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「221話」
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「とりあえずつけるぞ。時間も押してるしな」
やさぐれたクロをどうにかなだめ、どうにかちょっと不機嫌……程度に収まったところで、入手した装備を装着していく。
……てっきり、バラバラにして籠手なら籠手、胴なら銅と、剣道の防具を付けるように装着するのかなと思ったのだけど、違った。
「こうやってつけるのね」
背中とか腕とか足とか……ようは背面部分が全てガバって開いて、そこに体を入れると、ガチャって開いたところが閉じる感じ。つけるの楽なのは良いね。
「ヘルメットとかつけっぱなしで良いんですね」
あと楽というか、どうするのか気になってた部分なんだけど。
プロテクターとかヘルメットやフェイスガードやらなんやら、その辺りはつけっぱなしでも問題なく装着できた。
当世具足……鎧武者……なんて呼べばいいかな。具足でいっか。
その具足部分とプロテクターなりヘルメットなりがあたって、圧迫されて痛いとか、そういったこともない。
具足自体は俺より二回り大きいぐらいだから、多少中には余裕あるのだろう。その割にはフィット感もあるけど……まあ、不思議な力でどうにか調整してるんでしょ。きっとそうだ。
「思ったより動きやすい」
具足を身に着け、とりあえずラジオ体操っぽく体を動かしてみるが、特に動きを阻害するようなことはない。むしろ身体能力が……それこそドラゴンカードをつけた時並みに上がっているので、むしろ動きやすくなったように思える。すごいなこれ。
「武器のリーチ変えるの忘れずにな」
「っと、そうだった……あと素材で強化もしないと」
いけねっ。
具足に夢中で他の事忘れてたわ。
極大ダンジョンなので武器のリーチも解禁されるね。どこまで伸びるか分らんけど……限界までチャレンジしてみるか? いや、まあ余り長いとフレンドリーファイアが怖いから、ある程度でやめるけどさ。鉈を振ったら周りの人間の首が飛びました! やったね! とかシャレにならん。
飛竜の素材がまだ余ってるからそれで具足も強化してしまおう。
それ以外の装備はすでに改造ずみだ。元々ドラゴンとシーサーペントの素材を使って強化していたから見た目はドラゴンっぽかったんだけど、飛竜を使うとさらにそれっぽくなった。どこぞのゲームの竜騎士のようである。
あ、ちなみに強化に使える素材は二種までだから、とりあえずドラゴンと飛竜にしておいたよ。
シーサーペントのほうが良いかも知れないけど、なんとなくだ。こっちのほうがよりドラゴンっぽくなるかなって思ったのよね。
まあ、予想通りよりドラゴンらしくなったのでよしとしている。
「島津さん、すごいっす! すっごい恰好いいっすよ!」
「そ、そうかな?」
とりあえず、さくっと強化した。
そしたら大野さんが興奮しだした。
まわりの米軍さんもテンション上がりまくってるな。
なにか彼らに共通するものを刺激する何かがあったのだろうか。
『ハラキーリ!!』とか言ってる。切らねえよ。お前の首切っちゃうぞ。
まあ、実際に見た目は恰好いいと思う。
ドラゴンと飛竜の素材を使い強化したことで、具足の外見は変化している。
とは言え、変化量は俺が普段使っている装備ほどではない。
具足の部分は大半が残っており、ところどころ装飾のように竜……じゃないな、龍をモチーフとした形状へと変化している。色も全体的に黒くなってるかな。
特に変わったのは兜だろう。龍の頭部を象った飾りがドンッと乗っている。
変化したフェイスガードと合わさって、なかなかに迫力がある。
さらには鉈のリーチを大きく変え、さらには出来心で見た目を日本刀に近づけた事もあって……龍を意匠とした具足を身にまとい、身の丈ほどもある刀を持つ武者。まさにそんな見た目になっていたりする。
ああ、そうだ。
盾については左肩から腕にかけて大袖っていうのかな? そんなのがついてて、そこに収納されてるよ。大きさが若干あってない気がしたけど……まあ、気にしないでおいた。気にしたら負けだ。
装備を整え、さて時間までクロのご機嫌取りでもしようかなー? とブラッシングをしていると、なにやらカメラを持った人たちが近付いてきた。
「え、映像を記録? 放送?」
どうやら日米の隊員が共同でダンジョンを攻略している場面を映像に撮り、放映もするんだそうな。
その許可を取りに来たっぽい。
そういや、たまーに演習の映像とか見たことあるけど、あれかなーと思いながら、ちらっとクロ、そして隊員さん達に視線を向ける。
「まあ……俺たちは別にいいっすけど」
みんな大丈夫っぽいので、良いよーと答えておく。
この手のって上の方で決めて、下には撮影すると言うことだけ伝えるとか、そんなイメージだったけど事前にこうやって聞いたりすんのね。
今回が特別なのかな? ところで、あんまりクロにカメラ向けすぎると不機嫌なのがさらに不機嫌に……フーッてやられても知らないぞっ。
さて、そろそろ出発かな……例のスライムっぽいなにかは14階に居るそうな。極大ダンジョンって考えると、強さ的にはトロールぐらいあうかもだね。もしかするともっと強いかもだ。
レベル的にも装備的にも余裕だとは思うけれど、俺たちも油断せずに行くとしよう。スライムとか戦い慣れてないしね。
さってさて、14階まで……14階まで?
「……ところで、14階までどうやって行くんです?」
まさか1階から歩いていくんだろうか?
前にうちのダンジョンに米軍がきたときは、アマツに頼んで牛さんまでショートカットしたけど……今回はこれ、どうなるんだろ。
やさぐれたクロをどうにかなだめ、どうにかちょっと不機嫌……程度に収まったところで、入手した装備を装着していく。
……てっきり、バラバラにして籠手なら籠手、胴なら銅と、剣道の防具を付けるように装着するのかなと思ったのだけど、違った。
「こうやってつけるのね」
背中とか腕とか足とか……ようは背面部分が全てガバって開いて、そこに体を入れると、ガチャって開いたところが閉じる感じ。つけるの楽なのは良いね。
「ヘルメットとかつけっぱなしで良いんですね」
あと楽というか、どうするのか気になってた部分なんだけど。
プロテクターとかヘルメットやフェイスガードやらなんやら、その辺りはつけっぱなしでも問題なく装着できた。
当世具足……鎧武者……なんて呼べばいいかな。具足でいっか。
その具足部分とプロテクターなりヘルメットなりがあたって、圧迫されて痛いとか、そういったこともない。
具足自体は俺より二回り大きいぐらいだから、多少中には余裕あるのだろう。その割にはフィット感もあるけど……まあ、不思議な力でどうにか調整してるんでしょ。きっとそうだ。
「思ったより動きやすい」
具足を身に着け、とりあえずラジオ体操っぽく体を動かしてみるが、特に動きを阻害するようなことはない。むしろ身体能力が……それこそドラゴンカードをつけた時並みに上がっているので、むしろ動きやすくなったように思える。すごいなこれ。
「武器のリーチ変えるの忘れずにな」
「っと、そうだった……あと素材で強化もしないと」
いけねっ。
具足に夢中で他の事忘れてたわ。
極大ダンジョンなので武器のリーチも解禁されるね。どこまで伸びるか分らんけど……限界までチャレンジしてみるか? いや、まあ余り長いとフレンドリーファイアが怖いから、ある程度でやめるけどさ。鉈を振ったら周りの人間の首が飛びました! やったね! とかシャレにならん。
飛竜の素材がまだ余ってるからそれで具足も強化してしまおう。
それ以外の装備はすでに改造ずみだ。元々ドラゴンとシーサーペントの素材を使って強化していたから見た目はドラゴンっぽかったんだけど、飛竜を使うとさらにそれっぽくなった。どこぞのゲームの竜騎士のようである。
あ、ちなみに強化に使える素材は二種までだから、とりあえずドラゴンと飛竜にしておいたよ。
シーサーペントのほうが良いかも知れないけど、なんとなくだ。こっちのほうがよりドラゴンっぽくなるかなって思ったのよね。
まあ、予想通りよりドラゴンらしくなったのでよしとしている。
「島津さん、すごいっす! すっごい恰好いいっすよ!」
「そ、そうかな?」
とりあえず、さくっと強化した。
そしたら大野さんが興奮しだした。
まわりの米軍さんもテンション上がりまくってるな。
なにか彼らに共通するものを刺激する何かがあったのだろうか。
『ハラキーリ!!』とか言ってる。切らねえよ。お前の首切っちゃうぞ。
まあ、実際に見た目は恰好いいと思う。
ドラゴンと飛竜の素材を使い強化したことで、具足の外見は変化している。
とは言え、変化量は俺が普段使っている装備ほどではない。
具足の部分は大半が残っており、ところどころ装飾のように竜……じゃないな、龍をモチーフとした形状へと変化している。色も全体的に黒くなってるかな。
特に変わったのは兜だろう。龍の頭部を象った飾りがドンッと乗っている。
変化したフェイスガードと合わさって、なかなかに迫力がある。
さらには鉈のリーチを大きく変え、さらには出来心で見た目を日本刀に近づけた事もあって……龍を意匠とした具足を身にまとい、身の丈ほどもある刀を持つ武者。まさにそんな見た目になっていたりする。
ああ、そうだ。
盾については左肩から腕にかけて大袖っていうのかな? そんなのがついてて、そこに収納されてるよ。大きさが若干あってない気がしたけど……まあ、気にしないでおいた。気にしたら負けだ。
装備を整え、さて時間までクロのご機嫌取りでもしようかなー? とブラッシングをしていると、なにやらカメラを持った人たちが近付いてきた。
「え、映像を記録? 放送?」
どうやら日米の隊員が共同でダンジョンを攻略している場面を映像に撮り、放映もするんだそうな。
その許可を取りに来たっぽい。
そういや、たまーに演習の映像とか見たことあるけど、あれかなーと思いながら、ちらっとクロ、そして隊員さん達に視線を向ける。
「まあ……俺たちは別にいいっすけど」
みんな大丈夫っぽいので、良いよーと答えておく。
この手のって上の方で決めて、下には撮影すると言うことだけ伝えるとか、そんなイメージだったけど事前にこうやって聞いたりすんのね。
今回が特別なのかな? ところで、あんまりクロにカメラ向けすぎると不機嫌なのがさらに不機嫌に……フーッてやられても知らないぞっ。
さて、そろそろ出発かな……例のスライムっぽいなにかは14階に居るそうな。極大ダンジョンって考えると、強さ的にはトロールぐらいあうかもだね。もしかするともっと強いかもだ。
レベル的にも装備的にも余裕だとは思うけれど、俺たちも油断せずに行くとしよう。スライムとか戦い慣れてないしね。
さってさて、14階まで……14階まで?
「……ところで、14階までどうやって行くんです?」
まさか1階から歩いていくんだろうか?
前にうちのダンジョンに米軍がきたときは、アマツに頼んで牛さんまでショートカットしたけど……今回はこれ、どうなるんだろ。
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