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獣軍連邦潜入編
64.シュークリームとタルトケーキ
しおりを挟む彼らのペニスは身体にあった小さなもの……というより体格にあったサイズのもので、私が手で掴むと容易に隠れてしまう。ヒュギル様はすでに半勃ちだったが、フィルジは私に掴まれて、引っ張り出されたのが驚いたのか「ぎゃっ」と悲鳴を上げて逃げてしまった。ベッドを降りて股間を抑えながらぶんぶんと首を横に振っている。
「いやいややっぱり俺無理ですよぉ男と……しかもこんなガチムチと!」
「クーちゃんは男の娘だもの、男でありつつも、こんなにキュートでかわいい幼女だね。ちゃあんと子作りできる穴も見せてもらったのに、信じないなんて、ほんと君は……」
はあっとため息をついているヒュギル様には申し訳ないが、膝立ちだと私が口淫しにくいので立ってもらい、私の肩に片足を乗せてもらった。そして大きさは可愛らしくも、フォルムは凶悪な、大人のおちんぽを眺める。胴回りがふとくて、ズル剥けの亀頭が美味しそうだ。完勃ちしたらこりこりと私の前立腺を潰してくれそうである。
これから私を犯してくれるおちんぽに、ちゅっと口づけを落とすと、私は唇を窄めながらちゅる……っと性器を口に含んだ。
ユストゥスにも、ちゃんとフェラチオのやり方を教えてもらったのだ。きっとご主人様も満足してもらえるはず。くちゅくちゅと唾液を溜めて絡めながら頭を前後に揺さぶり、舌で敏感な裏筋を刺激する。
「っ、は、……クーちゃん幼女なのに淫乱って、すごく、興奮する、ね……っすごい、じょうずー……っ」
「んっ、ン、んんぅ……っ」
私が刺激するのに合わせて、ヒュギル様が気持ちよさそうに腰を振る。ヒュギル様が動きやすいように腰を手で支えると、褒めるように頭を撫でられた。
ああ、嬉しい。もっと撫でて、褒めてくれご主人様。私はできる子なのだ。
「……ど、どうすごいんですかぁ?」
逃げたはずのフィルジがいつの間にかまたベッドに近づいてきて、私がフェラチオをするさまを、息を飲んで眺めていた。
ふふん、これでも私はだいぶ上手くなったのだぞ。もっと近くで見るといい。きっと私とおまんこしたくなるはずだ。
「と、クーちゃ、それ……あー腰にくる……っ」
舌先を出しながらぬろぉ……っと口から引き抜き、先端の溝をなるべく柔らかくちゅぱちゅぱと吸う。ヒュギル様の腰が震えた。私の髪を掴む手に力が篭って少し痛い。眠たげと良く言われる眼差しで、フィルジをそろりと眺めると、彼は呻いて少し身を屈めた。
フィルジの反応に満足して、ヒュギル様にはもっともっと、気持ちよくなってもらおうと、指で陰嚢を揉み、ふと、ドゥシャンにされたように、かぱっと口を開いて、二つの柔らかな袋まで口に含んだ。鼻先をヒュギル様の陰毛がくすぐる。
息を鼻で吸い込めば、雄の匂いに私まで煽られてしまう。ここまで押し込めば、切っ先が軽く喉奥を突く。じわっとあふれ始めた快感に、息を弾ませながら私はきゅっと喉で締め付けた。
「んっ、ん、ン」
気持ちいい?上手だろう、褒めてくれヒュギル様。本当はナカに出してほしいが、ヒュギル様なら口に出してもいい。許せる。さあ早く、出して。
くくぅっと、唇でなぶっている陰嚢が持ち上がり、射精が近づいてきたのがわかった。気持ちよく達してもらえるように、私はくぼくぼと抜き差しを早くする。
「っあ、ちょ、……っと、まっ……待てっ!!」
「んぅ」
額を押されながら制止を言い渡された。しぶしぶ唇から性器を引き抜くその瞬間に、ぢゅっと吸いつくと、それが引き金になったのか、小振りなおちんぽから白濁が溢れ出た。私の額を、鼻筋を、頬を汚していく。
とろりと垂れ落ちてきた精液を舌で舐め取り、口の中で転がす。……あまり口で味わったことがないのだが、獣人も青臭いのは一緒だな。少し獣臭さもあるような気がするが、別に嫌いではない。
「っはあ……はあ……クーちゃん、ステイ。動いちゃだめ、だね」
「はい、ご主人様」
言われて、動きを止めた私の肩から足を下ろすと、ヒュギル様はあっという間に、ベッドから降りて私と距離を取ってしまった。少し呆然とされている。なぜだろうか。
どうでもいいが動くことを許可して欲しい。顔についた精液が垂れてもったいない。
「ヒュギル様!ねえねえどうだったんですかぁ、あいつのフェラ!」
大興奮のフィルジが、ヒュギル様の肩を掴んで揺さぶっている。
「ものっすごく上手だったね……びっくりした。魔肛が名器なのは、悪魔の実の性能だけど、それ以外は魔力増加した普通の単なる人間だね」
「つまり」
ごくっと喉を鳴らしながら質問するフィルジに、ヒュギル様も声を潜めながら、心底悔しそうに答えた。
「クーちゃんは、フェラも名器並みになってるね。……出すつもりなかったのに、搾り取られたね」
「しぼり……」
フィルジが私に視線を向ける。少し考えたが怒られたらまた制止されるだろうと、私は唇を開けて、舌先を見せた。見えない飴玉を転がすように舌を動かせば、赤くなったフィルジの視線が彷徨う。
「……フェラなら、俺、人族の野郎となんかと、セックスしたことにはならないですよねぇ?」
フィルジの出した結論に、ヒュギル様は重々しく真顔のまま首を横に振った。
「フィルジ、それはね。シュークリームのクリームだけを食べることと、一緒だね。タルトケーキのタルト部分を残すぐらいの、許されない所業だね。もしそんなこと言うなら、ボクが君のおちんちん、切り取っちゃうね」
たとえが随分と可愛らしい。獣群連邦では甘味は少ないのだが、軍にいると食べれるのだろうか。別に羨ましくもないが、ベッカーがくれる飴やラムネが思い出されて、少しだけ心が締め付けられた。
しかし大人しくしているのに、ヒュギル様もこちらに戻ってきてくださらない。楽しそうにフィルジと言い合っている。
「なんでそんな俺とそいつを、セックスさせようとするんですかぁ!」
「もちろんクーちゃんのためだね。クーちゃんは、精液が『ごはん』なんだもの、魔肛……おまんこに入れてもらわないと駄目だものね。口だけで終わらそうなんて、ムシが良すぎるね」
「この鬼畜!悪魔!自分だけイッたからって、賢者になっててずるいですよぉ!」
「ちゃんと餌を供給するのも飼い主の役目だね。クーちゃん体格がいいから、本人も気づいてないみたいだけど、少し栄養失調気味だね。おそらく供給者はそばにいるはずだけど、頻繁にはあげられてないとみたね。そうだろうクーちゃん」
「ユストゥスが、私におまんこしてくれている。昼に一度と、夜に二度。たまに、ドゥシャンも」
話の水を向けられたので答えたが、ご主人様はまだ私に近づかない。動きたい。もそもそ身体を揺らしていると、それでようやく気付いたのか、近づいてきてくれた。顔についた精液は、洗浄魔法で綺麗にされてしまう。エリーアス様のように、呪文を唱えることもしない。私はどうしても、一言「洗浄」と告げなければ、綺麗にできないので羨ましい。
ベッドに膝をついたままの私の頭を優しく撫でたヒュギル様は、顔を寄せてくれた。小さな口に舌を押し込むこともできず、優しく唇を舐め、軽く唇を甘噛みする。
「クーちゃん、うつ伏せになって、足を開くね。フィルジがクーちゃんの男の部分が気になるみたいだから、見えないようにしてあげるね」
「はい、ご主人様」
言われた通りにうつ伏せになって、腰を少し持ち上げた状態で足を開いて尻を突き出した。男の部分が嫌と言われたが、どうしたら見えにくくなるだろうか。筋肉が邪魔でこの体勢は苦しいのだが、開いた足の間から手を出し、ペニスと陰嚢を隠すような形で、人差し指と中指で尻のはざまを広げる。
「うん上手。ほらほらフィルジ、クーちゃんのきもちいいおまんこが、おちんちん欲しがってるね。これでいれなきゃ男じゃないね!」
「くっそーその無遠慮な煽りが、腹立ちますねぇ」
笑ったヒュギル様の指が、ずぷっと入ってきた。先ほどのフィストが思い出されて、私は身体を強張らせてしまう。するとヒュギル様は「深呼吸」と言いつつ、わざと音を立てるようにかき回してくる。
「はぁ、すうー……はあ、」
呼吸。深呼吸して、穴を広げておかなくては。……怖い。指を増やされないだろうか、付け根まで押し込まれないだろうか。ぶるぶると震える臀部を、ぺちんと小さな手で軽く叩かれる。
ぐちゅ、ぐちゅ、くち……っ。きゅっと尻穴を窄めると、襞を指で押し広げられて、とろりとした体液が漏れた。私の指のはざまを濡らす感覚がある。
ヒュギル様が小さく笑うと、指をあっさりと引き抜いた。代わりに、尻に伸し掛かられる感触がある。後ろは全然見れないが、私の臀部を広げているのは小さな手で。
「んっ」
ずにゅっと、一気に挿入された。フィルジの性器もヒュギル様同様、私からしてみたら小振りだ。でもだからこそ、スイングするたびに亀頭がふちと、前立腺と、浅いところの気持ちいい部分を擦ってくる。
「ぁ、あっあんっあ!」
「うっ……なんだよこの穴っやばっ……このっ」
もう手で押さえてなくてもよさそうだ。私は手を下ろしてシーツを掴むと、おちんぽを味わうことに専念した。ご主人様が、ヒュギル様が私の頭を撫でてくれて、すんすんと匂いを嗅がれる。……達したはずのヒュギル様の性器が、またむくむくと立ち上がった。
「口は、だめ。情報を吐いて貰わないと困るね。腕上げて欲しいね。……あーいい匂い!」
私が上半身を捩って腕を上げると、あらわになった脇に、ヒュギル様は顔をうずめた。ぺちゃぺちゃと小さな舌で舐められ、嗅がれ、腋毛をしゃぶられる。
確かに私の今の体臭は、男らしさのかけらもないものだが、そこを舐められるという行為は初めてで、動揺してしまう。気持ちいいよりくすぐったい。
「んっ、あんっあ、あ、ふふ、ふっ」
突き上げられているので気持ちはいいのだが、くすぐったさに笑いながら身を捩る。すると振動が伝わるのか、フィルジが呻いた。
「身体起こして、脇締めて。そうそう上手。脇まんこでボクの性器扱いてもらうね」
脇。脇か。どうもヒュギル様は変わった性癖の持ち主らしい。私の身体を起こさせると、ぎゅっと閉じた脇の間に性器を差し込められた。
「わははー、ど、へんたいですよぉひゅぎる、っさま」
「フィルジに喘ぎながら名前呼ばれると、んっさむけが、するね」
「ははは同感ですっんっまじで、このまんこ、すご……っ」
下半身はフィルジに犯され、上半身は脇で性器を扱く。それでいて、2人は和気あいあいと会話をしている。先ほど手でおまんこを開かれたときの方が、よほど緊張していた。私も気持ちいいし楽しくなってきてしまって、彼らが喜ぶように身体を揺らした。
そしてその状態で、全ての情報を教えていた。
自分がリンデンベルガー当主の第13子であること、群青騎士で一輪隊に所属していること。魔肛のこと、専属奴隷のこと、任務のこと。この孤児院に来た経緯。洗いざらいだ。
ジュストに通信魔具が仕込まれていることも話したし、ユストゥスが狼の獣人で、私の狼で、番で、……だ、旦那様であることも、全て話した。
最中、フィルジが私の中に精液を吐き出して、次に私の脇で遊んでいたヒュギル様も、中に入れてくれた。脇で出したかったのではないかと聞けば、私の餌の方が重要だと言ってくれたのだ。優しい。好き。
「狼のユストゥス……んー聞いたことある気がするんだけど、思い出せないね。そしてエリーアス・シュリンゲンジーフのいる隊の隊員か……あの男は、少し面倒だね」
「んんっあ、ぢゅ……っ」
今はヒュギル様の上に、逆向きになるように乗って、性器を舐めて残滓を出してもらっているところである。吸いだすときは気を付けなければ、刺激が強すぎるのは身をもって知っている。体重をかけろというので、潰さない程度に身体を乗せた。
物足りないままちゅぽちゅぽとヒュギル様を味わっていると、舌でへそのあたりを舐められる。くすぐったい。フィルジはちらちらと私の尻を眺めて、意を決したように口を開いた。
「ヒュギル様、元の姿でこいつにハメたいです。このサイズじゃ、全然好きに動かせないですよぉ」
「えー?駄目だね。ボクら今は、れっきとした獣人なんだから。ボクはボクで、この圧死しかける感じ、堪らないんだけどね」
「俺は嫌ですぅ。この肉オナホを、一番いい感じで味わいたい!」
フィルジは私のことを、ひと扱いするのをやめたらしい。男とセックスしているというのが、抵抗感があるそうだ。
私も、ご主人様ならともかく、ただの棒に、どう思われようと気にしない。せいぜい濃厚で、痺れるような精液を出してほしい。その点、精液は申し分なかったので、えーと……あれだ……あの……エリーアス様の性器で型取りした……張り型!そう生肉の張り型と思えば、優秀ではなかろうか。腹を下すこともないし。
そしてその張り型が、何か喚いている。それに苦笑したヒュギル様が、私のわき腹を軽く叩いた。それで合わせて私は身体を起こす。
私にあぐらで座るように言うと、ご主人様は私の膝の上にちょこんと座った。あ、これは楽しい。この腕の中にすっぽりと包む感覚が堪らない。ユストゥスもドゥシャンも、私を膝に乗せるときに、こんな感覚を持ったのだろうか。
伸びた角が、目に当たらないように頭に頬をすり寄せていると、「仕方ないね」とヒュギル様が答えた。
「言った通り、精子に魔力は一切乗せないこと。酷いことはせずに、丁寧に扱うこと。クーちゃんは、ボクの愛玩動物なんだから、当然だね。それから今後の餌やりはフィルジ、お前がちゃんとするんだね」
「餌やりって、毎日そいつのケツマンに、精液注げってことですよねぇやります!スラニー飽きてきたし、どうも同じサイズの獣人とは、ヤる気がしなかったんですよぉ」
喜んでいる張り型に、私も軽く息を吐いた。ヒュギル様の手を取って、ちゅっと甲に口づけを落とす。
「ご主人様は、私とおまんこしてくれないのか」
「可愛いことをいうね、クーちゃん。もちろんするけど、ボクは調べることもある。毎日は来れないね」
残念だ。非常に残念だ。雑な動きをする張り型と比べれば、ご主人様はとても優しいし、上手く私の感じる性感帯を突いてくれる。それに頭を撫でてくれるだけで、心が安らかになるのが嬉しい。大好きだ。
「じゃあさっそく!」
言うが早いか、まるで、絵画にもう一枚絵画を重ねたように、フィルジの姿が切り替わった。
「あ……」
山羊角に長めの黒髪、軽薄そうな釣り目はそのままだが、黒かった虹彩が、赤く縦に割れている。普通の足だったはずの男の足は蹄に成り代わり、尖った尻尾がゆらゆら揺れた。蝙蝠羽は大きくなり、サイズもぐんと大きくなる。私より少し小さいぐらいか。
「ま、ぞく……っご主人様、逃げてくれ。私はあの魔族を殺す」
私は咄嗟に、ご主人様を背に匿うようにして身体で隠し、身体に魔力を漲らせた。魔族、魔族は殺さねばならない。ご主人様を逃がしてから、あの喉を引き裂いてやる。強化、強化……もっとだ、強化。
身体が膨張するのを感じる。殺意を込めた私の前で、その魔族は愚かにも、きょとんと不思議そうな顔で立っていた。今ならやれる。武器は何もないが、最悪抱き着いて、術式を発動させればいい。絶対殺す。
飛び掛かる瞬間を狙っている私の視界を、ヒュギル様が手で塞いだ。
「駄目だねクーちゃん、あれは魔族ではないね。違う。私の部下のフィルジだね」
「でも、……あのすがた、は」
「クーちゃんの勘違いだね。あれは魔族ではない。さあ深呼吸して。3回繰り返したら、少し大きくなっただけの、フィルジが見えるね」
深呼吸を3回繰り返してゆっくりと目を開けば、確かにそこにいたのは、少しサイズが大きくなっただけの張り型だった。今日は疲れているのだろうか。大事なご主人様が魔族ではないかと疑ったし、フィルジまで魔族と疑ってしまった。
無駄に強化してしまった身体から魔力を抜く。打ち消すのにも魔力がいるから、しかたがない。目の前にいる張り型から精液を搾り取ろう。
「フィルジ……すまない。勘違いしたな。さ、おまんこするのだろう?腰振るしか能のなさそうな、お前のおちんぽ出せ」
「なっ……生意気~!お前なんかなぁ、その匂いがなかったら、ヒュギル様のペットになってないんだからなぁ!」
「ご主人様、あれはご主人様の品格を落とす。もっとマシな従者を付けられた方がよいのではないか」
鼻で笑ってやると、きーっと怒る蝙蝠男が面白い。
「クーちゃん、フィルジは単純だから、あまりからかっては駄目だね?」
「承知した、ご主人様」
私は言いつけを守る良い子なのだ。また褒めてほしい。膝立ちでヒュギル様に頭を寄せて甘えていると、話は終わったはずなのに、「これならどうだ」とフィルジが呼ぶので、視線を向けて、固まった。
私の大事なジュストの、狼のぬいぐるみの、首を手で掴んだフィルジが、笑いながらぷらぷらと揺らしていた。ぐぐぐっと力を込められると、柔らかなぬいぐるみがひしゃげてしまい、私は声にならない悲鳴を上げる。ヒュギル様も眉間にしわを寄せた。
「だっだめだ!謝るから、ジュストは返してくれっ!」
「フィルジ、やめなさいね。クーちゃんの大事なものを取るなんて、大人げない」
「そいつが悪いんですよぉ。ほーら、壊されたくなかったら、さっさとうつ伏せになってケツ出しなぁ」
へらへらと笑いながら、ぬいぐるみを揺らす男に、私は心の底から殺意を持った。こいつは殺す。絶対殺す。私の大事なジュストに手を出したのだ。殺す。
「もーあんまり挑発すると、クーちゃん誤爆するかもしれないね。……仕方ない。あまり手をくわえるのは、ボクの主義に反するけどね。クーちゃん、動かないでね」
「ごしゅじ……ぁ、あ、ああああっ!」
私の胸に、ヒュギル様の手がぴたりと添えられた、そう思った瞬間、手のひらが私の胸にめり込んでいた。直に内臓を触られて、びくびくと身体が跳ねる。心臓をなでられる感触に総毛立った。
「ええっとここの回路を、こうして……ったく、ボクが優秀だから解除できるんであって、普通は失敗するねこれ。だから何人も魔族が死んでるのを、フィルジは思い出してほしいね。……はい、出来たね!」
「あざっすヒュギル様ぁ!」
入ってきたとき同様、ずるりと手を引き抜かれる。表面上は何もない。だが私は、胸を押さえて蹲った。思い出したくもない感触に私はご主人様に恐怖を覚えて、その既視感にも怯える。しかし、それも頭を撫でられると収まった。
「頭の方の術式は、単純だからこそ難しいね。こっちはまた、別の機会に外してあげるね、クーちゃん」
「じゃあさっそく、オナホ堪能しますかぁ」
大きくなったフィルジが私にのしかかってくる。そのついでとばかりに、フィルジは、単なる肉棒のくせして、私の、私の大事なジュストを、床に放り投げた。
だらんと床に落ちたジュストに手を伸ばそうとするのに、フィルジが、能無しの張り型が、私の腰を掴んで抜き差しを始めるものだから、少しも掴めない。半分上半身をベッドからずり落とさせながら、私はジュストに手を伸ばす。
……あと少しなのに、その少しが、届かない。そのうちに抜き差しされて、刺激に身体が熱くなってくる。さっきよりも大きな性器が、私の中を蹂躙していく。
「……っあ、あ、……あっあんっあ……っ!」
こんな肉棒程度で声を出したくないのに、素直な私の身体は、嬌声を上げた。片手で口を塞ぎながら、もう片方の手でジュストに手を伸ばす。
指先が床をひっかく。やはり届かない。
私は奥歯を噛み締めると、ひとまず今ジュストを抱き締めることを諦めた。ぐっと拳を握り、意識しながら腰を揺らして、中の棒を締め付ける。早々に終わらせよう。なにやら私をなぶるような言葉が飛んできたが、私は意識から排除した。相手にするだけ無駄だ。
絶対、この男は殺す。そのうちジュストだけではなく、ユストゥスにも、先ほどジュストの首をひしゃげさせたように、手を出すかもしれない。それは私が許さない。床にぺたりと頬をつけたまま、私は気に食わない男との性交を続けた。
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