
「ここに来るまでは、初級冒険者でもネームドと渡り合うことは可能と考えていました。突出した才能を持つ者はいますからね。しかし、今は半信半疑といったところです。あなたは、魔法を使わない剣士です。あなたの体型で剣技のみで戦えるとは到底思えません。実際に戦えば分かることですが。では、外でお待ちしてます」
ベネディクタは静かに語り終えると店をあとにした。
マリアがカウンターにもたれかかり、ため息をつく。
「あら、ベック。装備を新調しに来たの? まだ買ったばかりでしょ?」
「いや、俺はこちらの騎士さんを案内して来たんだ。彼女がマリア・バンフォードです」
ベックが2人の騎士にマリアを紹介する。
「ふん、貴様がルドルフで騒がれとる冒険者か」
背が低く太った男性の騎士がマリアを見下す。
「初めまして。我々は王都から来た王国騎士団第4連隊の者です。こちらはアート・ミラー大隊長です。私は、ベネディクタ・フォン・ヘルトリングと申します。ランガの森に大量出現したゴブリン殲滅クエストの件で調査に来ました」
ベネディクタが丁寧な口調で話す。
背中まで伸ばした美しい銀髪の髪、長身で端整な顔立ちの女騎士に、マリアは思わず見とれてしまう。
(うあぁ、すごく綺麗な子。大人っぽく見えるけど、私と同じくらいかな?)
「どうかしましたか?」
ぼんやり自分を見つめるマリアに、ベネディクタが声をかける。
「あ、すみません。初めまして。マリア・バンフォードです」
「たいそうな腕前らしいな。ギルド協会の話だと、ネームドを一人で相手したとか」
ミラーが疑り深い目つきでマリアに顔を近づける。
「えっと……確かに私がネームドと戦いましたが、とどめを刺したのは応援にかけつけたハルト、ここの店主ですよ」
マリアが愛想笑いを浮かべながら後ずさりする。
「いやいや、お前がネームドに致命傷を与えたと聞いている。その実力、いかほどのものか知りたい。お前の力が分かれば、そのネームドの力も分かるというもの。今からヘルトリング中隊長と試合をしてもらう。準備が出来たら、外に出ろ」
ミラーは吐き捨てるように言うと店の外へ出ていった。
「急な話ですみません。ミラー大隊長はあなたの実力を疑っているのです。お手数ですが、準備出来次第よろしくお願いします」
ベネディクタが頭を下げた。
「あなたは、ベネディクタさんはどう思ってるんですか? 私のこと」
「ここに来るまでは、初級冒険者でもネームドと渡り合うことは可能と考えていました。突出した才能を持つ者はいますからね。しかし、今は半信半疑といったところです。あなたは、魔法を使わない剣士です。あなたの体型で剣技のみで戦えるとは到底思えません。実際に戦えば分かることですが。では、外でお待ちしてます」
ベネディクタは静かに語り終えると店をあとにした。
マリアがカウンターにもたれかかり、ため息をつく。
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