上 下
14 / 15

013

しおりを挟む
「はる~」

『なーに?』

「呼んだだけ(笑)」

『なにそれ』
最近は、かなり心を開いてくれるようになって。

『響ちゃん。そればっかり。嫌~』

「えぇ・・・」

「はる~こっちおいでよ。」

『うんっ』
最近では、枢さんや澪くんにも懐いていて、遊ばれてた(苦笑)二人に。

「はる。ここ座って?」

『何するの?』

「いいから、いいから(笑)」

『うん』
何の疑いもなく座るはる。

「はるの髪、綺麗だよね~いぢりたくなるんだ(笑)」
元美容師だけあって、手際よくセットしていく。

「はいっ。出来たよ」

『うわぁ~はるじゃないみたい』

「はるだよ(笑)」

『ありがと。澪くんっ』

「いえいえ。いつでもやってあげるよ。」

『みんなに見せてくるね。』
そういって、行ってしまった。

「・・・行っちゃった」

「そうやって、ポイント稼ごうとするからだよ。ばちがあたったんだって。ばちが(苦笑)」

「ちぇっ。でも、またやってあげよう。何やっても似合うし。やりがいあるんで」

「あ~俺もなんかそういう特技があればな・・・」

「良かった。持っててww」

「はる~?あれ?」

「他のメンバーのとこ行ったよ(笑)」

「ちぇっ、最近皆に慣れちゃって。響ちゃんつまんない(涙)」

「きもっ」

「(笑)」
話していると、メールが来た。

「あ、はるからメールだ」

「なんて?」

「ずるっ・・・朔弥さんとお出かけしてくるだって」

「え~~~~」

「あ、お前らここにいたの?」

「はるが、嬉しそうだったよ。澪があの髪型にしたんだって?」

「はい^^」

「そしたら、朔弥が買い物行こうって言い出して、行っちゃった」

「なんで、もっと早く言ってくれないんすか・・・」

「たまにはいいじゃん。いつも構ってるんだし(笑)」

「かなわないっす・・・・」

「(笑)」

「それにしても、よく喋るようになったし笑うようになったな。」

「えぇ、一時はどうなることかと思ったけど・・・」

「明日。5人同時で休みになったんだけど」

「えっ?」

「珍しいですね。そんなことあんまりないのに。」

「(郁さん、苦労してたけどな・・・)折角だから、はる連れて遊びに行こうよ」

「それいいっすね。」

「はる、いつも仕事で待たせてばっかりだったから喜びますね。帰ってきたら、どこ行きたいか聞きましょ♪」

★★

『皆、何処にいるのかな?』
キョロキョロしてると、朔弥が通りかかった。

『朔弥くん』

「ん?あ、はる。どした?あれ、髪型さっきと違うね」

『澪くんにやってもらったの。』

「さすが、澪だね。可愛いよ」

『ありがとっ。』

「郁にも見せる?」

『うん。澪くんと枢くんと響ちゃんはさっきいたから・・・』

「おっけー(笑)じゃぁ行こっか」
そう言って、社長室に行った。

『なんでここなの??』

「郁さんがいるから」

『??』

「あれ?ここは初めてだった?」

『うん。郁くんがなんでいるの?』

「(苦笑)聞いてみたら?」
そう言って、社長室に入っていった。

「ん?はる?珍しいねこんなとこに来るなんて・・・」

「途中で会ったんで、連れてきました。」

『なんで・・・郁くんがここにいるの?』

「えっ?」

「社長室になんで、郁さんがいるの?ですって。」

「(笑)そっか、知らなかったんだな。はる?俺は、ここの社長だからだよ」

『そうなんだ・・・えらい人なんだね』

「どうだろうね(笑)」

「髪型かわいいね。どうしたの?」

『澪くんにやってもらったの。』

「へ~さすがだね。あっ、いいこと思いついた。はる~散歩いこ?」

『散歩?』

「だって、あいつらがいたら、俺、なかなか絡めないし。お菓子も買いに行こう~」

『うん。行くっ。』
目をキラキラして、言ったんだ。

「気を付けてな。行っておいで。はる、朔弥と少しだけ話があるから、ちょっと待って。」

『はーい。』

「なんですか?」

「たまには、はる連れてどっか行くか・・・」

「郁さん?」

「いつも、オレらのそばにいるけど、はるもやりたいことあるだろうし・・・叶えてあげれたらって思ってさ」

「いいですね。でも、大丈夫なんですか?」

「1日ぐらいなんとかなるだろ?はるがそばにいれば、メンバーも頑張るし(苦笑)何人かは休みだからな(笑)調整はなんとかなるよ」

「(苦笑)たまには、はると遊びましょう。じゃぁ、帰ってきたら相談しますか。」

「だな」
そう言って、郁ははる達と別れ、枢達の所に向かった。

★★

「おしゃれしてみない?」

『なーに?』

「その髪型に合う服、探しに行こうよ」

『散歩じゃないの?』

「(笑)散歩だよ。この近くに、俺の店があるんだ」

『行ってみたいっ』

「おっけ。あんまり時間ないけどね(苦笑)」
そう言って、はるを連れて行った。

「これとか似合いそうだよ」

「これもいいんじゃない?」

『決めれないよ~?』

「じゃぁ、試着してみてよ。」

『分かった。』

数分後、着替えたはるを見て
「うわ~似合うじゃんっ」

『そっかな?』

「これにしよ。ね?」

『うん』

「じゃぁ、着替えてね。」

着替えて、朔弥を少し待ってると
「お待たせ。これ。はいっ」

『これは?』

「これって(笑)さっきの服だよ」

『・・・いいの?』

「もちろん。俺がしたくて買ってあげたの。気にしなくていいよ。」

『ありがとう。』
そういって、微笑んだ、

「どーいたしまして。じゃぁ、お菓子買いに行こうよ。新作出たんだって」

『うんっ。』
仲良く手をつないで歩いた。

『みんなの分買う?』

「良いよ。はるが好きなの選びな?」

『じゃぁ、これがいい。』

「おっけ。」
そう言うと、朔弥もいくつか選んで買いに行った。

「お待たせ。帰ってからみんなで食べよ。」

つかの間の一時だったけど、朔弥はそれだけで良かった。
これから、こういう時間を大事にすればいいんだから。
しおりを挟む

処理中です...