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手紙の内容
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「お父様がお呼びって?」
男爵様からの手紙が家に届いた日。
今は、パン屋から帰って来たところで、ボーティーンからお父様が呼んでいると教えてもらった。
今日はお父様、早起きなのね。
「そうなの。何かしら。」
私が少し考えると、
「旦那様とのお話で時間がなくなるといけないだろ。何か摘まめる物準備しといてやるよ。」
とボーティーンが言ってくれた。
「そうね!ありがとう。食堂にももう少ししたら勤めに行かないといけないものね。」
ありがたいわ!
「終わったら厨房に来いよ。」
「ええ。」
「お父様、遅くなりましてすみません。入ります。」
そう言って、ドアをノックした。
「いや。入ってきなさい。」
「仕事してきたのか?」
「はい。遅くなりましてすみませんでした。」
「いや。いつもすまないね。でももうそんな生活も終わりだ!マーガレット、聞いて驚け!!良くやった!結婚の打診が来たぞ!」
えっ!?
「お父様、私にですか?」
「そうだぞ!カーティス=ドルマン男爵だ。まぁ、男爵ではあるが、功績を称えられ、爵位を賜ったんだ。事業もかなりうまくいっておるらしいし、良くやったな!!」
最近ずっとお父様は、暗い顔をしていたけれど、近年まれに見る満面の笑みで私に言った。
…え!?ボーティーンの言ってた事本当になっちゃったの!?
「お、お父様。今朝の手紙にそう書いてあったのですか?」
「おお。そうだ。ご親切にも結婚支度金を準備してくれるそうだぞ。これで、今までの借金も返済できるな!!こんな生活ともおさらばじゃ!ハハハハ!!」
お父様…大丈夫かしら?結婚支度金って、結婚の準備用でしょう?私のドレスや、結婚する為の準備のお金ですよね?それを差し引いて、滞納していたお金が払い切れるのかしら?
「お父様?私のドレスは購入しますわよね?」
「うん?お前のは…最近作って無かったか?お祖母様か、お母様のを手直しすればいいだろう?身一つで嫁いで来いと書いてある。良かったなぁー!」
えー!?ドレスはあるので良いの?
確かにお祖母様のドレスはとても豪華だけれど、さすがに型が古くないかしら…?お母様のだって…ま、食堂に行くまでまだ少し時間があるから、着れるかどうか確認してこようかしら。
「お父様。それは決定事項なのですよね?」
私も、一応貴族の端くれですから、親に言われた結婚をするとは思っておりましたけど、まさかこんな早くだとは…。
「なんだと?不満か??こんな好条件、他にないだろう?」
「いえ、不満なんてとんでもない!分かりました。お話はそれだけですか?」
不満ではないけれど、心配だらけなのですよ、お父様…。
「おおそうだった!明後日、四の鐘の鳴る頃、家に来るそうだ。綺麗にしておかないとな!」
な、なんですって!?お客様をお迎えするの!?準備があるじゃない!
お仕事休んだ方が良いかしら。
「分かりました。では、準備がありますから、私はこれで。」
「おお!分かった。楽しみだな!ハハハハ!!」
…楽しみって。こっちは大変よ!もう。お父様は本当に楽観的なのだから。
服装もどうしようかしら!?
男爵様からの手紙が家に届いた日。
今は、パン屋から帰って来たところで、ボーティーンからお父様が呼んでいると教えてもらった。
今日はお父様、早起きなのね。
「そうなの。何かしら。」
私が少し考えると、
「旦那様とのお話で時間がなくなるといけないだろ。何か摘まめる物準備しといてやるよ。」
とボーティーンが言ってくれた。
「そうね!ありがとう。食堂にももう少ししたら勤めに行かないといけないものね。」
ありがたいわ!
「終わったら厨房に来いよ。」
「ええ。」
「お父様、遅くなりましてすみません。入ります。」
そう言って、ドアをノックした。
「いや。入ってきなさい。」
「仕事してきたのか?」
「はい。遅くなりましてすみませんでした。」
「いや。いつもすまないね。でももうそんな生活も終わりだ!マーガレット、聞いて驚け!!良くやった!結婚の打診が来たぞ!」
えっ!?
「お父様、私にですか?」
「そうだぞ!カーティス=ドルマン男爵だ。まぁ、男爵ではあるが、功績を称えられ、爵位を賜ったんだ。事業もかなりうまくいっておるらしいし、良くやったな!!」
最近ずっとお父様は、暗い顔をしていたけれど、近年まれに見る満面の笑みで私に言った。
…え!?ボーティーンの言ってた事本当になっちゃったの!?
「お、お父様。今朝の手紙にそう書いてあったのですか?」
「おお。そうだ。ご親切にも結婚支度金を準備してくれるそうだぞ。これで、今までの借金も返済できるな!!こんな生活ともおさらばじゃ!ハハハハ!!」
お父様…大丈夫かしら?結婚支度金って、結婚の準備用でしょう?私のドレスや、結婚する為の準備のお金ですよね?それを差し引いて、滞納していたお金が払い切れるのかしら?
「お父様?私のドレスは購入しますわよね?」
「うん?お前のは…最近作って無かったか?お祖母様か、お母様のを手直しすればいいだろう?身一つで嫁いで来いと書いてある。良かったなぁー!」
えー!?ドレスはあるので良いの?
確かにお祖母様のドレスはとても豪華だけれど、さすがに型が古くないかしら…?お母様のだって…ま、食堂に行くまでまだ少し時間があるから、着れるかどうか確認してこようかしら。
「お父様。それは決定事項なのですよね?」
私も、一応貴族の端くれですから、親に言われた結婚をするとは思っておりましたけど、まさかこんな早くだとは…。
「なんだと?不満か??こんな好条件、他にないだろう?」
「いえ、不満なんてとんでもない!分かりました。お話はそれだけですか?」
不満ではないけれど、心配だらけなのですよ、お父様…。
「おおそうだった!明後日、四の鐘の鳴る頃、家に来るそうだ。綺麗にしておかないとな!」
な、なんですって!?お客様をお迎えするの!?準備があるじゃない!
お仕事休んだ方が良いかしら。
「分かりました。では、準備がありますから、私はこれで。」
「おお!分かった。楽しみだな!ハハハハ!!」
…楽しみって。こっちは大変よ!もう。お父様は本当に楽観的なのだから。
服装もどうしようかしら!?
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