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6日目 彼女ってモテるのかな?って胸がいてぇ!! 

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 僕は思わず何度も瞬きをした。いや、それだけでは収まらない。何度も自分の両の目を擦ってもみた。だが、何度自分の目を疑ってみても、そこに立っていたのは紛れもなく朝にあったあの時の彼女であった。

「生徒会長だったのか。それは——よくモテるんだろうな~」

 自分がこぼした小さな声はその声量とは反比例に僕の胸を強く握りしめた。途端に、息が苦しくなり、上手く酸素を吸い込めなくなる。なぜか、その理由は分からない。彼女はモテるんだろうな、この言葉が僕の頭を何度も無限と思えるほどリピートする。

「私自身、生徒会長という立場を頂いていますが、皆様の中には不相応だとお思いの方もいらっしゃると思います」

それが回るたびにより一層呼吸が荒くなり、気がつけば僕は肩で呼吸をしていた。彼女とは朝初めて会ったばかりで、これまでの人生であった事もない・・・はずだ。なのに、幾度も頭の中で冷静に否定する事実を見つけて突きつけてくる自分がいるにも関わらず、それを落とし込んで納得してくれる気配はなく、呼吸が落ち着くこともない。

「それは——・・・」

頭が激しく殴られる痛みも次第に走り出す。生徒会長のスピーチは一体何を話しているのか、それすらも分からない。声は確かに耳には届いている。だが脳がその伝達を遮っているのかも知れない。いずれにしろ、彼女が話す内容は一切頭に入ってこなかった。

「ぁーぁーぁー」

 ついには呼吸に伴い声にもならない声が出てくる。流石に僕の異常に気が付いたのか、周りの新入生である女子達が僕の身体をゆすり、その様子を尋ねてくる。だが、一向にそれが回復傾向に戻る様子はない。それどころか先ほどまでは正常であった視界もぼやけて見えるようになり、隣で容体を心配してくれている女子生徒の顔すらもはっきり見えなくなる。

 耳元で大きな音が聞こえたような気がした。その声はまるで自分だけ水中にいる感覚に似ている。ちゃんとした音として認識できない。気がつけば僕の視界は真っ黒に染まっていった。瞼が侵入してくる数多の情報からシャットアウトするかのように、自然と目を塞ぐ。そして、僕の身体から支えるための筋肉を使うように命令していた伝令がこと切れ僕の身体はその場で勢いよく倒れた。

途端に上がる悲鳴も僕を起こす目覚まし時計のアラームにはならなかった。
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