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本編

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なんだか、頭が重い…。けれど明るい光に導かれるように、意識が浮上して目を開いた。
そして、驚いた。いつもの自分の殺風景な部屋とは違い、広い。天井も高く、何かは分からないが、花や木の絵が所狭しと描かれている。

「ん…」

少し体を、光がある方へ動かしてみる。すると窓なのか扉なのか分からない位の大きな、しかし外が見えるから窓?が見えた。そこから外に出られるのか、庭のようだ。

《ん?どこ?どうしてこんな一流の豪華ホテルのような所にいるの?》

そう、考えようとしたところで声が掛かった。

「お目覚めですか?体調はいかがでしょう。」

私の母親くらいの女性の気遣うような声に、少しだけ意識がはっきりしてくる。

「えっと…はい」

しかし、はっきりしてきても未だなぜここにいるのか思い出せないため、なんと答えればよいのか悩みつつ言葉を発した。

「どこか痛いところなどはございますか?」

と再び声を掛けられたので、

「いいえ。体が重い気がしますが、痛いところはありません。けれど、私は…あの…」

と、疑問を投げかけようとしたのだが。

「そうでございますか。では、待医を呼んで参りますので、少しお待ちくださいますか。」

と、言われ、部屋を出て行ってしまった。

どうしようかと思ったが、とりあえず上半身を起こしてみる。すると、自分が思ったよりもはるかに広い部屋に居ることが分かった。

部屋の中心に今私がいるベッドがある。寝ていたベッドも、自分が今まで使っていたものより広く上質でマットもふかふかだ。

ベッドからみて右側は、窓というかガラス扉が並んでいる。明るい光が差し込む、その窓は足先から頭の上までの高さもあり、それが壁一面である。掃除が大変だろうなぁと思ってしまう。

足元の方は分厚そうなソファとテーブルが置いてあり、リビングみたいな感じだろうか。そこにも、窓が目線にあり、まるで窓から見る景色が額縁にはまった絵画のようだ。

庭は、色とりどりの花が咲いている。手間に地面に埋まっている花。少し奥に背の高い花が咲いており、その向こう側は花や木があるため見えず、プライバシーが守られているようだ。


コンコンコン。
「失礼してもよろしいでしょうか」

先ほどの声だ。

「はい。」

カチャ。
「待医をお連れいたしました。少し問診してもらいましょう。」




「なにも無くてようございました。申し遅れましたが、私は侍女長のタリアでございます。今から事情をお聞きになりたいとの事で、人をお通ししてもよろしいでしょうか。」

タリアさんはそう自己紹介をし、私にいいました。

事情…私も聞きたいのですけれど…なぜここにいるんでしょう?

そう思っているとまた扉がノックされ、人が二人入ってきました。


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