11 / 61
無職になった男と奴隷少女リン
襲撃
しおりを挟む
宴会の翌日、俺はリンとともに街を出ることにした。
買い物をするときにいらないものを全て売り払ったおかげで、家の中には持っていくものを除けば古い家具しか残っていない。
面倒になった俺はゴルグにそのことを告げると、家ごとそこそこの値段で引き取ってくれた。
戻ってくるつもりはなかったので、たとえ安値と言えどもお金の方がうれしい。
そして俺たちはアルディナ方面に向かう乗合馬車に乗った。
乗客が乗る大き目な馬車の後ろに、護衛の兵士が乗る小さな馬車、そしてついでに運送していると思われる荷物を載せた馬車も続いていた。
馬車に乗り込むと、ロメルの街はどんどん小さくなっていき、周囲には見渡す限りの平原が広がっていく。
「わあ、すごい、きれいですね!」
「そんなにすごいか?」
リンのはしゃぎっぷりに俺は少し驚く。
考えてみると、俺は馬車で街の外に出るのは初めてだったかもしれない。
せいぜい街の近くの村にお使いに行ったぐらいだろうか。多分リンも同じぐらいだろう。
「何でそんなに落ち着いているんですか? わあ、ほら、あそこに動物もいますよ!? 見てください!」
いや、景色は所詮ただの景色だ、と思ったが無邪気にはしゃいでいるリンの姿を見てその言葉を飲み込む。
「確かに街中では全然見かけないな」
「こんな広い世界があると思うと、今まで悩んでいたことがちっぽけに思えてきますね」
「……そうだな」
リンがそう思ってくれたのであれば嬉しい。
とはいえ、職業の問題はロメルの街を出たところでずっとついて回るだろうが。
そんなことを思いつつ、俺たちは馬車に揺られた。
昼頃に一度小さな村に停まって休憩を挟んだ後、馬車は平原から小高い山の中に差し掛かる。山道はでこぼこが多いため、揺れが激しくなり、俺は酔いそうになる。さらに道もだんだん狭くなっていき、馬車の速度も少しずつ遅くなっていった。
が、突然馬車は急停止した。そして前方からは何か怒鳴り声のような声が聞こえてくる。
見ると、前方には山賊らしき男たちが十人ほど集まって馬車の行く手を塞いでいる。そして後方にも賊が数人見えた。完全に囲まれており、それを見た乗客たちは騒然とする。
が、
「皆様は中でじっとしていてください!」
そう言って後ろの馬車から護衛の兵士たちが武器を構えて飛び出していく。
そう、こちらには本職の兵士がついている以上山賊なんかに負ける訳がない、と乗客たちは安心する。
兵士たちは武器を構えると逆に山賊に向かって叫んだ。
「今すぐ逃げ帰るなら許してやる!」
「誰が逃げ帰るか! そちらこそ武器を捨てて降参すれば命まではとらない!」
山賊が逃げ帰る意志はないと知った兵士たちは、馬車を山賊たちに斬りかかろうとする。
が、その時だった。
突然ひゅんひゅんと風を切る音とともに左右の山の中から矢が飛んできて、兵士たちを射抜く。
「ぐわっ」
「ぎゃあっ」
兵士たちは次々と悲鳴を上げて倒れていく。どうやら目の前に出てきた賊の他に、隠れて弓を構えていた賊もいたらしい。
数人が矢を回避したものの、こうなっては多勢に無勢だ。さらに山の中からぞろぞろと賊が降りてきて、馬車は完全に包囲される。
あっという間の出来事に乗客たちは逃げる暇もなかった。
敵のリーダー的な山賊が前に進み出て叫ぶ。
「兵士たちは武器を捨ててこちらに来い! 乗客は大人しくしていれば命まではとらない!」
その声につられて兵士たちは武器を捨てて歩いていく。
そして賊のうちから数人が馬車の中に入ってきた。こいつらも『山賊』『ならず者』『ごろつき』といった職業だったが、グローリア神の聖印をつけた白ローブの男が一人混ざっていた。
山賊に味方する神官がいるのか、と思ったが、山賊も神から与えられた役割を全うしようとしている、と思う神官もいるのかもしれない。
「問題ありません。無職が混ざっていますが、こいつらに戦闘職業の者はおりません」
神官が他の賊に言う。
神官は職業を司っているため、他人の職業を分かる力を持っている。
「無職?」
それを聞いた山賊は眉をひそめる。俺は無職のままだしリンも奴隷なのだが、山賊にまで馬鹿にされると腹が立つ。
リンはおそらくこんな事態に陥ったのは初めてなのだろう、表情が青くなっている。しかし俺は神殿で袋叩きに遭ったりヤクザと商売したりで若干慣れてきていた。
「そうか、じゃあこいつらの見張りは俺一人で十分だな」
「任せた」
そう言って他の山賊たちは馬車を出ていく。おそらくだが、後ろの馬車に乗っている物資や馬が目当てで乗客をどうこうするつもりはないのだろう。
が、そこで俺は気づく。
こいつらは俺たちの職業を見て油断している。近くにいるのは見張り一人。それならうまくやれば倒せるのではないか。
そう考えた俺は無言で隣にいる人々にこの前手に入れた「兵士」の職業を与える。
そんなことが一方的に出来るのかと少し疑問に思ったが、奪うのではなく与えるだけなら俺の意志だけで出来るらしい。男は職業を受け取ったことが分かったのか一瞬はっとしたが、すぐに俺の意図を察したのか声はあげなかった。
うまくいったようなので、さらに俺は近くにいた乗客たちに、「ならず者」「兵士」「剣士」といった戦闘に役立ちそうな職業を次々と配っていく。
いきなりのことであったが、周囲の乗客たちは突如自分たちが新たな職業に目覚めたことに気づいたらしい。
そして小声で言う。
「剣を一振り貸してくれないか?」
「ああ」
こういう不測の事態があるため、旅人の中には心得がなくとも剣を携帯している者が多い。
そのうちの一人が剣を貸してくれたので、俺はそれをリンに渡す。
「頼む」
「はい」
リンは頷くとともに剣を構えると、一目散に山賊の見張りに突っ込んでいく。
「ふん、小娘が……ぐわっ」
男はリンに剣を向けようとしたが、その時にはすでにリンの剣により切り裂かれていた。
それを見て俺は叫ぶ。
「詳しい説明は後だが、皆に職業を配った! その力で山賊を倒そうではないか!」
「おおおおおっ!」
最初にリンが見張りを倒したこともあり、突然職業を配られた他の乗客は沸き立つ。
剣士の男は最初の見張りが落とした剣を拾い、外の山賊に斬りかかる。他の者たちもそれぞれ護身用のナイフや杖を構えて外に出た。
人によって温度差もあるが、新たな職業を得たことを喜ぶ者もいる。
この国で普通に暮らしていれば職業を得るのは人生で一度しかないことだからだ。
「すごい……私がこんなに強いなんて」
斬りつけた山賊を見ながらリンは驚愕と興奮に包まれている。
言われてみれば今の動きの速さはただの「剣士」「兵士」よりも上かもしれない。
「細かいことは後だ、とりあえず奴らを何とかするぞ」
「はい!」
すでに外には先ほどの見張りの悲鳴を聞いて駆け付けた山賊たちが他の乗客との戦いになっているが、突然逆襲してくる乗客に驚いている。
「な、何だ!?」
「こいつらは非戦闘職じゃなかったのか!?」
慌てて山賊が逆襲に移り、乗客との戦いになる。が、向こうは動揺している上に数はこちらの方が多い。
「覚悟!」
そしてリンも縦横無尽に剣を振るい、まるで一陣の風のように次々と賊を倒していく。俺は思わずリンの姿に見とれてしまった。もしかすると剣士奴隷というのはただの剣士と奴隷を合わせただけの職業ではなく、もっと可能性があるものなのかもしれない。
が、そんなことを考えていると一人の賊がこちらに迫ってくる。
「お前がこいつらの親玉か!?」
「うるさい、俺はただの乗客だ!」
そう言って俺は反射的に護身用のナイフを振るう。
カキンッ、と甲高い金属音が響き、俺のナイフは正確に賊の剣にぶつかって弾き飛ばしていた。
「何……だと!?」
それを見て賊は呆然とするが、俺の方も驚く。これまで俺は他人と戦ったことなんてないし、武器もナイフと剣では勝ち目がない。
だが、今の一撃はマグレではなく正確に俺の攻撃が賊の武器に命中していた。
ということは俺の力は職業のやりとりだけではなく、俺自身も強化できるのか?
とはいえ検証は後だ。
俺は武器を失って呆然としている賊に斬りつける。
「ぐわあっ」
賊は一際大きな悲鳴をあげてその場に倒れた。
「大丈夫ですかご主人様!? すみません、自分の戦いに夢中になってしまって……あれ?」
そこへ慌てて戻ってきたリンが、俺と目の前に倒れている賊を見比べて首をかしげる。
「ご主人様ってそんなに強かったでしたっけ?」
「俺も今知った。何にせよ、心配してくれてありがとうな」
「当然です。ご主人様を傷つける者は絶対に許しませんから」
そんなことを話していると、俺たちの逆襲の様子を見て、今度は最初に武器を捨てさせられていた兵士たちも山賊から武器を奪って反撃に出た。
こうなってしまうと戦いは勢いであり、すっかり形勢は逆転してしまう。
「一体何なんだ!?」
「確かに奴らは非戦闘職だったはずなのに!」
「くそ、いったん撤収だ!」
こうして予想外の反撃に不意を突かれた山賊たちは体勢を立て直せない。
「待て、逃げるな!」
「大人しく投降しろ!」
一方の兵士たちは一度負けかけたことを気にしているのか、恨みを晴らすように執拗に山賊を追いかける。こうして襲い掛かってきた賊のほとんどが負傷か投降したのだった。
買い物をするときにいらないものを全て売り払ったおかげで、家の中には持っていくものを除けば古い家具しか残っていない。
面倒になった俺はゴルグにそのことを告げると、家ごとそこそこの値段で引き取ってくれた。
戻ってくるつもりはなかったので、たとえ安値と言えどもお金の方がうれしい。
そして俺たちはアルディナ方面に向かう乗合馬車に乗った。
乗客が乗る大き目な馬車の後ろに、護衛の兵士が乗る小さな馬車、そしてついでに運送していると思われる荷物を載せた馬車も続いていた。
馬車に乗り込むと、ロメルの街はどんどん小さくなっていき、周囲には見渡す限りの平原が広がっていく。
「わあ、すごい、きれいですね!」
「そんなにすごいか?」
リンのはしゃぎっぷりに俺は少し驚く。
考えてみると、俺は馬車で街の外に出るのは初めてだったかもしれない。
せいぜい街の近くの村にお使いに行ったぐらいだろうか。多分リンも同じぐらいだろう。
「何でそんなに落ち着いているんですか? わあ、ほら、あそこに動物もいますよ!? 見てください!」
いや、景色は所詮ただの景色だ、と思ったが無邪気にはしゃいでいるリンの姿を見てその言葉を飲み込む。
「確かに街中では全然見かけないな」
「こんな広い世界があると思うと、今まで悩んでいたことがちっぽけに思えてきますね」
「……そうだな」
リンがそう思ってくれたのであれば嬉しい。
とはいえ、職業の問題はロメルの街を出たところでずっとついて回るだろうが。
そんなことを思いつつ、俺たちは馬車に揺られた。
昼頃に一度小さな村に停まって休憩を挟んだ後、馬車は平原から小高い山の中に差し掛かる。山道はでこぼこが多いため、揺れが激しくなり、俺は酔いそうになる。さらに道もだんだん狭くなっていき、馬車の速度も少しずつ遅くなっていった。
が、突然馬車は急停止した。そして前方からは何か怒鳴り声のような声が聞こえてくる。
見ると、前方には山賊らしき男たちが十人ほど集まって馬車の行く手を塞いでいる。そして後方にも賊が数人見えた。完全に囲まれており、それを見た乗客たちは騒然とする。
が、
「皆様は中でじっとしていてください!」
そう言って後ろの馬車から護衛の兵士たちが武器を構えて飛び出していく。
そう、こちらには本職の兵士がついている以上山賊なんかに負ける訳がない、と乗客たちは安心する。
兵士たちは武器を構えると逆に山賊に向かって叫んだ。
「今すぐ逃げ帰るなら許してやる!」
「誰が逃げ帰るか! そちらこそ武器を捨てて降参すれば命まではとらない!」
山賊が逃げ帰る意志はないと知った兵士たちは、馬車を山賊たちに斬りかかろうとする。
が、その時だった。
突然ひゅんひゅんと風を切る音とともに左右の山の中から矢が飛んできて、兵士たちを射抜く。
「ぐわっ」
「ぎゃあっ」
兵士たちは次々と悲鳴を上げて倒れていく。どうやら目の前に出てきた賊の他に、隠れて弓を構えていた賊もいたらしい。
数人が矢を回避したものの、こうなっては多勢に無勢だ。さらに山の中からぞろぞろと賊が降りてきて、馬車は完全に包囲される。
あっという間の出来事に乗客たちは逃げる暇もなかった。
敵のリーダー的な山賊が前に進み出て叫ぶ。
「兵士たちは武器を捨ててこちらに来い! 乗客は大人しくしていれば命まではとらない!」
その声につられて兵士たちは武器を捨てて歩いていく。
そして賊のうちから数人が馬車の中に入ってきた。こいつらも『山賊』『ならず者』『ごろつき』といった職業だったが、グローリア神の聖印をつけた白ローブの男が一人混ざっていた。
山賊に味方する神官がいるのか、と思ったが、山賊も神から与えられた役割を全うしようとしている、と思う神官もいるのかもしれない。
「問題ありません。無職が混ざっていますが、こいつらに戦闘職業の者はおりません」
神官が他の賊に言う。
神官は職業を司っているため、他人の職業を分かる力を持っている。
「無職?」
それを聞いた山賊は眉をひそめる。俺は無職のままだしリンも奴隷なのだが、山賊にまで馬鹿にされると腹が立つ。
リンはおそらくこんな事態に陥ったのは初めてなのだろう、表情が青くなっている。しかし俺は神殿で袋叩きに遭ったりヤクザと商売したりで若干慣れてきていた。
「そうか、じゃあこいつらの見張りは俺一人で十分だな」
「任せた」
そう言って他の山賊たちは馬車を出ていく。おそらくだが、後ろの馬車に乗っている物資や馬が目当てで乗客をどうこうするつもりはないのだろう。
が、そこで俺は気づく。
こいつらは俺たちの職業を見て油断している。近くにいるのは見張り一人。それならうまくやれば倒せるのではないか。
そう考えた俺は無言で隣にいる人々にこの前手に入れた「兵士」の職業を与える。
そんなことが一方的に出来るのかと少し疑問に思ったが、奪うのではなく与えるだけなら俺の意志だけで出来るらしい。男は職業を受け取ったことが分かったのか一瞬はっとしたが、すぐに俺の意図を察したのか声はあげなかった。
うまくいったようなので、さらに俺は近くにいた乗客たちに、「ならず者」「兵士」「剣士」といった戦闘に役立ちそうな職業を次々と配っていく。
いきなりのことであったが、周囲の乗客たちは突如自分たちが新たな職業に目覚めたことに気づいたらしい。
そして小声で言う。
「剣を一振り貸してくれないか?」
「ああ」
こういう不測の事態があるため、旅人の中には心得がなくとも剣を携帯している者が多い。
そのうちの一人が剣を貸してくれたので、俺はそれをリンに渡す。
「頼む」
「はい」
リンは頷くとともに剣を構えると、一目散に山賊の見張りに突っ込んでいく。
「ふん、小娘が……ぐわっ」
男はリンに剣を向けようとしたが、その時にはすでにリンの剣により切り裂かれていた。
それを見て俺は叫ぶ。
「詳しい説明は後だが、皆に職業を配った! その力で山賊を倒そうではないか!」
「おおおおおっ!」
最初にリンが見張りを倒したこともあり、突然職業を配られた他の乗客は沸き立つ。
剣士の男は最初の見張りが落とした剣を拾い、外の山賊に斬りかかる。他の者たちもそれぞれ護身用のナイフや杖を構えて外に出た。
人によって温度差もあるが、新たな職業を得たことを喜ぶ者もいる。
この国で普通に暮らしていれば職業を得るのは人生で一度しかないことだからだ。
「すごい……私がこんなに強いなんて」
斬りつけた山賊を見ながらリンは驚愕と興奮に包まれている。
言われてみれば今の動きの速さはただの「剣士」「兵士」よりも上かもしれない。
「細かいことは後だ、とりあえず奴らを何とかするぞ」
「はい!」
すでに外には先ほどの見張りの悲鳴を聞いて駆け付けた山賊たちが他の乗客との戦いになっているが、突然逆襲してくる乗客に驚いている。
「な、何だ!?」
「こいつらは非戦闘職じゃなかったのか!?」
慌てて山賊が逆襲に移り、乗客との戦いになる。が、向こうは動揺している上に数はこちらの方が多い。
「覚悟!」
そしてリンも縦横無尽に剣を振るい、まるで一陣の風のように次々と賊を倒していく。俺は思わずリンの姿に見とれてしまった。もしかすると剣士奴隷というのはただの剣士と奴隷を合わせただけの職業ではなく、もっと可能性があるものなのかもしれない。
が、そんなことを考えていると一人の賊がこちらに迫ってくる。
「お前がこいつらの親玉か!?」
「うるさい、俺はただの乗客だ!」
そう言って俺は反射的に護身用のナイフを振るう。
カキンッ、と甲高い金属音が響き、俺のナイフは正確に賊の剣にぶつかって弾き飛ばしていた。
「何……だと!?」
それを見て賊は呆然とするが、俺の方も驚く。これまで俺は他人と戦ったことなんてないし、武器もナイフと剣では勝ち目がない。
だが、今の一撃はマグレではなく正確に俺の攻撃が賊の武器に命中していた。
ということは俺の力は職業のやりとりだけではなく、俺自身も強化できるのか?
とはいえ検証は後だ。
俺は武器を失って呆然としている賊に斬りつける。
「ぐわあっ」
賊は一際大きな悲鳴をあげてその場に倒れた。
「大丈夫ですかご主人様!? すみません、自分の戦いに夢中になってしまって……あれ?」
そこへ慌てて戻ってきたリンが、俺と目の前に倒れている賊を見比べて首をかしげる。
「ご主人様ってそんなに強かったでしたっけ?」
「俺も今知った。何にせよ、心配してくれてありがとうな」
「当然です。ご主人様を傷つける者は絶対に許しませんから」
そんなことを話していると、俺たちの逆襲の様子を見て、今度は最初に武器を捨てさせられていた兵士たちも山賊から武器を奪って反撃に出た。
こうなってしまうと戦いは勢いであり、すっかり形勢は逆転してしまう。
「一体何なんだ!?」
「確かに奴らは非戦闘職だったはずなのに!」
「くそ、いったん撤収だ!」
こうして予想外の反撃に不意を突かれた山賊たちは体勢を立て直せない。
「待て、逃げるな!」
「大人しく投降しろ!」
一方の兵士たちは一度負けかけたことを気にしているのか、恨みを晴らすように執拗に山賊を追いかける。こうして襲い掛かってきた賊のほとんどが負傷か投降したのだった。
0
お気に入りに追加
166
あなたにおすすめの小説
バイトで冒険者始めたら最強だったっていう話
紅赤
ファンタジー
ここは、地球とはまた別の世界――
田舎町の実家で働きもせずニートをしていたタロー。
暢気に暮らしていたタローであったが、ある日両親から家を追い出されてしまう。
仕方なく。本当に仕方なく、当てもなく歩を進めて辿り着いたのは冒険者の集う街<タイタン>
「冒険者って何の仕事だ?」とよくわからないまま、彼はバイトで冒険者を始めることに。
最初は田舎者だと他の冒険者にバカにされるが、気にせずテキトーに依頼を受けるタロー。
しかし、その依頼は難度Aの高ランククエストであることが判明。
ギルドマスターのドラムスは急いで救出チームを編成し、タローを助けに向かおうと――
――する前に、タローは何事もなく帰ってくるのであった。
しかもその姿は、
血まみれ。
右手には討伐したモンスターの首。
左手にはモンスターのドロップアイテム。
そしてスルメをかじりながら、背中にお爺さんを担いでいた。
「いや、情報量多すぎだろぉがあ゛ぁ!!」
ドラムスの叫びが響く中で、タローの意外な才能が発揮された瞬間だった。
タローの冒険者としての摩訶不思議な人生はこうして幕を開けたのである。
――これは、バイトで冒険者を始めたら最強だった。という話――
アイテムボックス無双 ~何でも収納! 奥義・首狩りアイテムボックス!~
明治サブ🍆スニーカー大賞【金賞】受賞作家
ファンタジー
※大・大・大どんでん返し回まで投稿済です!!
『第1回 次世代ファンタジーカップ ~最強「進化系ざまぁ」決定戦!』投稿作品。
無限収納機能を持つ『マジックバッグ』が巷にあふれる街で、収納魔法【アイテムボックス】しか使えない主人公・クリスは冒険者たちから無能扱いされ続け、ついに100パーティー目から追放されてしまう。
破れかぶれになって単騎で魔物討伐に向かい、あわや死にかけたところに謎の美しき旅の魔女が現れ、クリスに告げる。
「【アイテムボックス】は最強の魔法なんだよ。儂が使い方を教えてやろう」
【アイテムボックス】で魔物の首を、家屋を、オークの集落を丸ごと収納!? 【アイテムボックス】で道を作り、川を作り、街を作る!? ただの収納魔法と侮るなかれ。知覚できるものなら疫病だろうが敵の軍勢だろうが何だって除去する超能力! 主人公・クリスの成り上がりと「進化系ざまぁ」展開、そして最後に待ち受ける極上のどんでん返しを、とくとご覧あれ! 随所に散りばめられた大小さまざまな伏線を、あなたは見抜けるか!?
俺と幼女とエクスカリバー
鏡紫郎
ファンタジー
憧れた世界で人をやめ、彼女と出会い、そして俺は初めてあたりまえの恋におちた。
見知らぬ少女を助け死んだ俺こと明石徹(アカシトオル)は、中二病をこじらせ意気揚々と異世界転生を果たしたものの、目覚めるとなんと一本の「剣」になっていた。
最初の持ち主に使いものにならないという理由であっさりと捨てられ、途方に暮れる俺の目の前に現れたのは……なんと幼女!?
しかもこの幼女俺を復讐のために使うとか言ってるし、でもでも意思疎通ができるのは彼女だけで……一体この先どうなっちゃうの!?
剣になった少年と無口な幼女の冒険譚、ここに開幕
無能スキルと言われ追放されたが実は防御無視の最強スキルだった
さくらはい
ファンタジー
主人公の不動颯太は勇者としてクラスメイト達と共に異世界に召喚された。だが、【アスポート】という使えないスキルを獲得してしまったばかりに、一人だけ城を追放されてしまった。この【アスポート】は対象物を1mだけ瞬間移動させるという単純な効果を持つが、実はどんな物質でも一撃で破壊できる攻撃特化超火力スキルだったのだ――
【不定期更新】
1話あたり2000~3000文字くらいで短めです。
性的な表現はありませんが、ややグロテスクな表現や過激な思想が含まれます。
良ければ感想ください。誤字脱字誤用報告も歓迎です。
フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ
25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。
目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。
ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。
しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。
ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。
そんな主人公のゆったり成長期!!
辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します
潮ノ海月@書籍発売中
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる!
トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。
領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。
アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。
だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう
完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。
果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!?
これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。
『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる
農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」
そんな言葉から始まった異世界召喚。
呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!?
そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう!
このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。
勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定
私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。
ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。
他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。
なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。
どこかで見たような異世界物語
PIAS
ファンタジー
現代日本で暮らす特に共通点を持たない者達が、突如として異世界「ティルリンティ」へと飛ばされてしまう。
飛ばされた先はダンジョン内と思しき部屋の一室。
互いの思惑も分からぬまま協力体制を取ることになった彼らは、一先ずダンジョンからの脱出を目指す。
これは、右も左も分からない異世界に飛ばされ「異邦人」となってしまった彼らの織り成す物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる