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23. 侯爵様ゲット! ーダリア視点ー

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 私は、ダリア。クレムフィス伯爵令嬢よ。

私は、幼い頃はすぐに熱を出したみたいでお母様はとても心配してくれたわ。
六歳にもなると熱を出して寝込む事はなくなったけれど、気分が良くない、体調が優れないと言えば部屋に引きこもっていても誰からも文句は言われなかった。
それどころかお母様は、頭を撫で、手を握りいつも傍にいてくれたわ。
ただ、ちょっと鬱陶しいくらいに過保護だと思った事もあったけれど。だって、『熱が出ると大変!』とやりたい事もやれなかった事もあったわ。ちょっとそれはいただけなかったけれど。

 妹は元気そうにいつも外へ出掛けたりしていたから、羨ましいとは思ったけれど、怪我をして帰ってくるのを見て、部屋にいれば怪我もしないし安心だと思うようになったわ。

 私が七歳になると、家庭教師の先生を付けられた。
辛うじて読み書きは教えてもらったけれど、難しいものを教えられるにつれて何故私が難しいものを覚えないといけないのか疑問を抱くようになったわ。
だって、私は伯爵令嬢よ!大人になれば誰かの元へ嫁ぐのだから、必要ないじゃない?だけど、それを先生に言った所で『淑女たるもの教養は必要ですよ。』としか返されず時間は惜しいとばかりに勉強しろといってくる。飽き飽きしたわ!
だから、先生が来る日には体調が悪いと言ったの。そうしたら、咎められたりもせず『お大事にして下さいね』と言われただけだった。

 それからは先生が来る度に体調が悪い事にしていたら、いつの間にか二歳下のシンシアが家庭教師の先生に教わっていたのには驚いたわね。
シンシアって変わってるわ。勉強したいだなんて。

 だからなんとなく、気晴らしに『シンシアの服かわいいからちょうだい』と言ってみたのよ。そうしたらシンシアの驚いた顔!ちょうど近くにいたお母様も、『そうよ。ダリアは体が弱いのだから言うこと聞いてあげなさい。』とか加勢してくれるもんだから、シンシア、泣きそうになっちゃって。まぁ、ちょっとは可哀想かなーと思ったけれど、でも奪い取ったらなんかスカッとしたのよね。いつも澄ました顔のシンシアの顔を歪ませてやったわ!って。

 それからはまぁ、シンシアの顔を見るとなんだか私をバカにしているように見えるから、嫌な事を言ってしまうのよね。でも結局言うことを聞いてくれるから、私は恵まれているのよね。だって私は伯爵令嬢の長女なのですもの。


 けれど、私を差し置いてシンシアが求婚されたと男友達に聞かされて居ても経っても居られなくてカントリーハウスに戻ったわ!
しかも、『おいダリア。妹がスタンリー侯爵家の奴に求婚されたって本当か?年上のお前を差し置いてよ。ま、ダリアは結婚なんて無理か!』って鼻で笑われながら言われたから寝耳に水って感じで、何言ってるのよって思ったわね。
しかも何気に私を卑下しているし。あんただって子爵令息のくせに遊び歩いているんだから結婚なんて出来ないでしょうよ!

 スタンリー侯爵と言えば、領地も潤ってる…んじゃなかったかしら?んー、私はその辺あまり勉強してないから分からないのよねぇ…。
でも身なりは上質な物を着ているし、学院でも素敵な先輩として有名だった…ような気がする。
そうそう、名前はアドルフ様よ!学院での顔もキリリとした表情をいつもされていて格好良かったわ!…私は調と救護室に行ったり、遅刻や早退もしていたからはっきり覚えているわけじゃないけど、クラスの女子生徒達がキャアキャア言ってたわね。上玉じゃないの。シンシアより、私のが断然お似合いよね!
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