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タウンハウスで

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私は、王都にあるタウンハウスに来ていた。

お妃試験があるので、お父様とお母様が見に行くそうです。それで、私も来ないかと言ってくれたのです。社会見学とでもいいましょうか。【きっといい経験になるわ!】とお母様に言われたけれど、果たしてそうなのかしら。

まぁ、どんな試験をやるか興味があるわね。王都は、楽しい事があまりないので、行くのは迷ったけれど。
お父様とお母様も、精霊に選ばれなかった私をお荷物だと思っているのかどうなのか、カントリーハウスに帰って来ないものね。
離れて暮らしているからか、お父様とお母様はどこか遠い人のようですわ。
カントリーハウスにいる、ダンカンとクロエの方がよっぽど親しみを持てるもの。

けれど、せっかくだからとタウンハウスに来ましたの。



「キャサリンは、王立学院の寮から王宮に行くからここには帰ってこないけれど、試験を見に行く事は出来るから、一緒に行きましょう。」
お母様は、私の頭を優しく撫でてくれました。
そうされると、嬉しく思いますが少し照れくさくもあります。

「はい、お母様。」
「ああ、あなたも精霊に選ばれていたらあの中に入れたのですけどね。けれど、王太子殿下はキャロルよりキャサリンのが年齢的には合うから、仕方ないわね。キャサリンが合格したら、どうしましょうね!」
お母様も、そんな事言うのね…。選ばれなくて、申し訳なかったとは思うけれど、選ばれなくても素敵な生活を送れているのですけどね。
まぁ、精霊に選ばれなければ将来の先が見えないとか思っていらっしゃる人達には、私の考えを話しても分かってもらえないでしょうから言わないですけれどね。黙っていれば、好きに解釈してくれますもの。

「おお、可愛いキャロル。大丈夫よ。将来はきっと、明るいわよ。」
そう言って、お母様は両手を、私の体を包み込むようにして後頭部を撫でてくれました。

「お母様…。」
ごめんなさい。お母様。選ばれなくて。私は一つの精霊に選ばれるより、いろいろな精霊達と一緒にいたかったのです。

『キャロル。私もー!』
『私もだよ、キャロルといつまでも一緒-!』
『私だってだよ!』
『嬉しい!キャロルもそう言ってくれて!』
『キャロル、大好き-!』
精霊達みんな、そう言ってくれてありがとう。


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