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◎二年目、一二月の章
■反省しなさい
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夕方になり千石荘に戻ってきた東方旅団の面々は談話室に集まっていた。
「あんたさぁ、いい加減女女女で厄介ごと持ち帰る癖を何とかしなさいよ」
里奈が久遠の右頬を抓り、その反対を頼果が抓る。
「ていうか、あんな可愛い妹がいたんだ。っていうか、どうして寮に連れてきたの?」
その批難の視線を久遠は四人の少女からあらゆる角度で向けられる。
「……また、家出していいかな?」
久遠がぼそりとつぶやくのを伊織が聞き逃さなかった。
「それなら僕もお供してしますよ」
久遠は露骨に顔を引きつらせる。少なくともフォローになっていないのはたしかだった。
「とりあえず収拾くらいつけなさいよね」
それについては女性陣の同意するところであった。
「まさか世里姉までいるとは思わなかった」
一方で玲美は世里と話をしているところであった。
「驚いた?」
「うん。それに私の知ってる世里姉より、もっと綺麗になった」
「あら、ありがとう。玲美ちゃんも大人っぽくなって可愛くなったわ」
「ホント? 世里姉に言われると嬉しいよ」
微笑ましい会話をしているところに当てられて里奈たちも毒気が徐々に抜かれていく。
「……とりあえず今後のことを話しましょうか」
それでも視線はやはり久遠に集中する。
「歌って踊るだけなら学校の体育館を使えばいい。幸い設備もステージもあるからさ」
なるほどと一同は顔を見合わせる。
「いまいちよくわかんないんだけど、楽しいのそれ?」
里奈の率直な感想だった。
「……言われてみたらそうだね。学園祭でパフォーマンスしてくれてたみたいだけど、当日はバタバタしてたから」
久遠も何とも言えないのだという。
「それなら私たちの前でパフォーマンスしてもらうのはどうかな?」
由芽が提案をする。たしかに悪くないと一同も同意するところだった。
「というわけなんだけど、いけるかな玲美?」
「わかった。久瀬先輩に確認してみる」
こうして話はまとまったようにあった。
「あんたさぁ、いい加減女女女で厄介ごと持ち帰る癖を何とかしなさいよ」
里奈が久遠の右頬を抓り、その反対を頼果が抓る。
「ていうか、あんな可愛い妹がいたんだ。っていうか、どうして寮に連れてきたの?」
その批難の視線を久遠は四人の少女からあらゆる角度で向けられる。
「……また、家出していいかな?」
久遠がぼそりとつぶやくのを伊織が聞き逃さなかった。
「それなら僕もお供してしますよ」
久遠は露骨に顔を引きつらせる。少なくともフォローになっていないのはたしかだった。
「とりあえず収拾くらいつけなさいよね」
それについては女性陣の同意するところであった。
「まさか世里姉までいるとは思わなかった」
一方で玲美は世里と話をしているところであった。
「驚いた?」
「うん。それに私の知ってる世里姉より、もっと綺麗になった」
「あら、ありがとう。玲美ちゃんも大人っぽくなって可愛くなったわ」
「ホント? 世里姉に言われると嬉しいよ」
微笑ましい会話をしているところに当てられて里奈たちも毒気が徐々に抜かれていく。
「……とりあえず今後のことを話しましょうか」
それでも視線はやはり久遠に集中する。
「歌って踊るだけなら学校の体育館を使えばいい。幸い設備もステージもあるからさ」
なるほどと一同は顔を見合わせる。
「いまいちよくわかんないんだけど、楽しいのそれ?」
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「……言われてみたらそうだね。学園祭でパフォーマンスしてくれてたみたいだけど、当日はバタバタしてたから」
久遠も何とも言えないのだという。
「それなら私たちの前でパフォーマンスしてもらうのはどうかな?」
由芽が提案をする。たしかに悪くないと一同も同意するところだった。
「というわけなんだけど、いけるかな玲美?」
「わかった。久瀬先輩に確認してみる」
こうして話はまとまったようにあった。
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