7 / 27
タウンハウスで
しおりを挟む
私は、王都にあるタウンハウスに来ていた。
お妃試験があるので、お父様とお母様が見に行くそうです。それで、私も来ないかと言ってくれたのです。社会見学とでもいいましょうか。【きっといい経験になるわ!】とお母様に言われたけれど、果たしてそうなのかしら。
まぁ、どんな試験をやるか興味があるわね。王都は、楽しい事があまりないので、行くのは迷ったけれど。
お父様とお母様も、精霊に選ばれなかった私をお荷物だと思っているのかどうなのか、カントリーハウスに帰って来ないものね。
離れて暮らしているからか、お父様とお母様はどこか遠い人のようですわ。
カントリーハウスにいる、ダンカンとクロエの方がよっぽど親しみを持てるもの。
けれど、せっかくだからとタウンハウスに来ましたの。
「キャサリンは、王立学院の寮から王宮に行くからここには帰ってこないけれど、試験を見に行く事は出来るから、一緒に行きましょう。」
お母様は、私の頭を優しく撫でてくれました。
そうされると、嬉しく思いますが少し照れくさくもあります。
「はい、お母様。」
「ああ、あなたも精霊に選ばれていたらあの中に入れたのですけどね。けれど、王太子殿下はキャロルよりキャサリンのが年齢的には合うから、仕方ないわね。キャサリンが合格したら、どうしましょうね!」
お母様も、そんな事言うのね…。選ばれなくて、申し訳なかったとは思うけれど、選ばれなくても素敵な生活を送れているのですけどね。
まぁ、精霊に選ばれなければ将来の先が見えないとか思っていらっしゃる人達には、私の考えを話しても分かってもらえないでしょうから言わないですけれどね。黙っていれば、好きに解釈してくれますもの。
「おお、可愛いキャロル。大丈夫よ。将来はきっと、明るいわよ。」
そう言って、お母様は両手を、私の体を包み込むようにして後頭部を撫でてくれました。
「お母様…。」
ごめんなさい。お母様。選ばれなくて。私は一つの精霊に選ばれるより、いろいろな精霊達と一緒にいたかったのです。
『キャロル。私もー!』
『私もだよ、キャロルといつまでも一緒-!』
『私だってだよ!』
『嬉しい!キャロルもそう言ってくれて!』
『キャロル、大好き-!』
精霊達みんな、そう言ってくれてありがとう。
お妃試験があるので、お父様とお母様が見に行くそうです。それで、私も来ないかと言ってくれたのです。社会見学とでもいいましょうか。【きっといい経験になるわ!】とお母様に言われたけれど、果たしてそうなのかしら。
まぁ、どんな試験をやるか興味があるわね。王都は、楽しい事があまりないので、行くのは迷ったけれど。
お父様とお母様も、精霊に選ばれなかった私をお荷物だと思っているのかどうなのか、カントリーハウスに帰って来ないものね。
離れて暮らしているからか、お父様とお母様はどこか遠い人のようですわ。
カントリーハウスにいる、ダンカンとクロエの方がよっぽど親しみを持てるもの。
けれど、せっかくだからとタウンハウスに来ましたの。
「キャサリンは、王立学院の寮から王宮に行くからここには帰ってこないけれど、試験を見に行く事は出来るから、一緒に行きましょう。」
お母様は、私の頭を優しく撫でてくれました。
そうされると、嬉しく思いますが少し照れくさくもあります。
「はい、お母様。」
「ああ、あなたも精霊に選ばれていたらあの中に入れたのですけどね。けれど、王太子殿下はキャロルよりキャサリンのが年齢的には合うから、仕方ないわね。キャサリンが合格したら、どうしましょうね!」
お母様も、そんな事言うのね…。選ばれなくて、申し訳なかったとは思うけれど、選ばれなくても素敵な生活を送れているのですけどね。
まぁ、精霊に選ばれなければ将来の先が見えないとか思っていらっしゃる人達には、私の考えを話しても分かってもらえないでしょうから言わないですけれどね。黙っていれば、好きに解釈してくれますもの。
「おお、可愛いキャロル。大丈夫よ。将来はきっと、明るいわよ。」
そう言って、お母様は両手を、私の体を包み込むようにして後頭部を撫でてくれました。
「お母様…。」
ごめんなさい。お母様。選ばれなくて。私は一つの精霊に選ばれるより、いろいろな精霊達と一緒にいたかったのです。
『キャロル。私もー!』
『私もだよ、キャロルといつまでも一緒-!』
『私だってだよ!』
『嬉しい!キャロルもそう言ってくれて!』
『キャロル、大好き-!』
精霊達みんな、そう言ってくれてありがとう。
6
お気に入りに追加
1,065
あなたにおすすめの小説
婚約破棄……そちらの方が新しい聖女……ですか。ところで殿下、その方は聖女検定をお持ちで?
Ryo-k
ファンタジー
「アイリス・フローリア! 貴様との婚約を破棄する!」
私の婚約者のレオナルド・シュワルツ王太子殿下から、突然婚約破棄されてしまいました。
さらには隣の男爵令嬢が新しい聖女……ですか。
ところでその男爵令嬢……聖女検定はお持ちで?
美しい姉と痩せこけた妹
サイコちゃん
ファンタジー
若き公爵は虐待を受けた姉妹を引き取ることにした。やがて訪れたのは美しい姉と痩せこけた妹だった。姉が夢中でケーキを食べる中、妹はそれがケーキだと分からない。姉がドレスのプレゼントに喜ぶ中、妹はそれがドレスだと分からない。公爵はあまりに差のある姉妹に疑念を抱いた――
姉妹差別の末路
京佳
ファンタジー
粗末に扱われる姉と蝶よ花よと大切に愛される妹。同じ親から産まれたのにまるで真逆の姉妹。見捨てられた姉はひとり静かに家を出た。妹が不治の病?私がドナーに適応?喜んでお断り致します!
妹嫌悪。ゆるゆる設定
※初期に書いた物を手直し再投稿&その後も追記済
王子は婚約破棄をし、令嬢は自害したそうです。
七辻ゆゆ
ファンタジー
「アリシア・レッドライア! おまえとの婚約を破棄する!」
公爵令嬢アリシアは王子の言葉に微笑んだ。「殿下、美しい夢をありがとうございました」そして己の胸にナイフを突き立てた。
血に染まったパーティ会場は、王子にとって一生忘れられない景色となった。冤罪によって婚約者を自害させた愚王として生きていくことになる。
(完)妹が全てを奪う時、私は声を失った。
青空一夏
恋愛
継母は私(エイヴリー・オマリ伯爵令嬢)から母親を奪い(私の実の母は父と継母の浮気を苦にして病気になり亡くなった)
妹は私から父親の愛を奪い、婚約者も奪った。
そればかりか、妹は私が描いた絵さえも自分が描いたと言い張った。
その絵は国王陛下に評価され、賞をいただいたものだった。
私は嘘つきよばわりされ、ショックのあまり声を失った。
誰か助けて・・・・・・そこへ私の初恋の人が現れて・・・・・・
何故、わたくしだけが貴方の事を特別視していると思われるのですか?
ラララキヲ
ファンタジー
王家主催の夜会で婚約者以外の令嬢をエスコートした侯爵令息は、突然自分の婚約者である伯爵令嬢に婚約破棄を宣言した。
それを受けて婚約者の伯爵令嬢は自分の婚約者に聞き返す。
「返事……ですか?わたくしは何を言えばいいのでしょうか?」
侯爵令息の胸に抱かれる子爵令嬢も一緒になって婚約破棄を告げられた令嬢を責め立てる。しかし伯爵令嬢は首を傾げて問返す。
「何故わたくしが嫉妬すると思われるのですか?」
※この世界の貴族は『完全なピラミッド型』だと思って下さい……
◇テンプレ婚約破棄モノ。
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇なろうにも上げています。
王家も我が家を馬鹿にしてますわよね
章槻雅希
ファンタジー
よくある婚約者が護衛対象の王女を優先して婚約破棄になるパターンのお話。あの手の話を読んで、『なんで王家は王女の醜聞になりかねない噂を放置してるんだろう』『てか、これ、王家が婚約者の家蔑ろにしてるよね?』と思った結果できた話。ひそかなサブタイは『うちも王家を馬鹿にしてますけど』かもしれません。
『小説家になろう』『アルファポリス』(敬称略)に重複投稿、自サイトにも掲載しています。
婚約破棄の場に相手がいなかった件について
三木谷夜宵
ファンタジー
侯爵令息であるアダルベルトは、とある夜会で婚約者の伯爵令嬢クラウディアとの婚約破棄を宣言する。しかし、その夜会にクラウディアの姿はなかった。
断罪イベントの夜会に婚約者を迎えに来ないというパターンがあるので、では行かなければいいと思って書いたら、人徳あふれるヒロイン(不在)が誕生しました。
カクヨムにも公開しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる