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30. 処遇

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 オスカー様とノラの処遇が決まった。

 二人で、なんと私の実家ビッテンフェルトの領地で働かせるのだそうだ。
寮に入れて集団生活をさせ、重労働な事もバンバンさせるそう。
寮は結構な人数が住んでいる。洗濯だけでもかなりの量になる。料理だってしかり。まぁ、料理はやらせると何を入れられるか分からないから、させないかもしれないけれど。

 斬首が嫌だから、と言った事を考慮したわけでもなく、むしろそれが罰だった方がマシ、と後悔させるほど、うちの実家のしごきは激しいみたい。
私は全くそんな事思わないのだけれど。


『私ね、昔とても仲の良いお友達がいたの。そのお友達は遠くへ行ってしまった。どうにかならないかと魔力石通信を作ったのよ。でも、あまり使ってくれないの。。。それがステイシー、あなたのお母様よ。』
聞けば、私のお母様はビビィ様ととても仲が良かったらしい。けれど、ビビィ様が王妃になり、忙しくなった。ビッテンフェルトも隣国からの侵略で忙しくなり、なかなか魔力石通信を使いこなせなかったとか。

『だから、少しでも接点をと、子供を鍛える為と称して預かってもらったのよ。三ヶ月ほどね。ロイスが七歳の頃かしら。そうしたら、いろんな貴族や他国まで真似するようになったみたいで、申し訳なかったわ。』
そうだったんだ。確かに、いろんな人が来ていたみたい。けれど、うちは受け入れる代わりに特別扱いはしないと一般領民と同じ待遇で、うちの屋敷には泊めず、寮で集団生活をさせていた。
だから私は、どんな人達が来ていたのかは練習に参加しないと分からなかったけれど、ロイス様も来ていたのね。

『でも、それが逆に防衛軍もやる気になったみたいで、いい起爆剤になったと喜んでいたけれどね。』
確かに…お父様もお母様も、しごきは激しかったみたいだものね。まぁそうでもしないと、隣国が攻めて来たときに命を落とされても嫌だからと笑いながらお母様は言っていたわ。

『でも、だからあなたのお母様は私を鬼畜とか言ってくるのよ。待遇は同じとは言っても、他国の王子や、貴族を短期間とはいえ軍に入れるのだもの。気はかなり遣ったでしょうからね。それでも、話す話題も増えたし私は楽しいのだけれどね。オスカーはそれには行かせ無かったのよ。それがいけなかったのかしら。初めて行くけれど、修行ではなく働かせるのだから音を上げられても困るのだけれどね。』
悲しそうに笑ったビビィ様。

『私の育て方が悪かったのかしら…。哀しいわ。でも、だからこそ、信頼の置けるビッテンフェルトに託すわ。あの子がどうなってしまおうとあなたのご実家に責任は取らせないから。』
ため息を付いて、涙を一筋流したビビィ様。

『ビビィ様、親が立派だと子供も必ず立派な人になるとは限りませんよ。血は繋がっていても、別の人です。周りの環境に寄って善くも悪くもなってしまいます。ビビィ様が悪いわけではありませんよ。』
だから私は、慰めかもしれないが思った言葉を繋いだ。
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