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生まれた時

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私、キャロル=マフェソン。辺境伯爵領の次女でございます。
金髪で水色の瞳の、この国の一般的な容姿です。

私がお母様のお腹から生まれた時、光が私を包んでいて、輝いていたそうですの。だから、精霊にとても愛され、将来も有望だと思われたそうですわ。


この国、ダロックフェイ国では、5歳になると、精霊の住んでいると言われる森に連れて行かれます。
そこで精霊に選ばれると、一生精霊が傍にいてくれるそう。それで、何かあると精霊が力を貸してくれるそうで、将来が有望だと言われている。

精霊に選ばれると、1年は精霊との生活を共にして慣れ、6歳になると、王立学院に通う。
選ばれし者、ということで、お金は一切払わなくてよくて、国が支払ってくれる。だから、貴族でない者も通えるそう。
ただし、将来は国に貢献する為に学ぶそうで、12歳になると、卒業して王宮で働いたり、別の機関で働いたりするみたいですの。

選ばれなかった者は、教会が運営している学校に行って生活に役立つ一般教養を学ぶ。
12歳になると卒業して、市井で働くか、王宮や他の機関の知識を生かせる場で働くみたいですの。

この国は、精霊に選ばれると将来は有望で、結婚する時にも精霊に選ばれている方が格が上だそうですの。
まさに、精霊様々ですわ。

…けれど、なんだか将来は自分で決められない感じですわよね。
元々、貴族ですから自分で決められる事は少ないですけれども、将来の就職先まで決められているなんて。

精霊がいて、就職される場合は、婚期が遅れてもそれだけ国に貢献したという事で箔が付くみたいですの。

でも、精霊がいなくて婚期が遅れている場合は、後ろ指を指されるらしいですわ。

精霊に選ばれるかそうでないかで、人生がガラリと変わるみたいですわ。



そして私も、5歳の誕生日にお父様とお母様と一緒に、精霊が住んでいると言われる森へ行きましたわ。
森の手前には、木で作られた二階建ての横に長い建物があります。そこは、精霊に選ばれるかどうかの見届け人がいるのです。見届け人は、そこにいる精霊の姿が見えるからだそうです。
他の人には、普通は精霊は見えませんからね。
自分を選んでくれた精霊だけは、見えるそうですの。
私は、精霊がいるとほとんど見えますから、普通とは違うのかしら。


その建物に入って、受付を済ませると、係の人が一人付いてきます。
そして、その人と両親と一緒に森を自由に散策します。遊歩道も作られていて、奥には湖もあり、その周りにはお花畑もありますの。
好きに歩いていいのは、どの精霊に選ばれるかわからないからです。

…結果は、精霊には、ませんでした。
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