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23. 処遇
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「私がやっと、紹介に与れるのね!うふふ!フォルラート様のお側にいられるのね!そして、隣国からやってきたあの高慢な女じゃなく、私が王太子妃に返り咲くのね!」
「おお、そうだ!そして外戚として、私がこの国を引っ張っていくのだ!ハハハハハ!陛下、お!そこは、ザーラの席ですな?ザーラ、あちらへ。」
「ええ!?何故、フォルラート様の隣ではないの!?」
「そ、それは…顔が良く見えるからじゃないか?」
「うーん、それもそうね!では、失礼しまーす!」
「待て!」
ザーラとベンヤミンが意味の分からない言葉をつらつらと述べていて、皆呆気に取られていたがザーラが空いている席に座ろうとしてやっと、マティーアスが国王らしく口を開く。
「え?」
「陛下?」
「ベンヤミン伯爵と、その娘よ。そなた達には別室を用意してあるのだ。しばしそこで待たれよ。」
「ちょ、ちょっと!どういう事ですか!?せっかくの顔合わせなのでしょう!?」
「陛下?何故今そちらへ座ってはいかんのです?」
「聞こえなんだか?しばし、別室で待たれよ。後に、そちらへ私が直々に行ってやる。おい、二人を近くの応接室へとお連れしろ!」
「は!」
「え?え?」
「ど、どういう事だ?ま、まぁ、陛下が来て下さるなら…ザーラ、行こうか。きっと、王家には様々なしきたりがあるから、ザーラを王太子妃にする為にきっと順序があるのだよ。」
「ま、まぁ…そう、そうよね?分かりましたわ。フォルラート様、ではまた後ほどお会い致しましょうね!ウフフフ!」
近衛兵もやっと、仕事を全う出来るとあってホッと胸をなで下ろしながら応接室へと案内をする為に歩き出した。
そして、ベンヤミン伯爵とザーラがいなくなり静かになったその場で、口を開いたのは、ニコレッタだった。
「なんなのあれは!?さすがに酷いわ!あなた!しっかり処罰してきてちょうだい!!あんなのが王太子妃になれるわけないのに!今までよく放置していたわね。さっさと片付けてきなさいよ!ほら、早く!」
「え?でも、わしも皆と一緒にお茶したいんだが…」
「はぁ!?あの二人がじっと待ってるわけないでしょ!!?これ以上野放しにしないでちょうだい!オティーリエも、あの娘のせいで風邪を引いたのでしょう?オティーリエは昔から熱を良く出していたから気をつけてあげないといけないのに!
もう!あなたはいつもそう!だからアンゼルム国王にもうまい事乗せられて山脈の鉄鉱石を勝手に掘られちゃうのよ!!
ほら!やるときはやる!早く行って!今日のこの顔合わせだってその為にわざと教えたのでしょ!?」
(!お父様の…。え?わざと!?)
「う、うーん…分かったよ……。また、お茶を一緒に飲んでくれるかい?」
「平和になったらいつでも出来るわよ!?」
「それもそうだな!じゃあ面倒だが行ってくる!あ、モーニカ公女によろしくな。」
そう言って、半ばニコレッタに追い出されるようにしてマティーアス国王は王宮へと向かった。
オティーリエは父の話題が出た為に謝ろうとしたが、分かっているようにニコレッタはオティーリエの方を向いて優しい声で、
「オティーリエは悪くないのよ。だから何も言わないでちょうだい。」
と言った。
☆★
マティーアス国王は、あの二人には素早く処遇を言い渡し、早く茶会に戻ろうと思いながら、二人が連れられて行った応接室へと向かう。後ろには、ウルバンという側仕えを連れている。
「なぁ、ウルバン。引き受け先はやはりあの炭鉱でいいか?」
「はい。手筈は整えてあります。今日からでも行けますよ。あそこは、男だけでなく女も強力な働き手ですからね。親子で行かせてあげましょう。せめてものお情けをと思いまして。」
「うむ。さすがウルバン!仕事が早い!」
「陛下が、ベンヤミンは要職についているからいろいろと面倒だからと放置しすぎましたからね。探す時間はたくさんありました。…その結果が、これですがね。
炭鉱長からは、どのように扱っても文句は言わないようにと口酸っぱく約束させられましたよ。陛下の署名も求められましたからね。」
「どのように、とな?まぁ送還されたあとは、炭鉱夫としての生活となるから、わしらは与り知らないなぁ?炭鉱長の思うままでよいぞ。娘だってそうだ。なぁ?」
お互い悪い笑みをしながら、部屋の前についた。
☆★
マティーアス国王が応接室に入ると待ってましたと言わんばかりに、ベンヤミンは今まで寛いでいたソファからすぐに立ち上がり、 マティーアス国王へと話し掛ける。
「さぁさぁお待ちしておりました!どうぞどうぞ!」
と、ソファへと促すベンヤミン。
が、マティーアスはそれを片手を上げて制し、扉の近くで早々に口を開く。
「ベンヤミン。お前の数々の悪行がこの度露見した事により、伯爵の地位から退いてもらう。そして新たな勤め先も準備してやる。
なあに、伯爵領の跡継ぎはこちらから手配してやるから気に病む事は何も無いぞ。」
「え!?どどどどういう事でしょう?陛下、何か思い違いをなさっているのでは?」
と、あからさまに顔色を青くして言葉を上げるベンヤミン。
ザーラも驚いた顔をしたが、さすがに声は発しなかった。いや、驚き過ぎて声が出なかったのかもしれない。
「何を言っとる。私が間違っとると言いたいのか?お前は、王宮での仕事の合間や帰り際によく、使用人へわざと仕事を増やすような事をしていたらしいな。八つ当たりか?鬱憤晴らしか?先日はそれで庭園の一角が燃えてしまったな?随分な損害だぞ!
王宮で働いておる使用人は、身分こそ低い者もいるが我ら王族や国の為に仕えているのだ。その者の仕事を滞らせる事をして良いわけがない!」
「や、それは…!」
「それによって、我が息子に嫁いで来てくれたオティーリエの住む棟の庭の手入れが追いつかなんだ。国際問題に発展してもおかしくない案件だぞ!」
「…。」
「それに、そこの娘!お前は、我が国の王太子妃となるオティーリエに数々の無礼な振る舞いや言葉遣いをした挙げ句、風邪を引かせたらしいな!ベンヤミンがどうしてもと言うから侍女の配置に付けさせたのにも関わらず、仕事もしないとは自覚が無いのにも程があるわ!!」
「あ、あれは向こうの体が弱いからです!私達には寒くもありませんでしたよね?それに、私があの女の侍女になればフォルラート様と顔を合わせられるからかと思って!ねぇお父様!?」
ザーラは、いきなり自分へ話が向けられたからと怯えながらも声を張って主張し、父親に助けを求めようとした。
「戯けた事を申すな!…まぁよい。今から、出発せい。テューロビンゲン国との間にある山脈の炭鉱だ。お前ら二人そこで、これからはしっかりと働くんだぞ。」
そう言うと、マティーアスは後ろにいたウルバンに視線を送る。ウルバンは心得たとばかりに頷いて廊下を覗き、先ほどよりも増えた近衛兵に指示をする。
近衛兵は四人いて、ベンヤミンに二人、ザーラに二人それぞればらけ、左右の腕を掴む。
「は!?ちょ、ちょっと陛下!?」
「あぁ、伯爵から退くのだから、ギルマンと名乗る事は禁止だ。お前はただのベンヤミンだ。娘!お前もだぞ!」
「え?どういう事!?お父様、話が違うわ!今日、王家の顔合わせがあるからお前も参加しろと言ったじゃない!今から顔合わせでしょう?たんこうって何?どこへ行くの?ねぇ、ギルマンと名乗れないってどういう事?…ち、ちょっと、離しなさいよ!腕を勝手に持たないで!さわ、触らないで!」
ベンヤミンとザーラは、すでに手配された過酷な炭鉱地へと近衛兵に急かされながら無理矢理連れて行かれるのだった。
「おお、そうだ!そして外戚として、私がこの国を引っ張っていくのだ!ハハハハハ!陛下、お!そこは、ザーラの席ですな?ザーラ、あちらへ。」
「ええ!?何故、フォルラート様の隣ではないの!?」
「そ、それは…顔が良く見えるからじゃないか?」
「うーん、それもそうね!では、失礼しまーす!」
「待て!」
ザーラとベンヤミンが意味の分からない言葉をつらつらと述べていて、皆呆気に取られていたがザーラが空いている席に座ろうとしてやっと、マティーアスが国王らしく口を開く。
「え?」
「陛下?」
「ベンヤミン伯爵と、その娘よ。そなた達には別室を用意してあるのだ。しばしそこで待たれよ。」
「ちょ、ちょっと!どういう事ですか!?せっかくの顔合わせなのでしょう!?」
「陛下?何故今そちらへ座ってはいかんのです?」
「聞こえなんだか?しばし、別室で待たれよ。後に、そちらへ私が直々に行ってやる。おい、二人を近くの応接室へとお連れしろ!」
「は!」
「え?え?」
「ど、どういう事だ?ま、まぁ、陛下が来て下さるなら…ザーラ、行こうか。きっと、王家には様々なしきたりがあるから、ザーラを王太子妃にする為にきっと順序があるのだよ。」
「ま、まぁ…そう、そうよね?分かりましたわ。フォルラート様、ではまた後ほどお会い致しましょうね!ウフフフ!」
近衛兵もやっと、仕事を全う出来るとあってホッと胸をなで下ろしながら応接室へと案内をする為に歩き出した。
そして、ベンヤミン伯爵とザーラがいなくなり静かになったその場で、口を開いたのは、ニコレッタだった。
「なんなのあれは!?さすがに酷いわ!あなた!しっかり処罰してきてちょうだい!!あんなのが王太子妃になれるわけないのに!今までよく放置していたわね。さっさと片付けてきなさいよ!ほら、早く!」
「え?でも、わしも皆と一緒にお茶したいんだが…」
「はぁ!?あの二人がじっと待ってるわけないでしょ!!?これ以上野放しにしないでちょうだい!オティーリエも、あの娘のせいで風邪を引いたのでしょう?オティーリエは昔から熱を良く出していたから気をつけてあげないといけないのに!
もう!あなたはいつもそう!だからアンゼルム国王にもうまい事乗せられて山脈の鉄鉱石を勝手に掘られちゃうのよ!!
ほら!やるときはやる!早く行って!今日のこの顔合わせだってその為にわざと教えたのでしょ!?」
(!お父様の…。え?わざと!?)
「う、うーん…分かったよ……。また、お茶を一緒に飲んでくれるかい?」
「平和になったらいつでも出来るわよ!?」
「それもそうだな!じゃあ面倒だが行ってくる!あ、モーニカ公女によろしくな。」
そう言って、半ばニコレッタに追い出されるようにしてマティーアス国王は王宮へと向かった。
オティーリエは父の話題が出た為に謝ろうとしたが、分かっているようにニコレッタはオティーリエの方を向いて優しい声で、
「オティーリエは悪くないのよ。だから何も言わないでちょうだい。」
と言った。
☆★
マティーアス国王は、あの二人には素早く処遇を言い渡し、早く茶会に戻ろうと思いながら、二人が連れられて行った応接室へと向かう。後ろには、ウルバンという側仕えを連れている。
「なぁ、ウルバン。引き受け先はやはりあの炭鉱でいいか?」
「はい。手筈は整えてあります。今日からでも行けますよ。あそこは、男だけでなく女も強力な働き手ですからね。親子で行かせてあげましょう。せめてものお情けをと思いまして。」
「うむ。さすがウルバン!仕事が早い!」
「陛下が、ベンヤミンは要職についているからいろいろと面倒だからと放置しすぎましたからね。探す時間はたくさんありました。…その結果が、これですがね。
炭鉱長からは、どのように扱っても文句は言わないようにと口酸っぱく約束させられましたよ。陛下の署名も求められましたからね。」
「どのように、とな?まぁ送還されたあとは、炭鉱夫としての生活となるから、わしらは与り知らないなぁ?炭鉱長の思うままでよいぞ。娘だってそうだ。なぁ?」
お互い悪い笑みをしながら、部屋の前についた。
☆★
マティーアス国王が応接室に入ると待ってましたと言わんばかりに、ベンヤミンは今まで寛いでいたソファからすぐに立ち上がり、 マティーアス国王へと話し掛ける。
「さぁさぁお待ちしておりました!どうぞどうぞ!」
と、ソファへと促すベンヤミン。
が、マティーアスはそれを片手を上げて制し、扉の近くで早々に口を開く。
「ベンヤミン。お前の数々の悪行がこの度露見した事により、伯爵の地位から退いてもらう。そして新たな勤め先も準備してやる。
なあに、伯爵領の跡継ぎはこちらから手配してやるから気に病む事は何も無いぞ。」
「え!?どどどどういう事でしょう?陛下、何か思い違いをなさっているのでは?」
と、あからさまに顔色を青くして言葉を上げるベンヤミン。
ザーラも驚いた顔をしたが、さすがに声は発しなかった。いや、驚き過ぎて声が出なかったのかもしれない。
「何を言っとる。私が間違っとると言いたいのか?お前は、王宮での仕事の合間や帰り際によく、使用人へわざと仕事を増やすような事をしていたらしいな。八つ当たりか?鬱憤晴らしか?先日はそれで庭園の一角が燃えてしまったな?随分な損害だぞ!
王宮で働いておる使用人は、身分こそ低い者もいるが我ら王族や国の為に仕えているのだ。その者の仕事を滞らせる事をして良いわけがない!」
「や、それは…!」
「それによって、我が息子に嫁いで来てくれたオティーリエの住む棟の庭の手入れが追いつかなんだ。国際問題に発展してもおかしくない案件だぞ!」
「…。」
「それに、そこの娘!お前は、我が国の王太子妃となるオティーリエに数々の無礼な振る舞いや言葉遣いをした挙げ句、風邪を引かせたらしいな!ベンヤミンがどうしてもと言うから侍女の配置に付けさせたのにも関わらず、仕事もしないとは自覚が無いのにも程があるわ!!」
「あ、あれは向こうの体が弱いからです!私達には寒くもありませんでしたよね?それに、私があの女の侍女になればフォルラート様と顔を合わせられるからかと思って!ねぇお父様!?」
ザーラは、いきなり自分へ話が向けられたからと怯えながらも声を張って主張し、父親に助けを求めようとした。
「戯けた事を申すな!…まぁよい。今から、出発せい。テューロビンゲン国との間にある山脈の炭鉱だ。お前ら二人そこで、これからはしっかりと働くんだぞ。」
そう言うと、マティーアスは後ろにいたウルバンに視線を送る。ウルバンは心得たとばかりに頷いて廊下を覗き、先ほどよりも増えた近衛兵に指示をする。
近衛兵は四人いて、ベンヤミンに二人、ザーラに二人それぞればらけ、左右の腕を掴む。
「は!?ちょ、ちょっと陛下!?」
「あぁ、伯爵から退くのだから、ギルマンと名乗る事は禁止だ。お前はただのベンヤミンだ。娘!お前もだぞ!」
「え?どういう事!?お父様、話が違うわ!今日、王家の顔合わせがあるからお前も参加しろと言ったじゃない!今から顔合わせでしょう?たんこうって何?どこへ行くの?ねぇ、ギルマンと名乗れないってどういう事?…ち、ちょっと、離しなさいよ!腕を勝手に持たないで!さわ、触らないで!」
ベンヤミンとザーラは、すでに手配された過酷な炭鉱地へと近衛兵に急かされながら無理矢理連れて行かれるのだった。
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