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そして

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「では兄様は悪い遊びはしていなかったのでしょうか。」

「ははは。何度も確認してそんなに心配か!していなかっただろうな。そんな暇もないと言った所か。煙も、吸い込まないようにしていたぞ。あいつはそういう所で鼻が利く。風向きを選んで傍に立ったり、奴らに接近していた。あいつはそんな奴じゃないだろう?」

 兄様に視線をやりながら、私を見て話して下さった。

「そうでしたか。ありがとうございました。本当にホッとしました。」
 
 と、私は座りながら頭を下げた。

「まぁ、女遊びを派手にしているように見せたのは悪かったな。…さぁ!私の話はここまでだ。済まないが時間だな。やる事があるから私は下がるが、あとは好きにしろ。」

 と言って、マーフィス様は部屋から出て行った。きっと、事後処理をしに行くのかもしれない。


 そう言われ、この部屋にいる必要も無くなったのでアリールルと出て行こうとすると、ケイフィス様に呼び止められた。

「レフィア嬢!少しだけ話しをしてもいいかい?」

 そう言われると、アリールルはすぐさま、

「姉様。私はホールへ行きますわ。ではまた後ほど。ケイフィス様。姉様をよろしくお願いいたします。」

 と、そう言って私が返事をする間もなく素早く部屋を出て行ってしまった。

「妹君に気を遣わせてしまったかな。」

 手で自身の頭を掻きながら私のソファへ近づいて来ながら言った。

「済まないね。今日はせっかく会えたからね。学院を卒業してからは、レフィア嬢となかなか会えなくなってしまって淋しかったよ。」

 そう言いながら、私の隣へ座ってきたので思わずときめいてしまったわ。一応、未婚の男女であるからか、少し間を開けて座ってくれたのはまた好感が持てるわね。
私も、また会えたのはとても嬉しかったから、もう少し近くに座って下さっても良かったのですけれど。

「ブルフェス達もいるから本当は出て行った方がいいのだろうけどね。君の父上に二度ほど申し出をしているのだけど、なかなか、返事をしてくれないから本人に直接聞いてみようかと思ってね。」

 え?お父様に何かを言われているの?ケイフィス様は一体どんな?

「あの…何を…。」

 そう言うと、ケイフィス様は口に手を当てて、顔を逸らし何か逡巡している様子だわ。どうしたのかしら。そんなに言いにくい事?

 そして、こちらに再び顔を向けた時には、私の目をしっかりと見て、言葉を繋ぎだした。

「レフィア嬢…いや、レフィア。俺と結婚してくれないか?」
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