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馬車で

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あれから、【僕の瞳の色と同じだね。とても似合っているからそのままの服装でいいよ。】と言ってくれたので、すぐに出掛ける手筈となった。

玄関を出ると、馬車が二台止まっていた。見た目はうちの馬車より一回り小さいサイズ。
「王家の馬車だと分かると後々迷惑が掛かるといけないからね。慎重にいかないと。それに、小さい方が、キャロルと近いもんね!」
と片目を瞑ってウインクされたわ。近い、って言葉に出して言われると恥ずかしいわ…!

なぜ二台なのかと聞いたら、クロエは後ろの馬車に、さっき後ろに控えていたキャスターさんと乗るのですって。
キャスターさんは、【くれぐれも、紳士な態度でお願いしますよ!まだ昨日の事後処理が終わってないのですからね!!】と言っていた。

昨日の事後処理って何かしら?と思ったら、馬車に乗ってから教えてくれたわ。【父上に、昨夜帰ってから僕の妃にしたい人見つけた!と伝えたら叱られたよ。だって大々的にお妃試験を開催してしまったからね。本当にあれは、申し訳なかった。君に対しても、王立学院に通っている女生徒に対しても。だから、合格者は居なかったとして発表する予定なんだ。そして改めて君を、僕の妃に迎え入れたいんだ。どうかな。妃って、大変だと思うけど…。】

『大変だよね-!妃って!』
『そうそう。大変よー。でも、王宮にいられるのね。』
『楽しい所よね、王宮って。見ていて面白いもの。』
『そうねー!庭園もとっても綺麗だもの!』
『キャロルと一緒に見れるなんて、よかった!』
あら?今まで王都が珍しいからってフラフラと散策に出掛けていたのに、精霊達帰ってきたのかしら。

『キャロルの声が聞こえたから。』
『そうそう、慌てて来たよ。』
『キャロルを忘れてたわけじゃないよ。』
『そうよ。王宮を調べてたのよ。』
『キャロルが住む所だからね。安全かどうか。』
えっ!?住むって…離れていたはずなのに話聞いてたの?

『話?なんの?』
『キャロルが王宮に住むのは昔から見えたんだってー。』
『そうそう。たまに顔を出す奴が言っていたからねー。』
『だからいろいろ調べてたよー。』
『キャロル、良かったねー!監獄じゃないよ-!』

昔から見えたって…?未来が見れる精霊がいたって事?

『そうだよ-。』
『でも未来って言っても、全部じゃないみたいー。』
『そうそう。たまにしか見えないんだってー。』
『幸せになれるってー。』
『私達は見えないけどー。』

そうなんだ…。王宮に行くってすごく緊張していたけど、私の住む場所って言うとなんか親しみがわいてきたかも。
でも、精霊達も、一緒に来てくれるの?

『行く行く-!』
『キャロルと一緒にいたいー!』
『いいでしょ?』
『ダメって言わないでね?』
『ダメって言わないよね?』

言わないわ!!散策に出掛けていいけど、たまには一緒にいてね。
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