1 / 29
1. 幽霊さんとはお話しできません!
しおりを挟む
「はぁぁぁ、自分の才能がうらめしい……もしかしなくとも神様に嫌われているのかしら」
賀茂川の河川敷で、絃乃は大きな独り言をぼやく。
その場にしゃがみこみ、ほころびかけた蕾に向かって話し出す。
「あなたはどう思う? 好きな気持ちは誰にも負けないのに、花器を生ける器量がゼロの私はこれからどう生きたらいいのかしら。美しさを半減……いいえ、先生いわく『花を冒涜したかのような出来映え』と評される女など、誰も嫁に貰いたがらないわよね」
群生する待宵草をぼんやりと眺める。
(つくづく、自分の不器用さに悲しくなってくるのだけど)
夕刻に咲き始め、朝にはしぼんでしまう黄色の花弁を指先でつつく。
美しく生けようとする気合いだけは充分だったが、いざ完成したものを見ると、級友の作品と比べるのもおこがましい。
そして今日、今まで誰も遠慮していた一言を、とうとう先生に言わせてしまった。
(思い描いたとおりに、どうしてならないの……)
何度目かのため息がもれる。
「私もお手本の先生みたいに飾れたら素敵よね。いつか、この夢が叶うように、あなたも応援してくれる?」
初夏の風に揺れる花を見つめるが、当然返事はない。
そろそろ帰ろうかと暮れゆく空を見上げる。
朱色の空に輝くのは白い月。起き上がり、小袖と藤紫の行灯袴についた土埃を払う。
「花との語らいは終わったのですか?」
「……っ……!」
ひとりの世界に浸っていた絃乃は、びくりと肩を揺らした。
(誰もいないと思っていたのに……っ!?)
花に話しかけている女など、せいぜい罵倒されるのが関の山だ。しかし、周りを見渡しても声の主は見当たらない。空耳でないとすれば、一体どこから。
悶々と考えていると、一番考えたくない可能性にたどり着いた。
「……ごっ、ごめんなさい! わわわ、私っ、幽霊さんとはお話しできません! 話し相手ならよそを当たってください!」
姿が見えない声といえば幽霊しかいない。そう結論づけた絃乃は背筋を震わしながらも、できるだけ丁重に退場を願い出た。だが、声は尚も聞こえてきた。
「あのう」
「ひぃ! やだやだ、末永く成仏してぇぇ!」
固く目をつぶり、再びしゃがみこむ。両手をすり合わせ、念仏を唱え始める。
「ご期待に添えずに申し訳ないのですが、幽霊ではありませんよ」
「……え?」
幽霊からの思わぬ否定に、驚いて瞼を持ち上げた。
土手に寝そべっていた男はむくりと体を起こし、下駄を鳴らしながら絃乃の前に立つ。
「ほら、足もちゃんと地面に着いていますし。何より、まだ人の往来が多い時間帯です」
落ち着いた声音に、着流した井桁絣の足元をまじまじと見つめる。
(見たところ、浮いてる様子もない……。ということは)
こわごわと視線を上へ移動すると、若い男と目が合う。
優しげな双眸が印象的だった。男は安心させるためか、おどけて笑ってみせる。
どうやら悪い人ではないらしい。けれど、心配性の絃乃は懐疑の目を向けた。
「で、では。現世に未練があって化けてきた人ではないのですか……?」
「違いますよ。生身の体ですし、今この瞬間もしっかりと生きています」
断言する声を耳にし、強張っていた体からふっと力が抜ける。
(よかった、幽霊に話しかけられたんじゃなくて。よく考えれば、出るとしたら深夜よね)
そこまで考え、絃乃は自分の失態に遅れて気づく。
「と、とんだ失礼を……!」
「いいえ、とんでもないです。僕が急に声をかけたせいで、驚かせてしまったようですし」
男は気を悪くした様子はなく、立てますか、と声をかける。
絃乃はこくりと頷く。自力で立ち上がり、改めて男に謝罪した。
「お見苦しいところを見せてしまって、ごめんなさい。他に人がいるなんて思わなくて」
「これは僕の憶測ですが。先ほどの光景は、今日に限ったことではないのでは?」
「う。……まさか、以前にもご覧になりました……?」
図星をつかれ、上目遣いに見上げる。否定してくれることを願いながら、言葉を待つ。
「いえ、今日が初めてです」
「でしたら、どうして」
「そんなに怖い目をしないでください。なんとなく、そんな気がしただけです」
男は困ったように両手を挙げた。言葉の真偽を確かめるべく、絃乃が注視していたからだ。
関心の矛先を変えようと、男は慌てたように語を継ぐ。
「ところで、青の矢絣に藤紫の袴。もしや、小紫女学生の方では?」
「え、あ。……はい、そうですけれど」
「確か、華道に力を入れた学校ですよね。優秀な指導者がいるなら、これから上達しますよ」
けれど、励ましの言葉ですら、今の絃乃には傷口に塩を塗る行為に等しい。
「華道の成績が『丙』でもですか?」
「……なるほど、それが重いため息の原因ですか」
得心がいった様子で、男は顎をさする。
「さようでございます。私にはお花を生ける才能が皆無のようでして」
絃乃は自嘲気味に返事した。
良妻賢母となるため、女学校の授業はそれに準じた内容になっている。修身、国語、数学、歴史といった科目の他に、花嫁修業に関する科目がある。家事や裁縫、琴、華道の授業は多めに時間割に組み込まれ、絃乃を悩ませる原因となっている。
「……そういえば。あなたこそ、ここで何をしていたのですか?」
「ああ、草花を写生していました。ただ、思いのほか居心地がよくて、仮眠のつもりがぐっすり寝てしまったようですが」
男は説明すると、先ほど寝そべっていた土手から帳面を持ってきた。表紙をめくり、ぱらぱらと用紙を繰っていくと、描き途中の花が描かれていた。
「……お上手ですね」
「ありがとうございます。よろしければ、ご覧になりますか」
「よろしいのですか? ぜひ!」
女学生としての淑女らしさを忘れ、絃乃は差し出された帳面に飛びついた。
どれも葉脈まで丹念に描きこまれている。一枚一枚が丁寧に描かれており、まるで目の前に花を見ているような錯覚を覚えた。
「……あら? 図書館でしか見たことのない花もある……」
「書物から模写することもありますので」
すぐに答える声に納得しつつ、ページを繰っていく。
「桔梗の花言葉は『誠実』。紫苑は『君を忘れない』。福寿草は『幸福を招く』……」
自然と自分の口からもれた声に、男が感心したように言う。
「ずいぶんと詳しいのですね」
「いえ、私の知識なんて本からかじった程度ですから。……素敵な絵でした。見せていただいて、ありがとうございました」
「こちらこそ、感想をいただけて励みになりましたよ」
すっかり日も沈み、辺りは夜の気配で満たされていた。
こんな時間に河川敷に降りる人間は、酔狂と思われても仕方がない。
「そろそろ帰る時間ですね。よければ途中までお送りしましょうか?」
「い、いえ。一人で大丈夫です」
慌てて手を振って断ると、男は朗らかに笑う。
「そうですか? では、夜道にはお気をつけて」
「……ええ、ごきげんよう」
不思議な男との出会いに奇妙な縁を感じつつ、絃乃は家路を急いだ。
賀茂川の河川敷で、絃乃は大きな独り言をぼやく。
その場にしゃがみこみ、ほころびかけた蕾に向かって話し出す。
「あなたはどう思う? 好きな気持ちは誰にも負けないのに、花器を生ける器量がゼロの私はこれからどう生きたらいいのかしら。美しさを半減……いいえ、先生いわく『花を冒涜したかのような出来映え』と評される女など、誰も嫁に貰いたがらないわよね」
群生する待宵草をぼんやりと眺める。
(つくづく、自分の不器用さに悲しくなってくるのだけど)
夕刻に咲き始め、朝にはしぼんでしまう黄色の花弁を指先でつつく。
美しく生けようとする気合いだけは充分だったが、いざ完成したものを見ると、級友の作品と比べるのもおこがましい。
そして今日、今まで誰も遠慮していた一言を、とうとう先生に言わせてしまった。
(思い描いたとおりに、どうしてならないの……)
何度目かのため息がもれる。
「私もお手本の先生みたいに飾れたら素敵よね。いつか、この夢が叶うように、あなたも応援してくれる?」
初夏の風に揺れる花を見つめるが、当然返事はない。
そろそろ帰ろうかと暮れゆく空を見上げる。
朱色の空に輝くのは白い月。起き上がり、小袖と藤紫の行灯袴についた土埃を払う。
「花との語らいは終わったのですか?」
「……っ……!」
ひとりの世界に浸っていた絃乃は、びくりと肩を揺らした。
(誰もいないと思っていたのに……っ!?)
花に話しかけている女など、せいぜい罵倒されるのが関の山だ。しかし、周りを見渡しても声の主は見当たらない。空耳でないとすれば、一体どこから。
悶々と考えていると、一番考えたくない可能性にたどり着いた。
「……ごっ、ごめんなさい! わわわ、私っ、幽霊さんとはお話しできません! 話し相手ならよそを当たってください!」
姿が見えない声といえば幽霊しかいない。そう結論づけた絃乃は背筋を震わしながらも、できるだけ丁重に退場を願い出た。だが、声は尚も聞こえてきた。
「あのう」
「ひぃ! やだやだ、末永く成仏してぇぇ!」
固く目をつぶり、再びしゃがみこむ。両手をすり合わせ、念仏を唱え始める。
「ご期待に添えずに申し訳ないのですが、幽霊ではありませんよ」
「……え?」
幽霊からの思わぬ否定に、驚いて瞼を持ち上げた。
土手に寝そべっていた男はむくりと体を起こし、下駄を鳴らしながら絃乃の前に立つ。
「ほら、足もちゃんと地面に着いていますし。何より、まだ人の往来が多い時間帯です」
落ち着いた声音に、着流した井桁絣の足元をまじまじと見つめる。
(見たところ、浮いてる様子もない……。ということは)
こわごわと視線を上へ移動すると、若い男と目が合う。
優しげな双眸が印象的だった。男は安心させるためか、おどけて笑ってみせる。
どうやら悪い人ではないらしい。けれど、心配性の絃乃は懐疑の目を向けた。
「で、では。現世に未練があって化けてきた人ではないのですか……?」
「違いますよ。生身の体ですし、今この瞬間もしっかりと生きています」
断言する声を耳にし、強張っていた体からふっと力が抜ける。
(よかった、幽霊に話しかけられたんじゃなくて。よく考えれば、出るとしたら深夜よね)
そこまで考え、絃乃は自分の失態に遅れて気づく。
「と、とんだ失礼を……!」
「いいえ、とんでもないです。僕が急に声をかけたせいで、驚かせてしまったようですし」
男は気を悪くした様子はなく、立てますか、と声をかける。
絃乃はこくりと頷く。自力で立ち上がり、改めて男に謝罪した。
「お見苦しいところを見せてしまって、ごめんなさい。他に人がいるなんて思わなくて」
「これは僕の憶測ですが。先ほどの光景は、今日に限ったことではないのでは?」
「う。……まさか、以前にもご覧になりました……?」
図星をつかれ、上目遣いに見上げる。否定してくれることを願いながら、言葉を待つ。
「いえ、今日が初めてです」
「でしたら、どうして」
「そんなに怖い目をしないでください。なんとなく、そんな気がしただけです」
男は困ったように両手を挙げた。言葉の真偽を確かめるべく、絃乃が注視していたからだ。
関心の矛先を変えようと、男は慌てたように語を継ぐ。
「ところで、青の矢絣に藤紫の袴。もしや、小紫女学生の方では?」
「え、あ。……はい、そうですけれど」
「確か、華道に力を入れた学校ですよね。優秀な指導者がいるなら、これから上達しますよ」
けれど、励ましの言葉ですら、今の絃乃には傷口に塩を塗る行為に等しい。
「華道の成績が『丙』でもですか?」
「……なるほど、それが重いため息の原因ですか」
得心がいった様子で、男は顎をさする。
「さようでございます。私にはお花を生ける才能が皆無のようでして」
絃乃は自嘲気味に返事した。
良妻賢母となるため、女学校の授業はそれに準じた内容になっている。修身、国語、数学、歴史といった科目の他に、花嫁修業に関する科目がある。家事や裁縫、琴、華道の授業は多めに時間割に組み込まれ、絃乃を悩ませる原因となっている。
「……そういえば。あなたこそ、ここで何をしていたのですか?」
「ああ、草花を写生していました。ただ、思いのほか居心地がよくて、仮眠のつもりがぐっすり寝てしまったようですが」
男は説明すると、先ほど寝そべっていた土手から帳面を持ってきた。表紙をめくり、ぱらぱらと用紙を繰っていくと、描き途中の花が描かれていた。
「……お上手ですね」
「ありがとうございます。よろしければ、ご覧になりますか」
「よろしいのですか? ぜひ!」
女学生としての淑女らしさを忘れ、絃乃は差し出された帳面に飛びついた。
どれも葉脈まで丹念に描きこまれている。一枚一枚が丁寧に描かれており、まるで目の前に花を見ているような錯覚を覚えた。
「……あら? 図書館でしか見たことのない花もある……」
「書物から模写することもありますので」
すぐに答える声に納得しつつ、ページを繰っていく。
「桔梗の花言葉は『誠実』。紫苑は『君を忘れない』。福寿草は『幸福を招く』……」
自然と自分の口からもれた声に、男が感心したように言う。
「ずいぶんと詳しいのですね」
「いえ、私の知識なんて本からかじった程度ですから。……素敵な絵でした。見せていただいて、ありがとうございました」
「こちらこそ、感想をいただけて励みになりましたよ」
すっかり日も沈み、辺りは夜の気配で満たされていた。
こんな時間に河川敷に降りる人間は、酔狂と思われても仕方がない。
「そろそろ帰る時間ですね。よければ途中までお送りしましょうか?」
「い、いえ。一人で大丈夫です」
慌てて手を振って断ると、男は朗らかに笑う。
「そうですか? では、夜道にはお気をつけて」
「……ええ、ごきげんよう」
不思議な男との出会いに奇妙な縁を感じつつ、絃乃は家路を急いだ。
0
お気に入りに追加
78
あなたにおすすめの小説
不機嫌な悪役令嬢〜王子は最強の悪役令嬢を溺愛する?〜
晴行
恋愛
乙女ゲームの貴族令嬢リリアーナに転生したわたしは、大きな屋敷の小さな部屋の中で窓のそばに腰掛けてため息ばかり。
見目麗しく深窓の令嬢なんて噂されるほどには容姿が優れているらしいけど、わたしは知っている。
これは主人公であるアリシアの物語。
わたしはその当て馬にされるだけの、悪役令嬢リリアーナでしかない。
窓の外を眺めて、次の転生は鳥になりたいと真剣に考えているの。
「つまらないわ」
わたしはいつも不機嫌。
どんなに努力しても運命が変えられないのなら、わたしがこの世界に転生した意味がない。
あーあ、もうやめた。
なにか他のことをしよう。お料理とか、お裁縫とか、魔法がある世界だからそれを勉強してもいいわ。
このお屋敷にはなんでも揃っていますし、わたしには才能がありますもの。
仕方がないので、ゲームのストーリーが始まるまで悪役令嬢らしく不機嫌に日々を過ごしましょう。
__それもカイル王子に裏切られて婚約を破棄され、大きな屋敷も貴族の称号もすべてを失い終わりなのだけど。
頑張ったことが全部無駄になるなんて、ほんとうにつまらないわ。
の、はずだったのだけれど。
アリシアが現れても、王子は彼女に興味がない様子。
ストーリーがなかなか始まらない。
これじゃ二人の仲を引き裂く悪役令嬢になれないわ。
カイル王子、間違ってます。わたしはアリシアではないですよ。いつもツンとしている?
それは当たり前です。貴方こそなぜわたしの家にやってくるのですか?
わたしの料理が食べたい? そんなのアリシアに作らせればいいでしょう?
毎日つくれ? ふざけるな。
……カイル王子、そろそろ帰ってくれません?
ぽっちゃりな私は妹に婚約者を取られましたが、嫁ぎ先での溺愛がとまりません~冷酷な伯爵様とは誰のこと?~
柊木 ひなき
恋愛
「メリーナ、お前との婚約を破棄する!」夜会の最中に婚約者の第一王子から婚約破棄を告げられ、妹からは馬鹿にされ、貴族達の笑い者になった。
その時、思い出したのだ。(私の前世、美容部員だった!)この体型、ドレス、確かにやばい!
この世界の美の基準は、スリム体型が前提。まずはダイエットを……え、もう次の結婚? お相手は、超絶美形の伯爵様!? からの溺愛!? なんで!?
※シリアス展開もわりとあります。
悪役令嬢に転生したので落ちこぼれ攻略キャラを育てるつもりが逆に攻略されているのかもしれない
亜瑠真白
恋愛
推しキャラを幸せにしたい転生令嬢×裏アリ優等生攻略キャラ
社畜OLが転生した先は乙女ゲームの悪役令嬢エマ・リーステンだった。ゲーム内の推し攻略キャラ・ルイスと対面を果たしたエマは決心した。「他の攻略キャラを出し抜いて、ルイスを主人公とくっつけてやる!」と。優等生キャラのルイスや、エマの許嫁だった俺様系攻略キャラのジキウスは、ゲームのシナリオと少し様子が違うよう。
エマは無事にルイスと主人公をカップルにすることが出来るのか。それとも……
「エマ、可愛い」
いたずらっぽく笑うルイス。そんな顔、私は知らない。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
婚約破棄されたら魔法が解けました
かな
恋愛
「クロエ・ベネット。お前との婚約は破棄する。」
それは学園の卒業パーティーでの出来事だった。……やっぱり、ダメだったんだ。周りがザワザワと騒ぎ出す中、ただ1人『クロエ・ベネット』だけは冷静に事実を受け止めていた。乙女ゲームの世界に転生してから10年。国外追放を回避する為に、そして后妃となる為に努力し続けて来たその時間が無駄になった瞬間だった。そんな彼女に追い打ちをかけるかのように、王太子であるエドワード・ホワイトは聖女を新たな婚約者とすることを発表した。その後はトントン拍子にことが運び、冤罪をかけられ、ゲームのシナリオ通り国外追放になった。そして、魔物に襲われて死ぬ。……そんな運命を辿るはずだった。
「こんなことなら、転生なんてしたくなかった。元の世界に戻りたい……」
あろうことか、最後の願いとしてそう思った瞬間に、全身が光り出したのだ。そして気がつくと、なんと前世の姿に戻っていた!しかもそれを第二王子であるアルベルトに見られていて……。
「……まさかこんなことになるなんてね。……それでどうする?あの2人復讐でもしちゃう?今の君なら、それができるよ。」
死を覚悟した絶望から転生特典を得た主人公の大逆転溺愛ラブストーリー!
※最初の5話は毎日18時に投稿、それ以降は毎週土曜日の18時に投稿する予定です
転生した悪役令嬢は破滅エンドを避けるため、魔法を極めたらなぜか攻略対象から溺愛されました
平山和人
恋愛
悪役令嬢のクロエは八歳の誕生日の時、ここが前世でプレイしていた乙女ゲーム『聖魔と乙女のレガリア』の世界であることを知る。
クロエに割り振られたのは、主人公を虐め、攻略対象から断罪され、破滅を迎える悪役令嬢としての人生だった。
そんな結末は絶対嫌だとクロエは敵を作らないように立ち回り、魔法を極めて断罪フラグと破滅エンドを回避しようとする。
そうしていると、なぜかクロエは家族を始め、周りの人間から溺愛されるのであった。しかも本来ならば主人公と結ばれるはずの攻略対象からも
深く愛されるクロエ。果たしてクロエの破滅エンドは回避できるのか。
悪役令嬢、第四王子と結婚します!
水魔沙希
恋愛
私・フローディア・フランソワーズには前世の記憶があります。定番の乙女ゲームの悪役転生というものです。私に残された道はただ一つ。破滅フラグを立てない事!それには、手っ取り早く同じく悪役キャラになってしまう第四王子を何とかして、私の手中にして、シナリオブレイクします!
小説家になろう様にも、書き起こしております。
悪役令嬢なのに下町にいます ~王子が婚約解消してくれません~
ミズメ
恋愛
【2023.5.31書籍発売】
転生先は、乙女ゲームの悪役令嬢でした——。
侯爵令嬢のベラトリクスは、わがまま放題、傍若無人な少女だった。
婚約者である第1王子が他の令嬢と親しげにしていることに激高して暴れた所、割った花瓶で足を滑らせて頭を打ち、意識を失ってしまった。
目を覚ましたベラトリクスの中には前世の記憶が混在していて--。
卒業パーティーでの婚約破棄&王都追放&実家の取り潰しという定番3点セットを回避するため、社交界から逃げた悪役令嬢は、王都の下町で、メンチカツに出会ったのだった。
○『モブなのに巻き込まれています』のスピンオフ作品ですが、単独でも読んでいただけます。
○転生悪役令嬢が婚約解消と断罪回避のために奮闘?しながら、下町食堂の美味しいものに夢中になったり、逆に婚約者に興味を持たれたりしてしまうお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる