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建策
第48話 建策
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「まず最初に、なんであんたが私の番号を知ってるのか答えなさい」
八街区郊外のファミリーレストラン『アクィラ』まで夜遅くにはるばる呼び出され不機嫌な荻嶋希美代は、席に着くなりひどい渋面で伊緒に詰め寄った。
「あ、うん、いや…… 実は前にシリルから聞いていて。その…… 勝手に電話してご、ごめんなさい」
希美代には無駄な抵抗すらせず、しおらしく頭を下げる伊緒が不思議だった。それを含めいつもの伊緒とはどこかしらまるで別人のように希美代には見える。よくよく見ればやつれて深い苦悩に満ちた顔つきだ。驚いた希美代の言葉には少し気遣わし気な声色が混じった。
「何かあった? もしかしてシリルの事?」
「え? わかるの?」
「あなた、いつだって頭の中は彼女のことでいっぱいじゃない。すぐに分る。それで、深刻なの?」
「シリルが…… シリルが廃棄処分されるって……」
「どういうことよそれっ!」
目を真っ赤にして今にも泣き出しそうな伊緒に希美代も驚きの声を上げ身を乗り出した。
伊緒は出来る限り希美代にもわかる通り説明をする。伊緒はもうその必要はないと感じていたが、一応はシリルに心がある事は伏せておいた。
すっかり冷めてふやけたリゾットを突きまわしながら希美代はひと通りの経緯を飲み込んだ。それだけでもう伊緒は憔悴しきってうな垂れている。活力に満ちたいつもの姿とはまるで別人に見える。
「まずはあなたも何か食べなさい。その間私も考えてみるから」
「食べるなんて、何も……」
「じゃあたしが勝手に頼むから。見てらんない。私の言う通り食べなさい」
オーダータブレットを手にすると何やらやたらと注文し始める。
「あの…… あたしほんとにそれどころじゃ……」
「何言ってるの弱気なのね。しっかり食べてお腹に力を入れなくちゃ何もできないわよ」
「え、うん。確かにそうなんだろうけど」
まるでもう全てが終わったかのようなありさまですっかり打ちひしがれている伊緒の姿に、希美代は苛立ちを隠しきれない。もし私が伊緒の立場だったら絶対に、絶対に、と伊緒の不甲斐なさに腹が立つ。
ばんっ、とテーブルを叩くと思わず語気も強くなる。
「あのね! あんたがそんなんでどうすんのよ一体っ! いい? シリルを守れるのはあんたしかいないのっ! この世界でただ一人、島谷伊緒しか! 分かってんのっ?」
俯いていた伊緒がはっとして面を上げる。
「そのあんたがこんな青菜に塩でどうするのよ! どうせここんところくに食べてないんでしょ。体重とお財布の事は気にしないでいいからしっかり食べて胆力つけなさいっ! いい? そして絶対なんとかしましょ」
「う、うんっ」
希美代にに向けられた伊緒の目に少し光が灯る。
そしてシュリンプサラダ、、アンチョビドリア、カニクリームスープパスタ、ハンバーグ&チキンステーキ合い乗せと中ライスにアイスケーキがテーブルに並ぶ。
「さ、さすがにこれは…」
唖然として料理と希美代の間を視線が往復する伊緒。それにはまるで関心がない様子で少し上の空の希美代はリゾットを突きながら、
「意外と食べられるものよ、こういう時って。冷めたらまずくなるんだから四の五の言わずにさっさと食べなさいよ」
「い、いただきます」
サラダから食べ始めた伊緒だが、食べ進めるうちに身体が食を欲していた事に気付く。もくもく、もくもく、と食べ進めるうちに自分が尋常ではなく空腹である事に気付いた。それはそうだ、昨日公園でシリルと話して以来ほぼ丸一日、水分も含め何も摂っていなかったのだ。気付くとがつがつと食べている自分に驚く。
黙って伊緒の食べっぷりを眺めながら希美代は少し安堵して微笑んだ。
伊緒が食事をしている間、希美代の頭にはすぐにいくつかの方法が頭に浮かんでは消えていく。
未成年で有資格者ではない伊緒にはシリルの所有者になる事はできない。脳機能のバックアップを取るのが一番スマートな方法だろう。しかしさすがの希美代でもそんな設備も金もない。単純な方法としてシリルを匿った場合、すぐに位置情報が割れて捕まるので論外だ。さらには大きな罪に問われかねない。となると残された方法は一つ。しかしそれにはかなりのリスクがある。成功する可能性も低い上に危険を伴う。しかもこの方法だって匿うよりずっと軽いとは言え十分に犯罪だ。希美代はこの案を採っていいものか思案する。しかし、答えは出ない。
単に時間を潰すだけの理由で希美代は伊緒に話しかけた。
「ねぇなんであんたは私に相談を持ち掛けたの。その…… ひどい事しようとしたのに」
「うん。ひどい事しようとしたのに、こんなに親身になってくれる人、だからかな」
伊緒はパスタをちゅるちゅるっと行儀悪く吸って、涼しい顔で答える。
「ちょっ、からかってるならもう何もしてやらないからっ」
「それに… シリルの事を良く分かってる。色々」
「それは、まあ、家の仕事柄。それに私自身もアンドロイド工学やアンドロイド医学(※)に興味があるから ……でも、色々ってどういう意味よ」
「うん、色々って言えば分かるでしょ。色々」
どこか素知らぬ風で伊緒は答える。先ほどまでとはすっかりかわって表情も血色も伊緒らしくなってきた。
「なによそれ」
「それってつまり」
憮然とする紀美代を前にして、黙々と食べる手を休めて伊緒が真剣な眼差しで希美代を見つめる。
「あたしとおんなじだから…… 同志、ってそういう意味でしょ」
「!」
不意打ちを食らった希美代は言葉が出なかった。
「ふーん」
希美代の動揺に気付いたのか、さっきまでの真剣な顔とは打って変わって、相好を崩す伊緒。
「心外ね。あんたとは全然違うんだから。大体私の――」
「私の誰?」
「――っ!!」
希美代は慌てて口を手で押さえるがもう遅い。またやってしまった。
「ね、 去年の文化祭にきたメイドのジルさんでしょ?」
さっきまでの泣きべそ半分の顔が別人のようにからかい半分になる。これも食事の効果なのか。
「ジルが何だって言う質問の意図が分からない。だから答えない。ねえ何にやにやしてるのさっさと食べなさいよ! それに私が考える邪魔もしないで!」
「はーい」
自分から話かけておいて邪魔をするなとはないだろう、などと文句の一つも言わず伊緒はハンバーグとチキンとライスに向き合った。
希美代も自分の考えに没頭する。他にいい方法は恐らくない。危険だが唯一の選択肢だろう。あとは希美代が腹を括って決断するだけの話だ。そして伊緒の食事中ずっと希美代は躊躇していた。
「ごちそうさま。ふう、こんなにお腹が減ってただなんて思ってもいなかった。おかげで少し力を取り戻したみたいな感じ。ほんと、あたしが頑張らなくちゃいけないんだよね。ありがとう荻嶋さん。」
こうして伊緒はぺろりと大人二人前以上の料理を平らげた。
「どういたしまして」
希美代はまだ決断できないでいた。
「それで、何か考えは浮かんだ?」
「う…… ううん」
希美代の煮え切らない返事に伊緒も顔を俯け空食器に視線が落ちる。苦笑しながら捨て鉢な事を口にしてしまう。
「そうか…… やっぱり難しいよね…… 昨日からずっと何とかする方法を考えたり調べたりしているんだけれど、全く見当もつかなくてさ。はあ…… もうさ、あたしシリルを連れてどこか逃げちゃおっか、ってくらい思っててさ。どうだろう、それって可能かな」
希美代も考えていた方法の一つを伊緒もまた思いついていた。が、希美代はこの案を検討する以前の段階で排除している。
「矢木澤さんの生存可能性は間違いなくゼロね」
やはり空の食器に目を向ける希美代は乾いた声で答える。
「……そか……」
伊緒も乾いた声で答える。うっすらと自嘲の笑みが浮かぶ。空っぽの食器を眺めながら、今伊緒は己の無力さを噛みしめ味わっていた。
昨年の球技大会で言ったように、希美代にとって伊緒は同志とも言える。同じ境遇の仲間だ。その伊緒が恋人を失うのはあまりにも身につまされる。やはり多少の危険は承知の上で挑戦してみるべきではないか。その思いが希美代の口をおずおずと動かす。
「あの、あのね……」
「うん」
これまでと違う希美代の口調に何かを感じ少し身を乗り出す伊緒。
「手がないわけじゃないんだけど――」
【用語】
※アンドロイド医学:
アンドロイドの設計、生産に関わる技術を「アンドロイド工学」とするなら、「アンドロイド医学」はアンドロイドのメンテナンス、修理、延命、改造に関わる技術を指す。
八街区郊外のファミリーレストラン『アクィラ』まで夜遅くにはるばる呼び出され不機嫌な荻嶋希美代は、席に着くなりひどい渋面で伊緒に詰め寄った。
「あ、うん、いや…… 実は前にシリルから聞いていて。その…… 勝手に電話してご、ごめんなさい」
希美代には無駄な抵抗すらせず、しおらしく頭を下げる伊緒が不思議だった。それを含めいつもの伊緒とはどこかしらまるで別人のように希美代には見える。よくよく見ればやつれて深い苦悩に満ちた顔つきだ。驚いた希美代の言葉には少し気遣わし気な声色が混じった。
「何かあった? もしかしてシリルの事?」
「え? わかるの?」
「あなた、いつだって頭の中は彼女のことでいっぱいじゃない。すぐに分る。それで、深刻なの?」
「シリルが…… シリルが廃棄処分されるって……」
「どういうことよそれっ!」
目を真っ赤にして今にも泣き出しそうな伊緒に希美代も驚きの声を上げ身を乗り出した。
伊緒は出来る限り希美代にもわかる通り説明をする。伊緒はもうその必要はないと感じていたが、一応はシリルに心がある事は伏せておいた。
すっかり冷めてふやけたリゾットを突きまわしながら希美代はひと通りの経緯を飲み込んだ。それだけでもう伊緒は憔悴しきってうな垂れている。活力に満ちたいつもの姿とはまるで別人に見える。
「まずはあなたも何か食べなさい。その間私も考えてみるから」
「食べるなんて、何も……」
「じゃあたしが勝手に頼むから。見てらんない。私の言う通り食べなさい」
オーダータブレットを手にすると何やらやたらと注文し始める。
「あの…… あたしほんとにそれどころじゃ……」
「何言ってるの弱気なのね。しっかり食べてお腹に力を入れなくちゃ何もできないわよ」
「え、うん。確かにそうなんだろうけど」
まるでもう全てが終わったかのようなありさまですっかり打ちひしがれている伊緒の姿に、希美代は苛立ちを隠しきれない。もし私が伊緒の立場だったら絶対に、絶対に、と伊緒の不甲斐なさに腹が立つ。
ばんっ、とテーブルを叩くと思わず語気も強くなる。
「あのね! あんたがそんなんでどうすんのよ一体っ! いい? シリルを守れるのはあんたしかいないのっ! この世界でただ一人、島谷伊緒しか! 分かってんのっ?」
俯いていた伊緒がはっとして面を上げる。
「そのあんたがこんな青菜に塩でどうするのよ! どうせここんところくに食べてないんでしょ。体重とお財布の事は気にしないでいいからしっかり食べて胆力つけなさいっ! いい? そして絶対なんとかしましょ」
「う、うんっ」
希美代にに向けられた伊緒の目に少し光が灯る。
そしてシュリンプサラダ、、アンチョビドリア、カニクリームスープパスタ、ハンバーグ&チキンステーキ合い乗せと中ライスにアイスケーキがテーブルに並ぶ。
「さ、さすがにこれは…」
唖然として料理と希美代の間を視線が往復する伊緒。それにはまるで関心がない様子で少し上の空の希美代はリゾットを突きながら、
「意外と食べられるものよ、こういう時って。冷めたらまずくなるんだから四の五の言わずにさっさと食べなさいよ」
「い、いただきます」
サラダから食べ始めた伊緒だが、食べ進めるうちに身体が食を欲していた事に気付く。もくもく、もくもく、と食べ進めるうちに自分が尋常ではなく空腹である事に気付いた。それはそうだ、昨日公園でシリルと話して以来ほぼ丸一日、水分も含め何も摂っていなかったのだ。気付くとがつがつと食べている自分に驚く。
黙って伊緒の食べっぷりを眺めながら希美代は少し安堵して微笑んだ。
伊緒が食事をしている間、希美代の頭にはすぐにいくつかの方法が頭に浮かんでは消えていく。
未成年で有資格者ではない伊緒にはシリルの所有者になる事はできない。脳機能のバックアップを取るのが一番スマートな方法だろう。しかしさすがの希美代でもそんな設備も金もない。単純な方法としてシリルを匿った場合、すぐに位置情報が割れて捕まるので論外だ。さらには大きな罪に問われかねない。となると残された方法は一つ。しかしそれにはかなりのリスクがある。成功する可能性も低い上に危険を伴う。しかもこの方法だって匿うよりずっと軽いとは言え十分に犯罪だ。希美代はこの案を採っていいものか思案する。しかし、答えは出ない。
単に時間を潰すだけの理由で希美代は伊緒に話しかけた。
「ねぇなんであんたは私に相談を持ち掛けたの。その…… ひどい事しようとしたのに」
「うん。ひどい事しようとしたのに、こんなに親身になってくれる人、だからかな」
伊緒はパスタをちゅるちゅるっと行儀悪く吸って、涼しい顔で答える。
「ちょっ、からかってるならもう何もしてやらないからっ」
「それに… シリルの事を良く分かってる。色々」
「それは、まあ、家の仕事柄。それに私自身もアンドロイド工学やアンドロイド医学(※)に興味があるから ……でも、色々ってどういう意味よ」
「うん、色々って言えば分かるでしょ。色々」
どこか素知らぬ風で伊緒は答える。先ほどまでとはすっかりかわって表情も血色も伊緒らしくなってきた。
「なによそれ」
「それってつまり」
憮然とする紀美代を前にして、黙々と食べる手を休めて伊緒が真剣な眼差しで希美代を見つめる。
「あたしとおんなじだから…… 同志、ってそういう意味でしょ」
「!」
不意打ちを食らった希美代は言葉が出なかった。
「ふーん」
希美代の動揺に気付いたのか、さっきまでの真剣な顔とは打って変わって、相好を崩す伊緒。
「心外ね。あんたとは全然違うんだから。大体私の――」
「私の誰?」
「――っ!!」
希美代は慌てて口を手で押さえるがもう遅い。またやってしまった。
「ね、 去年の文化祭にきたメイドのジルさんでしょ?」
さっきまでの泣きべそ半分の顔が別人のようにからかい半分になる。これも食事の効果なのか。
「ジルが何だって言う質問の意図が分からない。だから答えない。ねえ何にやにやしてるのさっさと食べなさいよ! それに私が考える邪魔もしないで!」
「はーい」
自分から話かけておいて邪魔をするなとはないだろう、などと文句の一つも言わず伊緒はハンバーグとチキンとライスに向き合った。
希美代も自分の考えに没頭する。他にいい方法は恐らくない。危険だが唯一の選択肢だろう。あとは希美代が腹を括って決断するだけの話だ。そして伊緒の食事中ずっと希美代は躊躇していた。
「ごちそうさま。ふう、こんなにお腹が減ってただなんて思ってもいなかった。おかげで少し力を取り戻したみたいな感じ。ほんと、あたしが頑張らなくちゃいけないんだよね。ありがとう荻嶋さん。」
こうして伊緒はぺろりと大人二人前以上の料理を平らげた。
「どういたしまして」
希美代はまだ決断できないでいた。
「それで、何か考えは浮かんだ?」
「う…… ううん」
希美代の煮え切らない返事に伊緒も顔を俯け空食器に視線が落ちる。苦笑しながら捨て鉢な事を口にしてしまう。
「そうか…… やっぱり難しいよね…… 昨日からずっと何とかする方法を考えたり調べたりしているんだけれど、全く見当もつかなくてさ。はあ…… もうさ、あたしシリルを連れてどこか逃げちゃおっか、ってくらい思っててさ。どうだろう、それって可能かな」
希美代も考えていた方法の一つを伊緒もまた思いついていた。が、希美代はこの案を検討する以前の段階で排除している。
「矢木澤さんの生存可能性は間違いなくゼロね」
やはり空の食器に目を向ける希美代は乾いた声で答える。
「……そか……」
伊緒も乾いた声で答える。うっすらと自嘲の笑みが浮かぶ。空っぽの食器を眺めながら、今伊緒は己の無力さを噛みしめ味わっていた。
昨年の球技大会で言ったように、希美代にとって伊緒は同志とも言える。同じ境遇の仲間だ。その伊緒が恋人を失うのはあまりにも身につまされる。やはり多少の危険は承知の上で挑戦してみるべきではないか。その思いが希美代の口をおずおずと動かす。
「あの、あのね……」
「うん」
これまでと違う希美代の口調に何かを感じ少し身を乗り出す伊緒。
「手がないわけじゃないんだけど――」
【用語】
※アンドロイド医学:
アンドロイドの設計、生産に関わる技術を「アンドロイド工学」とするなら、「アンドロイド医学」はアンドロイドのメンテナンス、修理、延命、改造に関わる技術を指す。
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