上 下
2 / 27

私の幼い頃

しおりを挟む
私は、生まれた時、光に包まれて出てきたらしいですわ。

産声を上げている間、光に包まれていたそうです。

その後も、キラキラと私の周りが輝いている時が多々あったそうですわ。


私が喋れるようになると、よく独り言を話していたそうですの。その時も、キラキラと周りが輝いていたそうですわ。


私が物心ついた頃、3歳位だったかしら。私は、自分が見えているモノが全て、他の人も見えるわけではないという事に気付きましたの。
私の周りにはいつも、小鳥位の大きさの、三角の帽子を被った小さな人がフワフワと浮いていたのです。
そして、私の周りでいつも話し掛けてくれたり、その小さな人同士で話しているのを見ていました。

けれど、それを他の人は見えていないみたいだったのです。

だから、私だけが見えるみたいなので、他の人がいる時ではその小さな人達と話すのを止めました。
だって、気が触れたと思われるのは嫌でしたから。
頭の中で話すようにしましたわ。

その小さな人達は、精霊と言うのだそうです。



精霊達から話を聞くに、5歳になると精霊にもらうのだとか。
今日も、精霊達と外の庭に居た時にその話になりました。

ーーーー

『キャロルは、もう少しで5歳よね。でも、誰が選ぶのかしら。だって、取り合いになるわよね。』
『そうよね。私もキャロルと一緒にいたいわ。』
『あら、私だってキャロルと一緒にいたいわ!だって、キャロルの傍にいると爽やかな気持ちになるのだもの。』
『そうよね。』
『そうよね。』
『キャロルに選んでもらいましょう?』
『ええー!ずるいわ!』
『そうよ、ずるいわ!』
精霊達はみんな、いつもそう話しているの。だから、聞いてみたわ。

「みんなと一緒にはいられないの?」

『一つの精霊が選ぶのは、一人なのよ。』
『そうね、みんなでキャロルと一緒にいられればいいのにね。』
『でもそうしたら、精霊の森に精霊がいなくなっちゃうわ。』
『別にそれでもいいんだけど。』
『そうよね。私達には関係ないものね。』 
『でもそうすると、大精霊様に怒られちゃうかも。』
『そうだわ。きっと怒られちゃう。』
『怒られて消されちゃったら嫌だわ。キャロルと話せなくなっちゃう。』

「大精霊様は怖いの?」

『それはもう!』
『とっても怖いわ!』
『だから、ダメよね。精霊と人間のルール破ったら。』

「選ばれるとどうなるの?」

『人間の世界で、将来有望らいしわ。』
『そうね、王宮で勤める事が出来るらしいわ。』
『誇らしい、みたいよね。でも、王宮からは出られないみたいよ。監獄みたいね。』

「え?そうなの?」

『でも、仕事辞める時は王宮から出られるっていうわ。』
『そうね。でも王宮内で起こった事は内緒らしいわよ。』
『だから、誓約書書かされるみたいよ。』
『破ったら罰を受けるのよね。』
『そうよね。』
『そうよね。』

「そうなんだ…。監獄、嫌だな。」

『じゃあ、選ばれなければいいのよ!』
『そうよ。そうすれば、みんなでキャロルと一緒にいれるわ!』
『誰か一つの精霊が選ばなくても、私達がいつもキャロルに力を貸すわ!』
『いいわね!』
『みんなが手助けするから、他の人より強力よね!』
『そうよね!素敵ね!』

「みんなが助けてくれるの?」

『ええ!』
『当たり前よ!』
『だってキャロルが好きだもの!』
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

精霊の愛し子が濡れ衣を着せられ、婚約破棄された結果

あーもんど
恋愛
「アリス!私は真実の愛に目覚めたんだ!君との婚約を白紙に戻して欲しい!」 ある日の朝、突然家に押し掛けてきた婚約者───ノア・アレクサンダー公爵令息に婚約解消を申し込まれたアリス・ベネット伯爵令嬢。 婚約解消に同意したアリスだったが、ノアに『解消理由をそちらに非があるように偽装して欲しい』と頼まれる。 当然ながら、アリスはそれを拒否。 他に女を作って、婚約解消を申し込まれただけでも屈辱なのに、そのうえ解消理由を偽装するなど有り得ない。 『そこをなんとか······』と食い下がるノアをアリスは叱咤し、屋敷から追い出した。 その数日後、アカデミーの卒業パーティーへ出席したアリスはノアと再会する。 彼の隣には想い人と思われる女性の姿が·····。 『まだ正式に婚約解消した訳でもないのに、他の女とパーティーに出席するだなんて·····』と呆れ返るアリスに、ノアは大声で叫んだ。 「アリス・ベネット伯爵令嬢!君との婚約を破棄させてもらう!婚約者が居ながら、他の男と寝た君とは結婚出来ない!」 濡れ衣を着せられたアリスはノアを冷めた目で見つめる。 ······もう我慢の限界です。この男にはほとほと愛想が尽きました。 復讐を誓ったアリスは────精霊王の名を呼んだ。 ※本作を読んでご気分を害される可能性がありますので、閲覧注意です(詳しくは感想欄の方をご参照してください) ※息抜き作品です。クオリティはそこまで高くありません。 ※本作のざまぁは物理です。社会的制裁などは特にありません。 ※hotランキング一位ありがとうございます(2020/12/01)

大好きな母と縁を切りました。

むう子
ファンタジー
7歳までは家族円満愛情たっぷりの幸せな家庭で育ったナーシャ。 領地争いで父が戦死。 それを聞いたお母様は寝込み支えてくれたカルノス・シャンドラに親子共々心を開き再婚。 けれど妹が生まれて義父からの虐待を受けることに。 毎日母を想い部屋に閉じこもるナーシャに2年後の政略結婚が決定した。 けれどこの婚約はとても酷いものだった。 そんな時、ナーシャの生まれる前に亡くなった父方のおばあさまと契約していた精霊と出会う。 そこで今までずっと近くに居てくれたメイドの裏切りを知り……

【完結】義妹とやらが現れましたが認めません。〜断罪劇の次世代たち〜

福田 杜季
ファンタジー
侯爵令嬢のセシリアのもとに、ある日突然、義妹だという少女が現れた。 彼女はメリル。父親の友人であった彼女の父が不幸に見舞われ、親族に虐げられていたところを父が引き取ったらしい。 だがこの女、セシリアの父に欲しいものを買わせまくったり、人の婚約者に媚を打ったり、夜会で非常識な言動をくり返して顰蹙を買ったりと、どうしようもない。 「お義姉さま!」           . . 「姉などと呼ばないでください、メリルさん」 しかし、今はまだ辛抱のとき。 セシリアは来たるべき時へ向け、画策する。 ──これは、20年前の断罪劇の続き。 喜劇がくり返されたとき、いま一度鉄槌は振り下ろされるのだ。 ※ご指摘を受けて題名を変更しました。作者の見通しが甘くてご迷惑をおかけいたします。 旧題『義妹ができましたが大嫌いです。〜断罪劇の次世代たち〜』 ※初投稿です。話に粗やご都合主義的な部分があるかもしれません。生あたたかい目で見守ってください。 ※本編完結済みで、毎日1話ずつ投稿していきます。

わがまま姉のせいで8歳で大聖女になってしまいました

ぺきぺき
ファンタジー
ルロワ公爵家の三女として生まれたクリスローズは聖女の素質を持ち、6歳で教会で聖女の修行を始めた。幼いながらも修行に励み、周りに応援されながら頑張っていたある日突然、大聖女をしていた10歳上の姉が『妊娠したから大聖女をやめて結婚するわ』と宣言した。 大聖女資格があったのは、その時まだ8歳だったクリスローズだけで…。 ー--- 全5章、最終話まで執筆済み。 第1章 6歳の聖女 第2章 8歳の大聖女 第3章 12歳の公爵令嬢 第4章 15歳の辺境聖女 第5章 17歳の愛し子 権力のあるわがまま女に振り回されながらも健気にがんばる女の子の話を書いた…はず。 おまけの後日談投稿します(6/26)。 番外編投稿します(12/30-1/1)。 作者の別作品『人たらしヒロインは無自覚で魔法学園を改革しています』の隣の国の昔のお話です。

【完結】婚約破棄されて修道院へ送られたので、今後は自分のために頑張ります!

猫石
ファンタジー
「ミズリーシャ・ザナスリー。 公爵の家門を盾に他者を蹂躙し、悪逆非道を尽くしたお前の所業! 決して許してはおけない! よって我がの名の元にお前にはここで婚約破棄を言い渡す! 今後は修道女としてその身を神を捧げ、生涯後悔しながら生きていくがいい!」 無実の罪を着せられた私は、その瞬間に前世の記憶を取り戻した。 色々と足りない王太子殿下と婚約破棄でき、その後の自由も確約されると踏んだ私は、意気揚々と王都のはずれにある小さな修道院へ向かったのだった。 注意⚠️このお話には、妊娠出産、新生児育児のお話がバリバリ出てきます。(訳ありもあります)お嫌いな方は自衛をお願いします! 2023/10/12 作者の気持ち的に、断罪部分を最後の番外にしました。 2023/10/31第16回ファンタジー小説大賞奨励賞頂きました。応援・投票ありがとうございました! ☆このお話は完全フィクションです、創作です、妄想の作り話です。現実世界と混同せず、あぁ、ファンタジーだもんな、と、念頭に置いてお読みください。 ☆作者の趣味嗜好作品です。イラッとしたり、ムカッとしたりした時には、そっと別の素敵な作家さんの作品を検索してお読みください。(自己防衛大事!) ☆誤字脱字、誤変換が多いのは、作者のせいです。頑張って音読してチェックして!頑張ってますが、ごめんなさい、許してください。 ★小説家になろう様でも公開しています。

《勘違い》で婚約破棄された令嬢は失意のうちに自殺しました。

友坂 悠
ファンタジー
「婚約を考え直そう」 貴族院の卒業パーティーの会場で、婚約者フリードよりそう告げられたエルザ。 「それは、婚約を破棄されるとそういうことなのでしょうか?」 耳を疑いそう聞き返すも、 「君も、その方が良いのだろう?」 苦虫を噛み潰すように、そう吐き出すフリードに。 全てに絶望し、失意のうちに自死を選ぶエルザ。 絶景と評判の観光地でありながら、自殺の名所としても知られる断崖絶壁から飛び降りた彼女。 だったのですが。

義母に毒を盛られて前世の記憶を取り戻し覚醒しました、貴男は義妹と仲良くすればいいわ。

克全
ファンタジー
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。 11月9日「カクヨム」恋愛日間ランキング15位 11月11日「カクヨム」恋愛週間ランキング22位 11月11日「カクヨム」恋愛月間ランキング71位 11月4日「小説家になろう」恋愛異世界転生/転移恋愛日間78位

追放したんでしょ?楽しく暮らしてるのでほっといて

だましだまし
ファンタジー
私たちの未来の王子妃を影なり日向なりと支える為に存在している。 敬愛する侯爵令嬢ディボラ様の為に切磋琢磨し、鼓舞し合い、己を磨いてきた。 決して追放に備えていた訳では無いのよ?

処理中です...