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◎二年目、四月の章

■三月の戦士団の実情は散々たるもの

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 由芽から聞かされた三月の戦士団の実情はおおむねメッセージのとおりのである。

 次に訊ねたのは既存のメンバーについてだ。メンバー集めについては新たにリーダーとなった小岩が規則を変えて、入団者は卒業証書をもらった人物に限るを撤廃して優先的に勧誘へと変更した。

 それに加えて翔を中心とした最年長組の脱退が組み合わさって、小岩は早々にクランの戦力増強を図らなくてはいけなかった。

 結果として成長は低調のまま推移している。

「由芽のいまのレベルは?」

「これくらい」

 レベルの頒布はゲーム内でグラフが存在して中央値が示される。

 よって一年目でこのレベルくらいあると望ましいという基準が可視化されているということだ。

 由芽のレベルは一年目の中では低い方だった。

 実はこれがクランの質を示す基準と言われている。

 実際として質の高いクランは入ってきた新人のレベルを中央値以上に引き上げて確実な戦力に育てる。この育成スピードの違いがクランイベントなどで如実に現れるのだ。

 そういう意味で三月の戦士団はダメなクランの典型といえた。

「私以外にも同期は三人いるんだけど、実情は私と一緒」

 由芽はため息をつく。こんなはずではなかったということか。

 配送ロボットがやってきたのはそんなときだった。
 何を頼んだらいいのか迷う由芽を里奈は「私と一緒でいい?」と言って勧めると由芽は嬉しそうに「うん」と答えた。

 かくいう里奈も何を頼んでいいかわからないでいたので、日替わりのオススメメニューにしたのだが。

 こういうところは相変わらずだと里奈は思う。

 運ばれたケーキは自分たちで配膳する。とりあえず由芽にケーキを一口食べるよう勧める。

「おいしい」

 由芽の表情があきらかに明るくなる。昨日の自分を見ているようで里菜は苦笑いするしかなかった。
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