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19. 懐かしい日の雪掻き② ーラインハルト視点ー
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しばらく歩くと、領主の屋敷だろう、立派な建物が見えてきた。
「みんな、今日も一日ご苦労様!」
「お疲れさまでございます。さぁどうぞ。…ん?」
従者だろう男が、子供達に声を掛けた後、俺と騎士団長を見て不思議そうにしていた。
「あら?どちら様?お客様かしら。寒かったでしょう?お茶、一緒に飲みましょう!」
「シンシア様!」
「いいじゃないの。この雪できっと大変だったのよ。あ、向こう側をやってもらった人達は?終わった?」
「はい、終わりまして、片付けも済んでおります。」
「ありがとう。本当に助かったわ。」
どうやら、違う地区も雪掻きしたみたいだな。シンシアと呼ばれる女の子は給仕をしている侍女に聞いていた。
俺は溜まらず、声を掛けていた。
「ここの街道は、クレムフィス伯爵は雪掻きを領民にさせたのか?」
領民というか、みた所子供ばかりだ。たまに大人がいるが子供の数のが多い。
「いいえ。お父様はそんな強制はさせないわ。私が始めたの。従者のバムズと、侍女のマリアンと一緒に。そうしたら、みんなが手伝ってくれたの!みんな、素晴らしいでしょう?」
と、満面の笑みでその少女に言われ、不覚にもときめいてしまった。
「あなたが発案者ですか?失礼ですが、クレムフィス伯爵のご令嬢ですか?自ら?」
今度は騎士団長が聞いた。疑問だったのだろう。なぜ、領主でなくその令嬢が自ら動くのか。そして、子供達と距離も近い感じで話していた。
「ええ。シンシアと申します。あなた達は騎士団の方?本当はそちらにお願い出来るとよかったのよね。でも、幸いにも領民達も自分達の家は自分で雪掻きする人や、他の家の雪掻きを手伝ってくれる人もいて。自分達で動いた方が早いでしょう?お父様自らするのは、やりたくても忙しいでしょうし。領民とも話が出来て有意義だったわ。あ!そうだ!」
「みんなー!明日も来れる子だけでいいから集まってね!誘い合って来てね。でも家の事が忙しい子は大丈夫だからね!」
シンシアが領民達に声を張り上げて言った。
「雪掻きは終わったんだろ?」
「ええ。でも、昨日話したおばあさんが手伝って欲しいって言ってたでしょ?あと数件他にもあるし。」
「げー!あっちまで行くのかよ-。遠いよな-。」
「そうよね…馬でも扱えると早いんだけど…。そうだわ!バムズ、今度、私馬術を習いたいわ。それで、皆もせっかくだから一緒に習いましょう。」
「シンシア様!」
「あ、もちろんお父様がダメって言ったら無理だけれど。」
「オレたちもいいのか?」
「でも私、馬って怖いわ。」
「私馬術より字を習いたい。」
「ええいいわ。あ、何度も言うけれど、お父様に聞いてからね!怖い子や、やりたくない子は無理にとは言わないわ。そうすれば、遠くまで早く行けるものね、効率がいいわ。え!?誰かなんて言った?字?…そうねぇ。確かに将来必要な事、習いたいわよね?分かったわ!それもお父様に聞いて近い内に実現してみせるわ。」
なんだこの少女は…。俺より年下に見えるんだが、俺よりよっぽど領民と距離が近く、民の声を聞いて反映させようとしている。騎士団長も、驚いているようだ。
「あ、明日、あなた達も来る?なーんて、冗談よ。」
「行く!」
この少女、シンシアの事がもっと知りたくて咄嗟に言ってしまった。
騎士団長も血相を変えて俺の横腹を突いている。分かってるさ…でも、この少女から不本意ながら学べる事があるかもしれない。
次の予定はいつだったか、変更出来るかと考えながらもらったお茶を飲み干した。
「みんな、今日も一日ご苦労様!」
「お疲れさまでございます。さぁどうぞ。…ん?」
従者だろう男が、子供達に声を掛けた後、俺と騎士団長を見て不思議そうにしていた。
「あら?どちら様?お客様かしら。寒かったでしょう?お茶、一緒に飲みましょう!」
「シンシア様!」
「いいじゃないの。この雪できっと大変だったのよ。あ、向こう側をやってもらった人達は?終わった?」
「はい、終わりまして、片付けも済んでおります。」
「ありがとう。本当に助かったわ。」
どうやら、違う地区も雪掻きしたみたいだな。シンシアと呼ばれる女の子は給仕をしている侍女に聞いていた。
俺は溜まらず、声を掛けていた。
「ここの街道は、クレムフィス伯爵は雪掻きを領民にさせたのか?」
領民というか、みた所子供ばかりだ。たまに大人がいるが子供の数のが多い。
「いいえ。お父様はそんな強制はさせないわ。私が始めたの。従者のバムズと、侍女のマリアンと一緒に。そうしたら、みんなが手伝ってくれたの!みんな、素晴らしいでしょう?」
と、満面の笑みでその少女に言われ、不覚にもときめいてしまった。
「あなたが発案者ですか?失礼ですが、クレムフィス伯爵のご令嬢ですか?自ら?」
今度は騎士団長が聞いた。疑問だったのだろう。なぜ、領主でなくその令嬢が自ら動くのか。そして、子供達と距離も近い感じで話していた。
「ええ。シンシアと申します。あなた達は騎士団の方?本当はそちらにお願い出来るとよかったのよね。でも、幸いにも領民達も自分達の家は自分で雪掻きする人や、他の家の雪掻きを手伝ってくれる人もいて。自分達で動いた方が早いでしょう?お父様自らするのは、やりたくても忙しいでしょうし。領民とも話が出来て有意義だったわ。あ!そうだ!」
「みんなー!明日も来れる子だけでいいから集まってね!誘い合って来てね。でも家の事が忙しい子は大丈夫だからね!」
シンシアが領民達に声を張り上げて言った。
「雪掻きは終わったんだろ?」
「ええ。でも、昨日話したおばあさんが手伝って欲しいって言ってたでしょ?あと数件他にもあるし。」
「げー!あっちまで行くのかよ-。遠いよな-。」
「そうよね…馬でも扱えると早いんだけど…。そうだわ!バムズ、今度、私馬術を習いたいわ。それで、皆もせっかくだから一緒に習いましょう。」
「シンシア様!」
「あ、もちろんお父様がダメって言ったら無理だけれど。」
「オレたちもいいのか?」
「でも私、馬って怖いわ。」
「私馬術より字を習いたい。」
「ええいいわ。あ、何度も言うけれど、お父様に聞いてからね!怖い子や、やりたくない子は無理にとは言わないわ。そうすれば、遠くまで早く行けるものね、効率がいいわ。え!?誰かなんて言った?字?…そうねぇ。確かに将来必要な事、習いたいわよね?分かったわ!それもお父様に聞いて近い内に実現してみせるわ。」
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「あ、明日、あなた達も来る?なーんて、冗談よ。」
「行く!」
この少女、シンシアの事がもっと知りたくて咄嗟に言ってしまった。
騎士団長も血相を変えて俺の横腹を突いている。分かってるさ…でも、この少女から不本意ながら学べる事があるかもしれない。
次の予定はいつだったか、変更出来るかと考えながらもらったお茶を飲み干した。
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