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7. 鍛錬をしたいのですが、よろしいかしら

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 レナータは、火照った顔や気持ちを切り替えようと早速お風呂に入った。湯加減はちょうどよく、危うく湯船で寝てしまう所だった。

 部屋着の着替えも置いてあったのでそれに着替える。着ていた服は、何と風呂場にある樽に入れると、綺麗に洗われて乾くという魔道具が置いてあり、早速使った。初めて見る物に、レナータは驚いた。

(魔術師の宿だから、特別にあるのかしら?それとも、普段から皆これを使っているのかしら?)

 魔道具は貴重であり、何度か使ってしまうと魔力切れで使えなくなってしまうので、前者だろうとレナータは思った。


 ベッドに入ると早い時間ではあったけれど思いのほか疲れていたのかすぐに眠ってしまった。


 翌朝。


 レナータは、まだ日が昇る前に目が覚めた。いつもの時間である。

(どうしよう。ゆっくり寝たから、もう眠くは無いし。体、動かしていいか聞いておけば良かったな…。)

 いつものアリーサと出掛ける事は、疲れさせてしまう為にしたくない。昨日は、日課である鍛錬が出来なかったのもあって、体を動かせれたらいいと思った。
 レナータは、領地では体が鈍らないように小柄なレナータに合った特注の剣を持ち、素振りをしたり、手の空いている人と手合わせをしていた。
バルツァル領では、一通り皆、剣を持ち自衛が出来るように訓練されるから、領地の子供達と手合わせをしたり、警備団の人と手合わせをしたりしていた。

(魔術師団が訓練する、訓練場って使わせてもらう事は出来ないのかなぁ。行って、聞いてみようっと!)

 まだ朝までは時間がある為、レナータは、身支度を整えると、部屋を出た。


 棟を出ると、レオシュがいたのでレナータは駆け寄る。

「レオシュ!おはよう!レオシュも早起きなのね。」

「あ、あぁ…。レナータはどうしたんだい?」

「ええと…あの……あのね、訓練場って、私は使わせてもらう事出来ないかしら?」

 レナータはレオシュに聞こうとしたが、もしかしたら遠慮ないと思われるかと思い始め、少し戸惑った。だが、出来るならしたいという思いが勝り、言葉にした。

「え?うーん、何をするの?もしかして、自主練?」

「そう!昨日、毎日の日課の、鍛錬をしていなかったし…出来ないかなって。でも、やっぱり無理かしら?」

「鍛錬って…レナータは、毎日やっているの?へーすごいね!そこらの令嬢とは違うね!」

「……レオシュ、そういう言い方はやめてほしいわ!女の人をいっぱいご存じなのね!でも私、比べてほしくないわ!」

 レナータは、レオシュの顔を見て話していたのに、レオシュが他の女性と比べるような発言をしてきた為にそっぽを向いて、唇を尖らせた。
 レナータは、なんだか胸がモヤモヤとしたのだ。

(変なの…なんだか、胸がザワザワとするわ。)

 レナータは、なぜそのような気持ちになるのか良く分からなかった。

「ご、ごめん!比べたとかそういうんじゃないんだよ!レナータの事を知れて、俺は嬉しいんだよ?鍛錬がしたいんだね?じゃあ俺と行こう。俺と手合わせする?」

「え?いいの?やった!うん、やりたい!」

「うーん、聞いてた?まぁ、機嫌が直ったならいいか…。」

 レナータは怒っていたのに、レオシュにそう言われ、なんだか嬉しい気持ちになったのだ。
その為、レオシュに聞いてた?と問われても何の事か分からず首を傾げた。
 そんなレナータを見て、苦笑いをしたレオシュだったが、レナータの笑顔を見られたからいいかと納得する。


 レナータはレオシュに連れられ、訓練場へと向かった。





☆★

 一時間ほど、訓練場で鍛錬をした二人は、その階に備えつけられた風呂に入り、汗を流して、食堂へと向かった。
 そこでも、着ていた服を樽に入れ、すぐに綺麗になったのでレナータはホッとした。

(汗をかいたベタベタのままでなんて、恥ずかしいものね。………え?あれ?でも、領地ではベタベタのままでもいつもいたわ。なんで恥ずかしいと思ったんだろう?)

 レナータは、首を傾げながらもレオシュと食堂へ行った。





☆★

 食事を摂った二人は、早速出発しようとアリーサとレオシュが乗る馬を迎えに行ったあと、王宮の門へと向かった。

 門を出ようとすると、正面から入ってくる人物に見覚えがあった。

「あーー!おい!お前!!」

 レナータは、指を差された為に顔を思い切り顰めた。
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