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ダークドワーフのオルギム
VSゴルゴール
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「おい、お前たちはまさかそのまま逃げ切れるとは思っていないだろうな?」
城を出て少し歩いた時だった。
突然背後から巨岩を転がすような足音が聞こえてきたと思うと、上から降ってくるように声が響く。振り返ると、そこには体調三メートルほどの巨大な化物がいた。全身を茶色い体毛に覆われ、手には二メートル以上の棍棒を持ち、歩いてきたと思われる地面の上にはひびが入っている。加えて普通のオーガとは違い、身体にはきらきらした鎧を身に着けている。
「お前がゴルゴールか」
俺は振り向きざまに尋ねる。
「全く、他人の街を荒らした挙句人質を連れ帰ろうなどと人間や小人はやることが姑息だ」
「な、小人だと!?」
その言葉にオルギムは怒りの表情を浮かべる。とはいえ、ゴルゴールから見れば他の大体の生き物は小人と同じであった。
怒るオルギムをよそに連れてきた人質たちはゴルゴールの威容に肩を寄せ合って脅えている。
「怒っているところ悪いが、オルギムは彼らを守っていてくれ」
「あの、ここはもはや降伏するしか」
「もしくは散り散りに逃げた方がいいのではないか」
ダークドワーフたちは口々にそんなことを言う。
が、もちろん俺もこういう作戦を選んだとしてもゴルゴールと戦うことになるのではないかということは想定していた。そのため戦う備えはしてある。
「大丈夫だ、ただでかいだけのやつに負けるつもりはない」
そう言って俺は追放されたばかりの時に作った魔剣を抜く。俺の持つ魔力を剣の威力に変換するというものだ。相手が剣の達人であればすべての攻撃を避けられてしまうかもしれないが、体長三メートルの相手であれば俺が攻撃を外すとは思えない。
「ほう? この俺の力を侮っているのか。お前など俺の攻撃が当たればそれで終わりだ」
「そういうのは当ててから言うんだな。アルケミー・ボム!」
俺は先手をとって爆弾の魔法を発射する。が、ゴルゴールはあっさりそれを手で払いのける。爆音とともに爆弾は爆発し、辺りは煙に包まれる。
「おのれ人間め、小癪な!」
煙で視界が塞がれたゴルゴールはやたらめったらに棍棒を振り回す。普通に攻撃されるのであればある程度動きは読めるが、めくらうちで攻撃されるとどこから棍棒が迫ってくるか分からない恐怖がある。
(サイレンス・シューズ)
俺は静かに密かに靴に付与しておいて機能を起動する。この機能を使うと俺が動いても一切の音が立たなくなる。
その隙に俺はゴルゴールの背後に回ろうとする。
しかしゴルゴールは魔法の煙の中を縦横無尽に動き回っており、なかなか背後に辿り着けない。時折、棍棒が周囲の建物にぶつかってはごろごろと破片が崩れ落ち、当たりそうになる。
そこで俺はふと気づく。
少なくともゴルゴールは俺の姿を見て攻撃している訳ではない。ということは煙によるめくらましは一応成功しているということになる。とはいえ、ゴルゴールの振り回す棍棒の風圧で少しずつ煙幕は晴れていってしまっているが。
(アンチマテリアルボム)
俺は無詠唱でガウゼルを倒す時に使った対物理爆弾を作ると、それを地面に置く。おそらく直接投げつけると弾き飛ばされるか防御されてしまうだろうが、この煙幕の中地面に置いておけば踏み抜いてしまうのではないか。
俺は爆弾を瞬時に五つほど生成すると地面に置く。
そしてサイレントシューズの効果を解除し、叫ぶ。
「俺はこっちだ! バカみたいに棍棒を振り回して、当てることも出来ないのか!?」
「何だと?」
俺は叫ぶと同時にすぐに後ろに飛びのく。ゴルゴールは怒りの声とともに目にも留まらぬ速さで棍棒を振り降ろす。
が、棍棒が俺に命中する直前だった。
ドカン、という轟音とともにゴルゴールが踏み抜いた爆弾が一斉に爆発する。
「ぐあああああああああああああっ」
鼓膜が破れそうな音でゴルゴールは絶叫する。その大声と爆弾の爆風で周囲に漂っていた煙が一斉に晴れていったぐらいだった。
煙が晴れると、そこには足先を吹っ飛ばされたゴルゴールが血をだらだらと流しながらその場に倒れていた。また、倒れた時に手放してしまったのだろう、棍棒は城壁に突き刺さっていた。相変わらず恐ろしいまでの怪力だ。
とはいえ動きさえ封じてしまえばもはや怖くはない。
「喰らえっ!」
俺は魔剣を抜くとゴルゴールに向かって突進する。
「小癪な! この俺が人間の剣などに負けるわけがない!」
ゴルゴールはそう叫ぶと俺を素手で張り倒そうとする。
ゴルゴールの拳と俺の魔剣が交差する。次の瞬間、俺の魔剣はゴルゴールの拳を切り裂く。指が数本切り落とされ、鮮血が噴き出す。それを見てゴルゴールは痛みよりも先に驚きの声を上げた。
「な、何だと!?」
「これで終わりだ!」
次の瞬間、俺の剣がゴルゴールの胸の辺りを貫く。
「ぐわあああああああああああああああああああああああああっ!」
ゴルゴールは盛大な断末魔を上げるとその場に倒れた。
城を出て少し歩いた時だった。
突然背後から巨岩を転がすような足音が聞こえてきたと思うと、上から降ってくるように声が響く。振り返ると、そこには体調三メートルほどの巨大な化物がいた。全身を茶色い体毛に覆われ、手には二メートル以上の棍棒を持ち、歩いてきたと思われる地面の上にはひびが入っている。加えて普通のオーガとは違い、身体にはきらきらした鎧を身に着けている。
「お前がゴルゴールか」
俺は振り向きざまに尋ねる。
「全く、他人の街を荒らした挙句人質を連れ帰ろうなどと人間や小人はやることが姑息だ」
「な、小人だと!?」
その言葉にオルギムは怒りの表情を浮かべる。とはいえ、ゴルゴールから見れば他の大体の生き物は小人と同じであった。
怒るオルギムをよそに連れてきた人質たちはゴルゴールの威容に肩を寄せ合って脅えている。
「怒っているところ悪いが、オルギムは彼らを守っていてくれ」
「あの、ここはもはや降伏するしか」
「もしくは散り散りに逃げた方がいいのではないか」
ダークドワーフたちは口々にそんなことを言う。
が、もちろん俺もこういう作戦を選んだとしてもゴルゴールと戦うことになるのではないかということは想定していた。そのため戦う備えはしてある。
「大丈夫だ、ただでかいだけのやつに負けるつもりはない」
そう言って俺は追放されたばかりの時に作った魔剣を抜く。俺の持つ魔力を剣の威力に変換するというものだ。相手が剣の達人であればすべての攻撃を避けられてしまうかもしれないが、体長三メートルの相手であれば俺が攻撃を外すとは思えない。
「ほう? この俺の力を侮っているのか。お前など俺の攻撃が当たればそれで終わりだ」
「そういうのは当ててから言うんだな。アルケミー・ボム!」
俺は先手をとって爆弾の魔法を発射する。が、ゴルゴールはあっさりそれを手で払いのける。爆音とともに爆弾は爆発し、辺りは煙に包まれる。
「おのれ人間め、小癪な!」
煙で視界が塞がれたゴルゴールはやたらめったらに棍棒を振り回す。普通に攻撃されるのであればある程度動きは読めるが、めくらうちで攻撃されるとどこから棍棒が迫ってくるか分からない恐怖がある。
(サイレンス・シューズ)
俺は静かに密かに靴に付与しておいて機能を起動する。この機能を使うと俺が動いても一切の音が立たなくなる。
その隙に俺はゴルゴールの背後に回ろうとする。
しかしゴルゴールは魔法の煙の中を縦横無尽に動き回っており、なかなか背後に辿り着けない。時折、棍棒が周囲の建物にぶつかってはごろごろと破片が崩れ落ち、当たりそうになる。
そこで俺はふと気づく。
少なくともゴルゴールは俺の姿を見て攻撃している訳ではない。ということは煙によるめくらましは一応成功しているということになる。とはいえ、ゴルゴールの振り回す棍棒の風圧で少しずつ煙幕は晴れていってしまっているが。
(アンチマテリアルボム)
俺は無詠唱でガウゼルを倒す時に使った対物理爆弾を作ると、それを地面に置く。おそらく直接投げつけると弾き飛ばされるか防御されてしまうだろうが、この煙幕の中地面に置いておけば踏み抜いてしまうのではないか。
俺は爆弾を瞬時に五つほど生成すると地面に置く。
そしてサイレントシューズの効果を解除し、叫ぶ。
「俺はこっちだ! バカみたいに棍棒を振り回して、当てることも出来ないのか!?」
「何だと?」
俺は叫ぶと同時にすぐに後ろに飛びのく。ゴルゴールは怒りの声とともに目にも留まらぬ速さで棍棒を振り降ろす。
が、棍棒が俺に命中する直前だった。
ドカン、という轟音とともにゴルゴールが踏み抜いた爆弾が一斉に爆発する。
「ぐあああああああああああああっ」
鼓膜が破れそうな音でゴルゴールは絶叫する。その大声と爆弾の爆風で周囲に漂っていた煙が一斉に晴れていったぐらいだった。
煙が晴れると、そこには足先を吹っ飛ばされたゴルゴールが血をだらだらと流しながらその場に倒れていた。また、倒れた時に手放してしまったのだろう、棍棒は城壁に突き刺さっていた。相変わらず恐ろしいまでの怪力だ。
とはいえ動きさえ封じてしまえばもはや怖くはない。
「喰らえっ!」
俺は魔剣を抜くとゴルゴールに向かって突進する。
「小癪な! この俺が人間の剣などに負けるわけがない!」
ゴルゴールはそう叫ぶと俺を素手で張り倒そうとする。
ゴルゴールの拳と俺の魔剣が交差する。次の瞬間、俺の魔剣はゴルゴールの拳を切り裂く。指が数本切り落とされ、鮮血が噴き出す。それを見てゴルゴールは痛みよりも先に驚きの声を上げた。
「な、何だと!?」
「これで終わりだ!」
次の瞬間、俺の剣がゴルゴールの胸の辺りを貫く。
「ぐわあああああああああああああああああああああああああっ!」
ゴルゴールは盛大な断末魔を上げるとその場に倒れた。
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