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リリア編
番外編 聖騎士ドレイク
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ハイランダー家は王国の西方、王都から離れた田舎にある。
その辺りで聖女探索の責任者に任命されたのは二十過ぎの青年騎士、ドレイクであった。今や王国にとって聖女探索は一大任務となり、最近は王子が危うく偽物聖女を聖女にするところだったらしいという話もあるほどだ。そんな訳で教会も各地で担当を決めて、それぞれの範囲で探索を進めさせることとした。のである。
「全く、聖女探索と言われても一体どうすればいいんだ」
とはいえいきなりそんな役割に任命されたドレイクは嘆く。
「まあまあ。ドレイクさんのイケメンっぷりならどんな聖女も一発で出てきてくれますよ」
そう言って部下のケリンが茶化す。元々聖騎士自体が剣の腕と信仰の両方を持ち合わせていなければならない職であるが、さらにドレイクは道を歩けば女性は、いや男性ですら皆振り返るほどの美貌の持ち主であった。
とはいえ本人だけはなぜかそれに気づいておらず、いつもこうやって茶化されてはうんざりしている。
「お前なあ。そもそも見つけることすら出来ないから困っているんだろうが」
「そうですねぇ」
ケリンは茶化すだけ茶化し、特に妙案を出すこともなくその場を離れていく。
後に残されたドレイクはまたまた溜め息をついた。
そして目の前にある教会の神像を仰いで言う。
「おお、神よ。私はどうすればいいのでしょうか」
その時だった。突然、天井から一滴の水滴が落ちて来て近くにあった書類を濡らす。この普段雨漏りなどしない神殿でこんなことは初めてだ。
そう思いつつドレイクは書類についた水滴を拭きとろうとする。水滴がついた箇所はこの周辺にある貴族家について羅列されている項目だった。
「これはもしや神様の……? いや、まさかな」
まさか聖女がこの辺の貴族家にでもいるというのだろうか。しかし貴族であればすぐに家のために名乗り出ているはずだ。
ただの偶然だろう、と思ってドレイクは書類を片付ける。
が、その後ドレイクは窓の外を見て気づく。外は晴れていて雨など降っていないことに。
その辺りで聖女探索の責任者に任命されたのは二十過ぎの青年騎士、ドレイクであった。今や王国にとって聖女探索は一大任務となり、最近は王子が危うく偽物聖女を聖女にするところだったらしいという話もあるほどだ。そんな訳で教会も各地で担当を決めて、それぞれの範囲で探索を進めさせることとした。のである。
「全く、聖女探索と言われても一体どうすればいいんだ」
とはいえいきなりそんな役割に任命されたドレイクは嘆く。
「まあまあ。ドレイクさんのイケメンっぷりならどんな聖女も一発で出てきてくれますよ」
そう言って部下のケリンが茶化す。元々聖騎士自体が剣の腕と信仰の両方を持ち合わせていなければならない職であるが、さらにドレイクは道を歩けば女性は、いや男性ですら皆振り返るほどの美貌の持ち主であった。
とはいえ本人だけはなぜかそれに気づいておらず、いつもこうやって茶化されてはうんざりしている。
「お前なあ。そもそも見つけることすら出来ないから困っているんだろうが」
「そうですねぇ」
ケリンは茶化すだけ茶化し、特に妙案を出すこともなくその場を離れていく。
後に残されたドレイクはまたまた溜め息をついた。
そして目の前にある教会の神像を仰いで言う。
「おお、神よ。私はどうすればいいのでしょうか」
その時だった。突然、天井から一滴の水滴が落ちて来て近くにあった書類を濡らす。この普段雨漏りなどしない神殿でこんなことは初めてだ。
そう思いつつドレイクは書類についた水滴を拭きとろうとする。水滴がついた箇所はこの周辺にある貴族家について羅列されている項目だった。
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まさか聖女がこの辺の貴族家にでもいるというのだろうか。しかし貴族であればすぐに家のために名乗り出ているはずだ。
ただの偶然だろう、と思ってドレイクは書類を片付ける。
が、その後ドレイクは窓の外を見て気づく。外は晴れていて雨など降っていないことに。
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