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15. 婚約決定
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アドルフ様を玄関の外で馬車に乗られるまでお見送りし、屋敷へ入ると玄関ホールの二階から、大きな声でお姉様は私に向かって言ってきました。
「シンシア-!ごめんなさいね-!!アドルフ様は私と結婚したいのですって-!!フフフフフ!ああ、新しいドレスを注文しないといけないわ!忙しいわー!」
そう叫ぶだけ叫んで、玄関ホールから見える二階から去って行きました。多分、お母様ときっとこれからの事を話し合い、新しいドレスでも購入するのでしょう。普段だったら王都の有名デザイナーのお店へ買いに行くけれど、アドルフ様はここにいて、と言われていたから商人でも呼びつけるのかしら。
「シンシア様。旦那様がお呼びです。参りましょう。」
私がお姉様が去った後もずっと動かなかったからか、いつの間にかいたマリアンがそう声を掛けてきました。
「お父様、シンシアです。」
「おお。入りなさい。」
お父様は執務室で書類に目を通していました。
執務室に入ると、正面にお父様の机がこちらを向いてある為、お父様が顔を上げるとちょうど目が合いました。
「すぐそちらに行くから、座っていなさい。」
私は、入ってすぐ左にある布製のソファに座りました。
休憩用や商談用に使われるソファなので座り心地も良かったので、先ほどの緊張から少し体がほぐれた。
「ふう…。アドルフ様とはどうだったかな?来られてすぐに手紙を言付けてくれてね。ダリア達が来るけれど全てアドルフ様の手の内らしく、心配するなという内容だったよ。だから私は実はソワソワしていてね。つい先ほどダリアがこの部屋に来て『アドルフ様と結婚する』と言ったのだが、説明してくれるかい?」
そうなのね。アドルフ様は用意周到ね!お父様が心配しないように事前に知らせてくれていたのね。まぁ、何かしでかさないかソワソワはしていたみたいですけれど。
「はい。アドルフ様は、お姉様のお友達に私と婚約しようとしている事を教えたらしく、昨夜お姉様は教えてもらったと。で、起きたら急いで帰ってきたみたいです。きっとこの時間なのは夜更かしして、早くは起きられなかったのでしょう。けれど、それはアドルフ様の作戦だったみたいで、アドルフ様は初めからお姉様との結婚を考えていたみたいですよ。」
「…有難い話ではあるが、何故ダリアなのだ?」
「私の為と言って下さいました。お姉様が結婚すれば、私が解放されると。それに…いろいろありまして、アドルフ様はお相手はどんな方でもよろしいみたいです。」
「マナーがなっとらん奴でもか?」
お父様…お姉様の事をそう思っていらしたのね。確かに、以前は注意されてたけれど、お姉様は全く聞く耳を持たないから最近は何も言ってなかったものね。面倒くさがりのお父様は諦めていたのね。
「はい。侯爵家はアドルフ様が切り盛りするから、どんな女性でも関係ないと自信を持って言われておりました。」
「そうか。頼もしいな。まぁ実際、彼の手腕なら、容易いだろう。シンシアよ、お前も大丈夫なのか?」
「え?」
「その…彼を好いていなかったのか?」
「いいえ。確かに仲良くさせてもらいましたが、兄のような存在でしたから。」
「そうか。まぁ、うちとしてはダリアが結婚してくれれば本当に助かるな。シンシアに集中出来る。アドルフ殿には感謝しかないな。」
「あ、ではうちのワインでもお土産にして下さいませ。アドルフ様はワインがお好きですから。」
「おお!それはいい。準備させるとしよう!」
「シンシア-!ごめんなさいね-!!アドルフ様は私と結婚したいのですって-!!フフフフフ!ああ、新しいドレスを注文しないといけないわ!忙しいわー!」
そう叫ぶだけ叫んで、玄関ホールから見える二階から去って行きました。多分、お母様ときっとこれからの事を話し合い、新しいドレスでも購入するのでしょう。普段だったら王都の有名デザイナーのお店へ買いに行くけれど、アドルフ様はここにいて、と言われていたから商人でも呼びつけるのかしら。
「シンシア様。旦那様がお呼びです。参りましょう。」
私がお姉様が去った後もずっと動かなかったからか、いつの間にかいたマリアンがそう声を掛けてきました。
「お父様、シンシアです。」
「おお。入りなさい。」
お父様は執務室で書類に目を通していました。
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休憩用や商談用に使われるソファなので座り心地も良かったので、先ほどの緊張から少し体がほぐれた。
「ふう…。アドルフ様とはどうだったかな?来られてすぐに手紙を言付けてくれてね。ダリア達が来るけれど全てアドルフ様の手の内らしく、心配するなという内容だったよ。だから私は実はソワソワしていてね。つい先ほどダリアがこの部屋に来て『アドルフ様と結婚する』と言ったのだが、説明してくれるかい?」
そうなのね。アドルフ様は用意周到ね!お父様が心配しないように事前に知らせてくれていたのね。まぁ、何かしでかさないかソワソワはしていたみたいですけれど。
「はい。アドルフ様は、お姉様のお友達に私と婚約しようとしている事を教えたらしく、昨夜お姉様は教えてもらったと。で、起きたら急いで帰ってきたみたいです。きっとこの時間なのは夜更かしして、早くは起きられなかったのでしょう。けれど、それはアドルフ様の作戦だったみたいで、アドルフ様は初めからお姉様との結婚を考えていたみたいですよ。」
「…有難い話ではあるが、何故ダリアなのだ?」
「私の為と言って下さいました。お姉様が結婚すれば、私が解放されると。それに…いろいろありまして、アドルフ様はお相手はどんな方でもよろしいみたいです。」
「マナーがなっとらん奴でもか?」
お父様…お姉様の事をそう思っていらしたのね。確かに、以前は注意されてたけれど、お姉様は全く聞く耳を持たないから最近は何も言ってなかったものね。面倒くさがりのお父様は諦めていたのね。
「はい。侯爵家はアドルフ様が切り盛りするから、どんな女性でも関係ないと自信を持って言われておりました。」
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「いいえ。確かに仲良くさせてもらいましたが、兄のような存在でしたから。」
「そうか。まぁ、うちとしてはダリアが結婚してくれれば本当に助かるな。シンシアに集中出来る。アドルフ殿には感謝しかないな。」
「あ、ではうちのワインでもお土産にして下さいませ。アドルフ様はワインがお好きですから。」
「おお!それはいい。準備させるとしよう!」
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