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王都編
0008 ヤヌス王国
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天に届きそうな高さを誇る山脈を背にすることで自然の要塞となる国家「ヤヌス王国」は自然が豊かであり、国土も広く、シエロ国王とサンドラ王妃のもと最も栄えている国家である。
周りにはそれぞれ独立した国家があるが、関税率が高い為、国家間の仲はあまり良くない。特にマイカ帝国とは仲が悪く、数年に一度のペースで戦争が起きている。
桜花達一行は、そんなヤヌス王国に召喚された。
「へぇ~、これが異世界か、」
「まるで、北海道に来たみたいね!」俺達は異世界転移をしたのだから緊張感を持って・・。しかし観光気分を感じずにはいられない。初めて来る所なのだから仕方ない。
「何か解らない事があれば、私たちにお任せください。」
「そうだな、まずは安全確認の為に・・・。」
スマホを取り出した。「あ~、もしもしサリーナ?聞こえてる?うん、こっちも無事に着いた。うん、それじゃ」
「サリーナとも繋がったし、冒険者ギルドに行こうか。」
とは言ったものの、辺り一面が草原・・・ここは一体、どこだ?
ー***-
「お~い、君たち!」俺達が草原のど真ん中で、キョロキョロと辺りを伺っていると傭兵らしき人物が馬に乗ってやって来た。
「君たち、オウカ様のパーティーだね?」傭兵らしき人は焦りを隠さずに聞いてきた。
「はい、そうですが、何か・・・。」
その瞬間、傭兵は跪きながら「申し訳ございません!」
「え?何の事です?」
「先ほど、司祭様に神託が降りまして、召喚場所を間違えたから、迎えに行って欲しいとの事、取り急ぎ私が参った次第です!」
そうだったのか、だからこんな所に居た訳だ。
俺は思いっきり「サリーナのアホー!」と叫ぶと
「そ、そんな女神さまに向かって阿呆とは!」
「大丈夫!俺はサリーナの頭を何回も殴ってるから!」
「え!」
そうこう言っているうちに馬車が迎えに来た。
ー***-
「あの、この馬車は何処に向かっているんです?」と先ほどの傭兵に聞いてみた。
「アハハ、私はアム・ロッシと言います!アムと呼んでください。それに敬語は不要です!」そう言い切るこの傭兵さんの第一印象は小柄・・・。しかしながら、訓練は怠っていないのだろういい体格。優しさが前面に溢れている顔とは不釣り合いなのが面白い。
「そ、そうですか。それじゃ、アム!・・さん。この馬車は何処に向かってるんだ、ですか?」
「この馬車は王宮がある首都コローレに向かっております!国王・王妃様が是非とも勇者様ご一行にお目通りをしたいという事ですので!」
「え?いきなり?と言ってもまだ俺たちのレベルは低いですよ?これから冒険者ギルドに行ってレベル上げをしていかなきゃいけないのに?」
「アッハハ、そんな心配はご無用ですよ!今のところ魔王軍が攻めてくる気配はありませんし、向こう5年は協定によって守られてますから。」
「それじゃ、俺達が呼ばれた訳って?」
「どちらかと言えば魔王より人間の方ですな。マイカ帝国との戦争も近いですし・・・。」
「俺達、魔王軍と戦う為に呼ばれたんですよね?」
「もちろん、そうですぞ!しかし、戦争になった暁にも手を貸して頂きたい!」
「・・・・・」
「オウカ殿、どうかされましたかな?」
「いえ、何もないですよ。早く王様に会いたいものですね。」
周りにはそれぞれ独立した国家があるが、関税率が高い為、国家間の仲はあまり良くない。特にマイカ帝国とは仲が悪く、数年に一度のペースで戦争が起きている。
桜花達一行は、そんなヤヌス王国に召喚された。
「へぇ~、これが異世界か、」
「まるで、北海道に来たみたいね!」俺達は異世界転移をしたのだから緊張感を持って・・。しかし観光気分を感じずにはいられない。初めて来る所なのだから仕方ない。
「何か解らない事があれば、私たちにお任せください。」
「そうだな、まずは安全確認の為に・・・。」
スマホを取り出した。「あ~、もしもしサリーナ?聞こえてる?うん、こっちも無事に着いた。うん、それじゃ」
「サリーナとも繋がったし、冒険者ギルドに行こうか。」
とは言ったものの、辺り一面が草原・・・ここは一体、どこだ?
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「お~い、君たち!」俺達が草原のど真ん中で、キョロキョロと辺りを伺っていると傭兵らしき人物が馬に乗ってやって来た。
「君たち、オウカ様のパーティーだね?」傭兵らしき人は焦りを隠さずに聞いてきた。
「はい、そうですが、何か・・・。」
その瞬間、傭兵は跪きながら「申し訳ございません!」
「え?何の事です?」
「先ほど、司祭様に神託が降りまして、召喚場所を間違えたから、迎えに行って欲しいとの事、取り急ぎ私が参った次第です!」
そうだったのか、だからこんな所に居た訳だ。
俺は思いっきり「サリーナのアホー!」と叫ぶと
「そ、そんな女神さまに向かって阿呆とは!」
「大丈夫!俺はサリーナの頭を何回も殴ってるから!」
「え!」
そうこう言っているうちに馬車が迎えに来た。
ー***-
「あの、この馬車は何処に向かっているんです?」と先ほどの傭兵に聞いてみた。
「アハハ、私はアム・ロッシと言います!アムと呼んでください。それに敬語は不要です!」そう言い切るこの傭兵さんの第一印象は小柄・・・。しかしながら、訓練は怠っていないのだろういい体格。優しさが前面に溢れている顔とは不釣り合いなのが面白い。
「そ、そうですか。それじゃ、アム!・・さん。この馬車は何処に向かってるんだ、ですか?」
「この馬車は王宮がある首都コローレに向かっております!国王・王妃様が是非とも勇者様ご一行にお目通りをしたいという事ですので!」
「え?いきなり?と言ってもまだ俺たちのレベルは低いですよ?これから冒険者ギルドに行ってレベル上げをしていかなきゃいけないのに?」
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「それじゃ、俺達が呼ばれた訳って?」
「どちらかと言えば魔王より人間の方ですな。マイカ帝国との戦争も近いですし・・・。」
「俺達、魔王軍と戦う為に呼ばれたんですよね?」
「もちろん、そうですぞ!しかし、戦争になった暁にも手を貸して頂きたい!」
「・・・・・」
「オウカ殿、どうかされましたかな?」
「いえ、何もないですよ。早く王様に会いたいものですね。」
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