野獣公爵の執愛

 シーラは十歳年上の兄の友人に片想いをしていた。
 いつか、彼に想いを告げられたら。
 いつか、彼が想いを返してくれたら。
 そんな淡い期待を、シーラは胸に抱き続けた。
 それは、彼と疎遠になってしまっても変わらなかった。

 しかし、とある事情により、シーラはそんな淡い期待を、彼への恋心を、封印しなければならない状況に陥ってしまう。
 シーラは絶望したが、仕方がないと彼への想いを心の奥底に閉じ込めた。
 彼への想いは二度と口にしない。
 そう覚悟したシーラだったが、事態は思ってもみなかった展開を迎え――。

 再会して知る彼の想い。
 明らかになる自分の秘密。
 彼の執着にも似た愛に翻弄されながら、シーラは改めて、彼、そして自分自身と向き合っていくこととなった。
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