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サンクレバドラー伯爵家

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「兄様は今日も、してくるからお帰りが遅くなるそうです。」

 夕食時。
兄様以外の、お父様、お母様、2歳年下の妹、私で食事をしている時に両親に伝えました。


「そうか。」

 白髪が増えてきた緑目のお父様は、寡黙であまり話さない。
仕事が忙しくて疲れているのか、家に帰って来ても疲れた表情を見せるばかり。

「まぁ!ブルフェスは本当に素晴らしいわね!きっともうすぐ卒業だから、頑張っているのね!!でも遅くまで大丈夫かしら。」

 赤い髪に赤い瞳のお母様は、反対によく話す。ちょっと抜けていると言うのかしら?言葉の通りに読み取る為、子爵家の出とはいえ、貴族に向いてないのじゃないかと思うわ。
 顔に感情がすぐ出るので、良く言えば可愛らしいのですけれど、貴族にはやっぱり向いてないと思いますわ。
まぁ、着飾る事や、お買い物は大好きですからその点は、貴族向きではあるのでしょうけれども。

「お兄様はまたなの?いい加減にすればいいのに。」

 桃色の髪に水色の瞳の妹は2歳年下。だからまだ学院には通っていないのですけれど、交友関係が素晴らしいのです。私よりも知り合いがたくさんいるわね。
 幼い頃より本をたくさん読んでいたからかとても優秀で、私よりも知識があるのじゃないかしら。
 兄様の事はあまり良く思っていないのか刺々しい言葉を使う。
 容姿はとっても可愛らしいから、学院に入ったら引く手あまたでしょうね。


「あなた!そう言えばそろそろブルフェスの卒業よね!せっかくだから皆のドレスを新調しましょうよ!」

 ん?お母様。卒業式はドレスは着ませんし、皆って誰ですか?お母様の事?保護者は学院に着ませんから、ドレスは必要ないと思うのですけれど…。

「お母様-!良いですわね!でもお母様は卒業式に出られませんのよ。そもそも制服ですから。けれど、ドレスは賛成!私そろそろ大人めのドレスが欲しかったの!」

「あら、そうだったかしら?じゃあ、なにか適当な…そう、そうね。卒業式の少しあとに王宮で夜会があるじゃない?それだったら、新調しないと失礼よね!?でもアリールル。あなたはまだフリフリの可愛らしいのが似合うわよ。まぁ、相談して決めましょうね!」

 お母様は、お父様に話し掛けたつもりだったのでしょうけど、結局お父様の返事は聞いていないわね…。

 それに、妹のアリールルがさり気なく卒業式にお母様は参加されないと教えると、違う行事を絞り出して提案しているわ。
何か理由を付けてドレスを新調なさりたいのね。
 確かに、貴族が買い物をする事は、国の経済を回す事になるから大切ではありますけれどね。けれどほどほどになさいませんと、お母様のクローゼットは入りきらないとこの前侍女が嘆いておりましたわよ。

 お父様も、お母様に視線を一度送ったけれど、お母様が見てくれないからかまた食事を再開しだしたわ。



 最近はいつもこのような食事風景ね。
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