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「183話」

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その後はせっかくだからと都丸さんと太郎の狩りについて周った。
だんだん狩り方がうまくなっていくし、強くなっていくのも分かるしで結構みてるだけでも楽しかった。

クロは気付いたら頭上で寝てたね。
また器用な特技を見につけよってからに……可愛いから良いけどっ。


んで、狩りが終わったあとは、頑張ったからと言うことでご褒美兼ねてカフェルームでお茶することになった。
……ふと思ったけどさ、俺って都丸さんとお茶する率高くないです??

どうせなら北……いや、なんでもない。

とりあえず太郎……とクロのケーキでも選びますかね。
頭上で寝てたクロもケーキの匂いにつられて起きたっぽいし。
顔をぺちぺちしちゃいけませんっ。


「犬用ケーキもあるのか」

「頑張ってたし、一番高いの買っちゃいますか」

犬用のケーキも、人と同様にお値段は様々だ。
せっかくなので一番高いのを買おうって話になったんだけど……太郎的には量が多いほうが嬉しかったらしい。
ちょっと小さめだったからしょんぼりしてた。

まあ、食い始めたらそんなのもどっか行っちゃうんですけどね。

犬にとってもここのケーキは美味しいらしい。


「太郎用の装備も買わないとですね」

「ああ、もう少しレベルを上げて問題なく意思疎通が出来るようになったら買おうと思う」

早めに装備持たせておけば、本体と同じペースでレベル上がっていくから色々都合が良い。
もっとも今すぐ渡すのは……武器って理解できるか分からんので、もう少し賢くなってからにするようだ。

犬用の装備ってどんなのあるんだろね?
なんかケルベロスのかぶりもの見たいのはあったけど……そういや猫以外の尻尾とかあったっけ?
最近低レベル帯の装備ちゃんと見てないから、何あるかいまいち把握出来てないんよね。

ま、そこは都丸さんたちがちゃんと選ぶだろうから大丈夫だと思うけど。



「そういえば年明けのイベントのお知らせ見ました?」

お茶ついでに昼食もとって、お腹も落ち着いたところで話題は例のイベントへと移る。

「ああ、みたぞ。島津は参加するのか?」

「ええ、限定ダンジョンとか出店とか気になるんで……あと例のあれも」

限定ダンジョンは絶対潜るでしょ、それにガチャもやりたいし、出店も気になる。
あれは、遠巻きで様子でも眺めようかなーって思ってる。

あんまりにもトラウマ増産しまくってたら、俺が参加して終われせてしまおうかと、ちょっと考えてる。
まあ……あくまで最悪の場合けどね。たぶんアマツがそうならないように調整してるだろうし、してるに違いないし、そう思いたいので……たぶん、だいじょぶ。

「あれな、本当にやるとは思わなかったぞ……イベントは俺たちも参加予定だ。限定ダンジョンの詳細が当日まで分からんが、一緒に潜れるようなら一緒にどうだ?」

お、お誘いされちゃったゼ、

まあ、こっちからもお誘いするつもりはあったけどね。

「ええ、お願いします……もしかすると中村も来るかも知れませんが」

忘れてないんだからね、中村のこと。
そろそろ中村もイベント行こうぜ!って言ってくる頃だろうし、たぶん一緒に行くことになろうだろう。

「ああ、問題ないよ。大分うちのメンバーとも打ち解けているしな」

一応まだ土日は隊員さん達とここ以外のダンジョンに潜るの継続中だからね。
さすがに打ち解けてるわな。

あれ、なんかスマホが震えて……。

「ん……言った側からメッセージが」

言った側からメッセージきたよ。すごいタイミングだな、おい。

「なんと?」

「イベント行こうぜ!だ、そうです……隊員さんと一緒に行くから中村もどう?……っとな」

しかも同じセリフとか……ほら、中村って結構単純だから?しょうがないね。
とりあえず隊員さんと一緒にどー?って送っておこう。まあ、返事はすぐ来るでしょ。

「おなしゃす!って言ってますね」

そく返事来たわ。

ん?もう一個きたぞ……何々。

「私服でいいん?とな……アバター使うって話ですし、良いのかな?あ、でも限定ダンジョンは違うのかな……」

俺モドキとの戦闘はアバターでしょ。
でもそれ以外の限定ダンジョンとか分からんのよな。

もしアバターじゃないのなら、装備を事前に着て行かないとダメになる?
一般人も来るって話なのに、そんな中またあの格好で行くことになるのか……さすがにちょっと恥ずかしいぞっ。


まあ、でも顔は見せないし、良いのかなー?うーん……とか色々悩んでた時だった。
突如として部屋に声が響き渡る。

「限定ダンジョンもアバターだよ!!一般の人も入るからね!!」

「相変わらず声がでかい……」

耳痛いんですけどっ。

太郎とかむっちゃ驚いてるじゃん。クロはすんごい目つき悪くなっちゃったし、もう。

「アバターには普段使っている装備を反映させるからね、着てこなくても大丈夫だよ!」

ふむふむ。
限定ダンジョンも大丈夫と。

ところで例のイベントなんだけど、あれって本当に大丈夫なのかね……。

「それじゃ!!」

「あ……」

って聞こうと思ったら、即行でアマツが消え失せた。
逃げたなあんにゃろう。

「色々聞こうと思ったのになー」

「色々と忙しいんだろうさ」

んー、確かに色々忙しいとは思う。

未だに毎日のようにお偉方とか、そっち関係者と会議してそうだし。
その上イベントの準備とかしてるんだろうしねー。

ちょっとばかし働過ぎな気がしなくもない。

んまあ、疲れてそうだったら何かスタミナつきそうなものでも差し入れてあげよう。
ストロングなお酒とか。



とりあえず、午前中は都丸さんと太郎の狩りに付き合ったもんで、今日はもうダンジョンで狩りしなくていいかーっとなったのね。

んで、暇になったもんで……ちょっとイベントの服装をどうしようかと考えてたんですよ。

「服何着てこ……下はジーパン、上はシャツと適当な長袖で良いか?いや、でも人いっぱいくるしなー……変な格好してくと浮いちゃいそうだよなあ」

悩むほど服にバリエーションあるでもなし。
あんま変な恰好で浮いちゃうと隊員さんにも迷惑かけちゃうし、さてどうすんべね。


って、ことで中村に聞いてみた。

「イベントに何着てくって……別に普段着てるので良いんじゃね?」

「えー」

そしたらこんな返事が返ってきたよ。
ダメだこいつ、俺と同レベルだ。分かってけどな!

「別に上下ジャージとかじゃなきゃ、気にしたもんでないと思うけどな」

「そんなもんかねえ」



とりあえずその場は納得した感じで話は終わらせたけど、まあダメだよな。

どーすっかなあ。
正直服装に関しては、俺ってたぶんセンスないからなー。

下手に自分で選ぶと……むむむ。


っといった感じに、カフェルームでうんうん唸りながら服装について悩んでいたのだけど。
ふいに背後から声が掛かる。

「どったのー?」

「うぉぅっ」

油断しててくっそビビった。
危うく紅茶こぼすところだったぜい……。

「そんなびっくりしなくても良いじゃないー」

「いやー、ちょっと考え事してたもんで」

ちなみに声を掛けてきたのは北上さんね。
ダンジョン潜り終えたところって感じかな?たぶん軽く夕飯食べにきたのだろう。

……北上さんか。少なくとも俺よりは服のセンスありそうだよね?私服可愛かったし。


「なになに、悩みごとー?」

「あー、実はっすね」

自分でいいの選べないのなら、センスありそうな人に聞けばいいじゃないなのだ。
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